mikotoの呟き

小説(◆マーク)とお知らせや近況報告

◆五悠♀

 

煩わしいあのスポットライトの下から逃げたかった。

何もかも面倒になって、全てを投げ出してただ身一つで遠くを目指した。

 

子供の頃に手を伸ばし憧れていた光景は既に遠い。だけど手が届かなかった訳じゃない。

早くに手が届き過ぎて拍子抜けしてしまったのだ。

 

自分が憧れていた、あの光景はもう…手に入らないのだと痛感してしまい、やるせなさに項垂れたのだ。

 

誰も自分を知らない所で何も考えずに過ごしたかった。

 

 

 

 

 

 

「悟さん~!起きてる?」

 

ぼんやりと居間の天井に出来たシミを寝転がりながら眺めていたここの一軒家の家主である五条は廊下まで響く玄関から自分を呼ぶ幼い声に視線を動かした。

 

「ん~…起きてるよー」

 

ゴロリと寝返りながら返事を返すと途端に廊下をバタバタ走る音が聞こえてきて五条はクスリと笑う。

笑みを零したと同時にスパンッ!と居間の襖が開かれて元気いっぱい!という表現が似合う高校生になったばかりの幼い顔の女の子が仁王立ちで寝転がる五条を見下ろした。

 

「おはよう悟さん!!」

 

太陽にも負けない元気いっぱいなその声に五条は笑顔を返した。

 

「おはよう、悠仁

 

 

五条が寝転んでいた体勢から身を起き上がらせると悠仁はトタトタと五条の前に座って持っていたタオルで汗を流す五条の額や首をとんとんと拭いてやる。

どっちが大人なのか分からない。悠仁は世話を焼くのが結構好きみたいで何かとダラしない五条の身の回りのお世話をするのが楽しいらしい。

 

28歳だが独り身の生活の方が長い五条だって自分の世話や家の事とかも一通り完璧に出来るのだが仙台に来てからは何一つやる気が起きず縁側でただぼーっと過ごしてたある日に悠仁が現れて、その日を境に何故か世話を焼いてくれている。

軽いと言われる五条だがこれでも人との付き合い方は上手くない。いや、上手い方なのだが相手の方が異様に高い五条のテンションと返されない会話のキャッチボールに疲れて五条を苦手意識し、どうも敬遠されがちなのだ。

 

それで困る事はないから五条は気にした事なかった。

けど、悠仁はそんな五条のテンションについていける珍しい子だった。

 

 

 

 

 

 

 

◆五悠宿虎SS

五悠多めのSS。

ぱうにて投稿したものです。

 

 

 

「あっあぁ…!!せ、んせぇ、やら、奥…っ!」
「うん?」
「ふぁぁっ、そこダメぇっ!」
「気持ちー?」
「うん、うんっ…!だ、からダメっ…!!あぁんっ」
「でも僕はここが気持ちいーな?悠仁が気持ち良いから僕も直ぐにイッちゃいそうだよ」
「あ、んっ!あぁ、うぅ…イって♡♡せんせ、イって…!」
「ふふ、出して良いの?」
「出してぇ♡」
「どこに出して欲しい?」
「あッ、あッ…な、か…中に出して…!♡」
「赤ちゃん出来ちゃうかもだけど、中に出して良いんだ?悠仁
「いい、良いよ…!せんせぇの赤ちゃん欲しいっ♡♡」
「ハハッ悠仁はホント可愛いなーもう!なら遠慮なく奥にブチ撒けるよッ!」
「ひゃぁあっっ♡♡せ、せんせぇっ…!!!」

という五悠 が大好き(*´ ˘ `*)ウフフ♡

 

 

 

 

◆ 
 

「帳が…あれ?!先生!!?」

見上げれば上空に五条が目隠しを外し、冬の青空を閉じ込めた瞳で凍てつくような視線が花御を見下ろしていた。

「五条先生…」

悠仁は先生から放たれる肌を刺す殺気に先生が怒ってる?と疑問に思いながらも心底安心もしていた。
五条なら誰にも負けない。だからこの場はこっちが勝ったも当然。先生の邪魔になるような事はしたくないが先生と一緒に戦えるかも、と不謹慎ながらワクワクもしていた。

悠仁、無事?」

重力に逆らって上空に留まっていた五条がストっと軽やかに悠仁の傍に降り立った。先程まで花御を見下ろしていた底冷えするような視線はない。

「無事…!」

やはり五条の強さは桁違い。
悠仁は五条に体当たりする勢いで抱き着き何も問題ないと報告する。

「そっか、安心した」

両頬が赤くなっているのをじっと見つめたが今は問う場合ではないだろうと悠仁の頬から視線を外し五条は花御に向き直った。

「あの時も悠仁を囮に逃げやがったのに悠仁をまた狙うなんて…」

覚悟しろよ?

ヒヤリとする程冷たい声がその場を制した。
悠仁は誰にも渡さないと、悠仁の肩を抱く腕が物語っていた。

 

◆ 
 

教室に戻る道すがら、同じく教室に向かうのであろう五条の後ろ姿を悠仁は見つけた。
いつものように両手をポケットに突っ込み歩く後ろに悠仁は閃き、その時キャーピン!と効果音がどこかで聞こえた。

遠くにいる五条はまだ悠仁に気付いてないから気付かれて振り返る前にと悠仁は猛ダッシュした。そして、

ズボッ!!

「……悠仁?」

悠仁は両手をポケットに突っ込んで体と腕の間に出来た隙間に頭を突っ込んだのだ。
それは両手を合わせ作った穴に顔を突っ込む猫の動画によくあった光景だった。いきなり後ろから突進されたのには驚かないが腕と体の隙間に頭を突っ込んだのには驚いた五条だ。

「えへへ、五条先生!」

成功した!とそのまま挟まれたまま屈託なく笑うその顔に五条の心臓はズッキューン!!とハートの形をした矢に撃ち抜かれた。

「可愛いなこの野郎」

思わず本音が飛び出た五条は片手をポケットから出し悠仁を抱き締めた。嬉しそうに笑う悠仁が可愛い過ぎてツラい、と五条は幸せの溜息を吐いた。

五条との子どもが出来た悠仁
男の子で先生似で可愛い!先生の力と悠仁の桁違いの身体能力を受け継いでいてまだ幼いからたまに目が痛くなって悠仁ママに引っ付いて甘えるの

「あれ、どうしたの?」
「悟さん、おかえり。なんか目が疲れちゃったみたい」
「そっかー、まだ小さいからね。制御の仕方がまだ分からなくてしょうがないよ。この力に関しては慣れて自分の物にするしかないから」
「…うん」
「ふふ、大丈夫だよ。悠仁が甘やかせばあっという間に良くなるよ」
「…父さんと一緒にしないでくれる?」
「あ。起きちゃった」
「えー?お前お母さんに抱っこされて良くならないの?」
「……なるけど。」
「だよね〜!流石僕の悠仁♡」
「もぉー、2人ともそんなんでホントに治るの?」
「「なる!」」

悠仁は皆で使う休憩スペースのソファでぐったりしてる五条を見つけ、滅多に見られないその姿にギョッと慌てて駆け寄った。

「五条先生?!!どったの!!?」

どこか怪我でもしたの?!と前に回り込んで体をぺたぺた触って確認すると五条はん…?ゆーじ?と弱々しい声音を零して起きた。

「先生…大丈夫?」

ありありと心配だと顔に隠しもしない悠仁にくすりと五条は笑う。これが七海や恵たちなら静かで良いな、とか言いそうなのに悠仁は全力で心配してくれている。
その事が酷く擽ったくて…嬉しい。

「だいじょうぶだよ〜…ちょっと暑いのが苦手なだけ」
「え?今日暑い…?」

まだ春先なんだけどなぁ…?と首を傾げる悠仁だったがそのまま両手で五条の頬を包んだ。

「!」
「冷たい?」

さっき缶ジュース飲んでたからまだ冷たいンだ!と微笑むのに五条は肌の表面が冷たい、けれど暖かい悠仁の手に擦り寄って頷いた。

悠仁は…本当に可愛いね…」

急な雨に降られずぶ濡れになった五悠が先生の家で着替えて先生の筋肉に悠仁が目をキラキラさせる話。
(※まだ付き合ってない)

「はー…天気予報見れば良かったね、下着まで濡れちゃった」
「ねー。朝は晴天だったの…に…?!」
「?…悠仁
「……五条先生、腹筋すご…」
「え、ちょっ…悠仁?」
「先生の顔凄い幼いから、えと…ギャップ萌え?っていうの?凄いね…」ぺたぺたと触る
「………。」
「俺も腹筋とかある方だけど、先生のはなんていうのかな…イタリアとかによくある彫刻みたい」つぅ…と指でなぞる
「ッ…」
「五条先生、カッコイイ」
「…はぁ…悠仁それ、わざとやってるの?」
「え?何が」
「チッ…これだから天然無自覚は…」
「せ、んせ…?お、怒った?」
「ううん、怒ってないよ。でもこれは悠仁が悪いよね?」ニコリ
「え?」ドサッと押し倒される
「こんなに煽ったんだから、責任取れよ?」悪い笑みを浮かべながら見下ろす先生

ペロリと食べられる悠仁でした(*´ ˘ `*)ウフフ♡

五悠←宿でNTRは楽しいぞ

「うくっ…ぅ…」
「何を泣いている」
「…ひくっ…うる、さい…オレを、穢したくせに…」
「気持ち良かったくせに」
「せ、んせぇ…ごめ…なさい…せんせ…」
「…ガキがメソメソと鬱陶しい、ほら鳴け」
「ひゃぅっ!?い、やぁ、触る、な…っ!!あ、やだぁ…!!あっ、あぁっ…!」

宿虎←五でNTR

「だめ、だめっ…!!」
「大人しくして、悠仁
「先生、なんで…っ」
「僕の気持ちを知っていながら宿儺と婚姻の義を交わすの…?許す筈がないでしょ」
「ひっ!や、指入れちゃだめぇ…!!や、やだ!止めてよ先生…!!宿儺ぁ…!」
「嫌なら懐剣で僕を止めれば良い。簡単だろ?」
「そ、んな事…出来る訳が…!!ぁあっ、ん…!!?」
「…悠仁は甘いからこれから僕に穢されるんだよ」

今週の本誌せんせーヤバい。

虎「え…なに、これ…」
東「派手にやったな」
虎「……俺、めっちゃ手加減されたのか…ていうか富士山の時も手加減してた?!!」
東「富士山?」

喧嘩した五悠

「ごめんなさいは?」
「…俺、謝んないよ…」
「…悠仁?」
「プイッ(´^`)」
「…へぇ?僕に逆らうんだ?」
「っ…!せ、んせ?」
「じゃあちょっと乱暴しちゃおっかな」
「ひっ…!や、だ」
「聞き入れてあげないよ」
「やだやだ先生ごめんなさいっ!」
「もう遅い」

「うぅっ…せんせの意地悪…(泣)」
悠仁が言うこと聞かないからでしょ。ほら?」
「…せんせぇごめんなさい…大好き…」
「はいよく出来ました。僕も大好きだよ」

今週は五悠やったな…(*´ ˘ `*)ウフフ♡

「もぉー!!何で桜咲いてるのにこうも雨ばっかりなのよ?!寒いし花見出来ないじゃないの!!」
「…釘崎寒いからってさぁ、俺で暖取るのやめね?」
「お黙り子供体温。湯たんぽ」
「………。」
「伏黒まで俺で暖取るし俺も寒いンだけど?!いや、左右温かいけどさ!!」
「君らなぁにやってるの?w」
「五条先生!寒いンだけど温めてー!!」
「ちょっ、虎杖!呼ぶな!」
「そーよ!!何呼んでるのよ!」
「恵、野薔薇…ひどくない?そんな事言う子達はまとめて温めてやるー!」
「ギャーっ!セクハラで訴えるわよ!!」
「っ…五条先生苦しいンで離して下さい 」
「あははは!温かい〜!」ぎゅう〜っ
「虎杖笑い事じゃないでしょ?!」
「…疲れた」

「(温めてる筈なのに僕の方が暖められてる気がするなぁ…)」

先生のお膝に悠仁が座って後ろから先生に抱き締められ、悠仁の左右を伏黒と野薔薇が陣取って暖を取る仲良し1年生と担任の姿を見て呆れた顔しながらも写真に収める2年生の姿があった3月下旬。

窓から空が白んで朝が昇ってくるのをただ眺める。
頭の中は特に何かを考えている訳ではなくただ変わる空の色をベッドに横たわって紅い瞳が眺めていた。

「…む、ぅ…」

眩しかったのか懐で心地良さそうに眠っている子供がむずかるように小さく唸る。
視線を下ろせば前だけを崩した己の乳房を食みながらちゅう、ちゅぱ…と悠仁が吸い付いている。

涎で濡れてベトベトになってしまって乳房を見て激昂したのは最初の内だけで今では求められてしまえば好きに吸わせている。
まるで大きな赤ん坊だ。けれど子供は別段乳離れが出来ない母が恋しい赤子な訳ではないらしい。
遠征に赴いて宿儺が出られない時は普通に眠れているし子供本人も母親?どっかに居るんじゃない?と興味すら抱いてないのだから宿儺は嗤う。

宿儺のおっぱい吸いながら寝るとぐっすり眠れるし宿儺が傍にいてくれてるンだって安心する。

と、はんなり笑いながら言われて許してしまった己は子供に対して僅かに母性に目覚めそれを悦びすら感じているのだから手に負えない。

ちゅう、と乳も出ない乳房に吸い付く子供の頭を撫でて宿儺は光を遮る為にカーテンをそっと閉めた。

悠仁に用事があったから部屋に来てみれば、驚きの光景で少し固まってしまった。
思わずここ、悠仁の部屋だよね?と表式なんてないのに確認してしまった。見慣れたベッドに宿儺が居るのだから悠仁の部屋に間違いなかった。

「…これ、どーいう状況?」

五条は目の前の光景を見て困惑する。求めていた悠仁は、宿儺の胸に吸い付いて気持ちよさそうに眠っていたからだ。

悠仁まだ乳離れ出来てないの?と笑いたいがなんせ乳を吸わせているのはあの呪いの王、宿儺だ。五条が居ようと平然と乳を吸わせているのに恥じらいはどうしたと問いたい。けれど今は女の身体でも元は男だから恥じらいなんて以ての外だった。

ちゅぱっ、と濡れた音に思考していた頭が我に返り濡れた音の元を見れば吸うのに疲れたのかはふ、と胸から口を離す悠仁。口内から出された宿儺の胸は涎でベトベトに濡れていてずっと吸われて舌で転がされていた乳首が赤くなって立っていた。
少し休憩して悠仁は再びはむっと吸い付いてちゅうちゅうと吸い付いた。

その一連を五条は瞬きすることなくじっくりガン見してた。そして勃ってしまっていた。最高の絶景だった。

「ねぇ、僕も交ぜてよ」

「僕も交ぜて?」

首を傾げながら問い掛けてるいるが目隠しを下ろしたその目は爛々と渇望の色に変わっていて逃がす気はないと語っていた。

まさか己まで喰らおうとは…物好きな者もいたものだ。ケヒッ、宿儺は妖艶な笑みを浮かべて良いだろう、と頷いた。

小僧はこの男が思いの外、好んでいるからな。許しても良いだろう。それに、中を抉られて乱れる小僧も眺めて可愛がれるとうっそり嗤う。

衣服を脱いだ五条が悠仁と宿儺の足元に腰を下ろした何も身にまとっていない悠仁の太腿から尻に向かって手を滑らすのを見届けてから宿儺は乳房を吸う悠仁の頬を撫でる。

「ん、ぅ…?」

それだけで目を覚ます悠仁に宿儺は見惚れるような表情で悠仁の額に口付けて囁いた。

「小僧…乱れて魅せろ」

朝からの満員電車ほど、辛いものはない。

「うーん…息苦しい」

ぎゅうぎゅうになった電車内の中で悠仁と五条はこれでもかっていうくらいに人に挟まれていた。
任務後に帰ろう、ってなったのだが伊地知が新幹線のチケットを取り損ねたから仕方なく普通の鈍行列車に乗ったのだが間が悪くて通勤時間だったのだ。

「そうだね、僕は背が高いから息は出来るけどw」
「先生それ嫌味?」
「あはは、ごめんごめん。悠仁はそのままで可愛いよ」
「いや、可愛さ求めてないけど」

長身の五条は余裕だが一般的な身長の悠仁はちょっと息苦しく感じていた。すると次の駅に着いたのか人が流れていくがここが降りる駅ではない二人は流されないように人を避ける。

悠仁こっち」
「え?」

五条に引っ張られて開いてる反対側のドアに寄せられた。出て行った同じ人数だけまた車内に流れたから変わらずぎゅうぎゅうだったが悠仁はさっきと打って変わって息が出来た。
五条がドアに両手を付き悠仁を囲って壁となってくれていたから。

「これで息出来る?」
「…うん」

きゅん、と来た。
ぎゅうぎゅうだから、と悠仁は赤くなった顔を五条の胸元で隠した。

「せんせ!!」

PCに向かっていた五条の背中に悠仁が雑誌を片手に飛び付く。

「んー?」
「夜の桜見に行きたい!!」
「ん〜…」

バッと夜桜のラインアップが載っている雑誌を見せてせがむと五条は悠仁の頭を撫でて苦笑いした。

「あ、ダメ…?」

苦笑いする五条にもしかして忙しかった?邪魔だったかな、と悠仁の表情が曇る。

「ダメじゃない。ダメじゃないけど…」
「けど?」
「…夜桜と悠仁のセットを見たら絶対襲っちゃうからなぁ。襲っていいなら見に行く?」

曇った悠仁の表情に五条は直ぐに否定して甘えて良いんだよ、と頬を撫でるが悩んだ理由を口にすると悠仁は赤くなって背中を仰け反らした。

「ふぇっ…?!!」
「僕、我慢出来ないし」
「う…ぁ…い、挿入ないなら、いいよ…」

あっけらかんと言い放つ五条に悠仁はしどろもどろに答えた。自分を押し倒した五条と夜桜の幻想的な姿が頭を過ぎったのだ。

「!…ふふ、綺麗に咲いてる所で、人が居ない所に連れてってあげる…」
「…ぅ、ん…」

悠仁の返事に五条は目を見張ると次の瞬間には美しく笑みを浮かべて悠仁を抱き締めた。悠仁は目元を赤く染めて頷いた。

にょた悠仁で生理ネタ。

 

「今月はめっちゃお腹痛い…ダルい…」

机の上に突っ伏して力なく悠仁は呟いた。
するとそれだけで他に2名は察したのか薬持ってるわよ?飲む?と釘崎が悠仁の背中を撫で、伏黒が労わるように悠仁の頭をぽんぽんとした。

「伏黒ぉ〜…釘崎〜」

二人のそんな優しさに悠仁は少し痛みが和らいだ気がして笑みを浮かべた。

その時、

「辛いなら僕が10ヶ月程止めてあげようか?」

背後からそんな声が聞こえて3人は振り返るとやっほーおはよ♪と片手をひらひらさせた五条が居た。

「オイコラ面白くねぇんだよその冗談」
「七海さん呼ぶか」
「せんせぇ、気配消すなよ〜」

釘崎がガラ悪いチンピラのように五条を睨み付け伏黒はスマホを耳に当てて七海を呼ぼうとする中悠仁だけはにらへ、と笑って五条を見上げた。

「んー冗談じゃなくて僕はいつでも本気だよ?」

いつもの悪ふざけだろうと呆れる3人に五条は心外だな、と首を傾げた。悠仁のガードマン、ガードウーマンの二人は五条を睨み、

「「尚更悪いわ!!」」

ひらひら。

さら…さら…。

桜の花弁が風に靡いてひらりと舞い、優しく揺れる白髪に目を奪われる。
遠く景色を眺めるその横顔が儚く見えて今にも薄れてどこか手の届かない処へと行ってしまいそうで焦燥感に掛けられた。

目を奪われ立ち止まっていると気付いた五条が打って変わっていつものように掴み所のない、けれど確かにそこに居ると感じる…普段の笑みを浮かべて悠仁を見つめ何やってるの。早くおいでよ、と首を傾げた。

焦燥感が消えず胸を締め付ける痛みに悠仁は駆け足で五条に体当たりで抱き着いた。

悠仁?」
「……。」

綺麗な光景だった。
目に焼き付いて離れる事はないだろう。けれど怖かった。今更離れる事なんて出来やしないのに、何処かへ消えてしまいそうだと焦ってしまう。
そんな不安を見越したのかどうか分からなかったが五条はくすりと笑って悠仁を抱き返した。

「大丈夫、僕は悠仁を一人にはしないから」

頭を撫でる大きな手に焦燥感が僅かに薄まる。
悠仁はうん、と頷き五条の肩口に額を擦り寄せた。

桜に攫われそうに見えたなんて言ったら笑われるだろうか。
一緒に連れて行ってと行ったら…頷いてくれるかな。

悠仁…僕に捕まって」

見下ろす蒼空がスっと細くなり揺れる琥珀を捕らえて離さない。甘い言葉を紡ぐその声はハチミツのようにトロリとしてて絡み付かれて溶けてしまいそうになる。
いつもは隠されて見えないその双眸が自分だけをひたりと見つめている事が分かると背中を駆け上がる何かに息を詰めてしまう。

顔が熱い。身体のあちこちから力が抜けて逃げられなくなる。

「…悠仁

名前を呼ぶ声が、掠れて求めているのだと懸命に伝わってきてクラりと眩暈がする。

「待っ、て…」

迫り来るその胸に手の平を押し付けて静止を掛ける。けれど逆にその手を捕えられぎゅっと握り締められた。

悠仁、こっち見て」

抗いたいのに、抗えない。
恐る恐る見上げると隠しもしない欲望を孕んだ目と合った。切ない表情なのに、決して逃がしはしないと雄弁に語っていて振り撒かれる全力な色気に既に限界だった。

「せ、んせ…そんな…見ないで…」

見つめられるだけで心拍数が上がり息が乱れる。
それなのに甘い声で名前を囁かれたら、耐えられる訳がない。
赤くなって潤んだ琥珀で懇願すれば三日月に歪んだ蒼空に喰われる、そう確信してしまった。

ちゅっ。
そんな可愛らしい音を立てて唇に柔らかい何かが掠めた。

「…え?」

きょとんと目を丸くさせて悠仁は五条を見上げた。
にっこりと笑った五条が先ほど悠仁の唇に触れた己の唇を人差し指でなぞる。

「イヤだった?」
「え?いや、それは全然平気だけど…」

てか俺が聞きたいのは何でキスしたのか、何だけど…?困惑気味に五条を見つめると嬉しそうなその顔があれ、近くね?と思った次の瞬間にはまた唇を奪われていた。

けれど先ほどの掠めたものじゃなくて今度は唇の形を確かめるかのように、食むようにしてキスされて尚更悠仁は困惑で頭上をいくつものはてなマークが浮かび上がった。

「ん、んぅっ…むっ???」

疑問の唸り声を上げればやっと口を離されて、悠仁は思い切り息を吸って本当に何なの?!と五条を睨む。
男の自分にキスして何がしたいの?と問い詰めるその目に嫌悪感も危機感もなかった。

そんな悠仁に五条は危惧するけど今はそれに甘える事にして目隠しを外すと悠仁の目を見つめ、

悠仁、好き。僕の嫁になって?」

腰を抱き寄せれば、暫しの硬直後…キスには反応なかったのに悠仁はボンっと顔を紅く染めた。

宿儺と悠仁の朝(※兄弟パロ) 

 

悠仁

低い声に呼ばれて縁側で外を眺めていた肌着しか見に纏っていない悠仁がパッと振り返り、部屋の中央で着物を広げた宿儺の元へ駆け寄る。

「それ、そこに立ってろ」
「今日はその着物?」

宿儺の前に立ってその手に持っている着物を見下ろす。菊と牡丹が一面に咲き誇る綺麗な紅い着物だった。

「気に入らぬか?」
「んーん。おれ、男だからこんなキレイなのおれが着ちゃって良いのかなって」

可愛い女の子が着た方がいいんじゃないの?と首を傾げる悠仁に宿儺はクツリと笑い、悠仁の柔らかい頬をそっと撫でる。
すると大きな目の琥珀がスっと窄まって気持ち良さそうに大きな手にもっと撫でてと擦り寄った。

「これはオマエの為にと作ったものだ、オマエが着ねば意味のなさないただの衣となる故オマエが着て良い」
「ん、すくなが選んでくれた着物、どれもキレイだから好き」

ふにゃ、と笑う悠仁に宿儺はそうだろうと頷く。
悠仁が着るもの、付ける飾りは全て宿儺が何百とある中から厳選したもの。一つも怠って選んだ物はない。

全ては最愛する弟の為。

「さぁ、本日も俺の為に着飾ろうな」

宿儺と悠仁(※兄弟パロ) 

わくわくと悠仁は草履を履く宿儺を今か今かと玄関先で待っている。そわそわ開いた玄関と宿儺を交互に振り返るその姿に宿儺は仕方なさそうに笑った。

「準備出来たぞ」
「わーい!じゃあ早く花見しょー!」

桜満開と聞いて悠仁が桜を見に行きたいと宿儺に強請りこれから桜道が有名な所へと赴く所。
宿儺の手を握って嬉しそうにニコニコと笑みを浮かべ鼻歌を歌う弟に宿儺の表情が柔らかくなる。

「すくなと花見ー!!」
「そんなにはしゃぐと転ぶぞ」
「花見にはお団子は欠かせないよね♡」
「うん!…え?」

三者の声にルンルンとはしゃいで返事を返したが気付いた悠仁と宿儺が後ろを振り返るとそこには五条がビニール袋を片手に居た。

「悟くんだー!」

きゃー!と五条に抱き着く悠仁を抱き上げて五条はあぁ、僕の天使かわいい!と頬擦りして嬉しそうだ。

「オマエ何故いる」
「花見行くンでしょ?僕が参加しない訳ないでしょうよ〜」
「オマエ等…」
「え!悟くんも花見一緒?」
「……」

さっさと帰れと口にするつもりだった宿儺は悠仁の嬉しそうな顔にぐっと口を閉じた。それを見て五条はニヤりと笑う。

「せんーせ!」
「ん?ふふ、どったの悠仁

今日は土曜日。久々に五条も休みが重なり滅多にない機会に悠仁と2人で花見に行った。そして花見してブラブラと街を歩きデートして五条が利用するマンションに帰ってきた。

夕食は五条が手を振るい悠仁を喜ばせた。その笑顔を見るだけで五条は頬が緩んじゃうのだ。
作ってくれたから皿は俺が洗うね!と流しに消えた悠仁の後ろ姿を見送って待っている間にカメラメディアに画面いっぱいに埋め尽くされた桜と悠仁の写真を眺める。うん、可愛い。

水の音が止むとすぐ様背中に温もりが重なる。

「せんーせ!」

楽しそうな声音と共にソファーの背もたれを越えて悠仁が膝に乗っかってくる。スマホを横に置いて五条は悠仁の腰に手を回し分かっていながら何?と問い掛ける。

悠仁は分かってるクセに、と頬を膨らませたが切替えて五条の唇に噛み付いた。柔らかい下唇を甘く食みながら琥珀の目が蕩けて至近距離から五条を見つめる。

「もっと、キスしょ…?」

首に腕を回し強請る悠仁にくつくつと五条は笑い恋人の可愛さに頭が痺れてくる。

悠仁可愛い」

言うと同時にガブリと悠仁の唇を覆って応えた。

悠仁〜…」
「んっ、ん…ふっ…」

寝転んだ五条の腰に跨り、後ろ向きで五条のモノ呑み込んでいる悠仁の背中に五条は情けない声で呼ぶが悠仁は腰を上下に動かして快感だけを追っている。赤黒いのが出入りする光景は絶景だが…

「…いい加減に顔見せてよー」
「あっ…は、やら…ぁ、っ」

ずっと弓なりに反って踊る背中しか見せ付けられていい加減蕩けた顔が見たいのに悠仁は怒っていて頑なに背中を向ける。

「意地悪したのは謝るからさ、こっち向いて?」
「や、っ…まだ、ゆる…さない、し……んぅっ!」

軽いイタズラで思わぬ逆鱗に触れたらしくて珍しく悠仁は直ぐに五条を許さない。
それでも体は合わせるのだから可笑しな話だが顔を見せない事で怒っているのだと分からせる。

ぎゅっと故意的に中を締め付ければ五条の表情が歪み歯を噛み締める。
我慢なんて出来る筈もなく、五条は腰を突き上げて思い切り襞を擦り付けながら抉った。

「っ!悠仁…!」
「あっ、ぁ、やぁあっ突かないでぇ!」
「ふ…っ、無茶言うな…!」

グリグリと奥を抉りながら五条は背中を向けていた悠仁をそのまま前に倒し体を反転させて赤くなった唇に噛み付いた。

スン、と鼻を鳴らす。
ふわりと鼻を擽る甘いムスクの匂いにうっとりとしてしまう。

「…悠仁?」

えと、僕臭う?と10分前から抱き着いて首筋に顔を埋め鼻をスンスン鳴らして嗅ぐ悠仁に五条は困惑気味に呟く。

まだ28歳だから加齢臭とかない筈だけど、と焦る五条を余所に悠仁はスンスン、クンクンと嗅いでいる。
傍から見たら飼い主の匂いを覚えようとしてる犬にも見えた。

「せんせ」

加齢臭?!と不安がる五条の首筋から悠仁がやっと顔を離し、見上げた。その表情を見下ろした五条はハッと目を見張る。

「せんせの匂い、好き…」

にぱっと笑みを浮かべた悠仁のその表情はトロンと蕩けていて、欲情していた。
五条の匂いだけで頭が痺れるような感覚に襲われ、背筋を電流が走る。吐息も熱くなって五条の肌を擽った。

「…せんせ、もっと嗅いでいい…?」

上目遣いに見上げてきた琥珀ゆらりと揺れる。
うっとり愉悦に浸っているその表情に感化されて五条の目も欲情していた。

「…いいよ」

でも、その前に僕の番ね。
そう囁いて五条は悠仁の耳の裏に鼻を寄せた。

雪豹×仔虎

ゴロゴロ、ゴロゴロ

顎下をスリスリと撫でれば喉から鳴るゴロゴロ甘えた音に五条は嬉しそうに目隠しで隠された目を細めた。
寝床に二人寄り添って寝転がり、仰向けになってお腹を見せる悠仁の体をどこも余すこと無くペロペロと毛繕いしてあげる。
擽ったそうに身を捩りながらも気持ち良さそうに微睡む姿は可愛い。

うにゃうにゃ、と意味もない言葉を口にしながら五条の懐にグイグイ頭をすり寄せてくる愛し子に五条の表情は緩みっぱなしだ。

「ゆーじ 」
「んにゃ〜…せんせぇ」

デレデレした表情で五条が悠仁の顔中をそれはもうベロンベロンに涎まみれになるくらい舐め回すと悠仁は構って貰えて嬉しそうに舐め返す。
顔の至る所を舐め尽くしてしまうと二人はお互いの舌を舐め啜った。
互いのザラ付いた舌の感覚が気持ち良くて二人の息は次第に上がっていく。

「ん、んに…ゃ、」

紅く頬を染めながら懸命にぺろぺろと五条の舌を舐める悠仁の姿に五条の息は興奮で熱くなった。

悠仁…もっと気持ちいい事しょうか」

悠仁の鼻にカプッ、と甘く噛み付いてトロリとした声音で五条は囁けば、悠仁の目がスっと期待に溺れた。

先生が出張先から帰ってきた。
ガチャっと玄関の開く音を聴いた瞬間身体は動いていて玄関へ走っていた。

「先生おかえりー!!!」

両手を上げて労わるように抱き締めようとしたけれどある匂いが鼻をついてたたらを踏む。

「ただいま!ってあれ、どしたの?」

先生も両手を広げて俺が行くのを待ってくれていたがたたらを踏み立ち止まった俺に不思議そうに首を傾げた。
ある1点の所から視線を外せなかった。
白い頬の肌に残る、一線の切傷。

「…その切傷どうしたの」
「ん?あぁ、仕事でね。相手が人だったからちょっと油断しちゃった」

頬の傷に触れて何でもなさそうに言う先生に悠仁の中でマグマのようにふつふつとドス黒い怒りが湧く。
徐に先生の胸ぐらを掴むと引き寄せて屈ませ切傷に噛み付いてやった。

「痛っ…悠仁?」
「傷、作んなよ。先生傷付けられんの許せないし腹立つ」

血が滲み塞がり掛けていた切傷をわざと開いて溢れてきた血を啜る悠仁に五条は目を見開いた。
驚いて僅かに口を開いたままの薄い唇にキスをして悠仁はニッコリ笑った。

「分かった先生?」
「…分かった」

頷いた五条の口元は、笑みを描いていた。

「ゆーじ」

高専の近くの公園に散歩がてら出掛けて目に付いたベンチに腰を掛けた五条と悠仁
すると眠そうに欠伸をして五条の肩にぽすっと悠仁が凭れ掛かったのに五条が見下ろす。

「ん〜なぁに…?せんせぇ…」
「眠い?」
「んー…せんせぇポカポカする…」

ふにゃり、と笑みを浮かべて悠仁は肩にグリグリと頭を擦り付けて腕の裾を掴むとそのまま目を閉じて眠ってしまった。

「ポカポカかぁ〜」

それは悠仁のことだと思うな。
くすりと笑みを浮かべ五条は陽だまりの匂いがする悠仁にそっと起こさないように口付けた。

春の暖かさに、二人微睡む。

駅の近くにあるオープンテラスのカフェで紅茶を片手に待ち行く人々を眺めていた黒和装の宿儺の元に黒スーツを見に纏った悠仁が近付く。

「宿儺ー」
「遅い」

やっと来たか。と顔を顰めたのに悪い悪い、と苦笑いして悠仁は宿儺の前に座った。

「…首の所、噛み跡がくっきりのままだぞ」
「え?マジでか」

スーツと同じ黒いYシャツから出る首筋から紅い歯型が覗いており黒と相まって際立って目立つ。
宿儺が指摘すると眉間に皺を寄せて「悟さん見える所は止めろって…」と小さく文句を呟いていた。

「また喧嘩したのか」
「うん。だってあの人また銃から庇ったから」
「どっちが側近なのやら…」

それ、あの人にも言ってくんない?と不機嫌そうに言う悠仁に宿儺はくつりと笑う。

「余程オマエが大事と見える」
「俺だって悟さんが大事だ」
「俺に惚気るな」

惚気けてない!と騒ぐ悠仁に宿儺はやれやれ、一緒に居る事自体が惚気だったか。と呆れて溜息を吐いた。

「来い」
「今日はどこ行くの?」
「新しい刀」

ふーん?もうちょっと年相応の所でも良いと思うンだけどなぁ。立ち上がり宿儺が残した紅茶を飲み干しその後を着いてく。

「せんせぇ〜」

幼い口調に五条はくつりと笑みを零し、なぁに?と悠仁の体を寝そべっていた床から抱き上げて寝室へ向かう。
眠気に襲われた時の悠仁は時折、幼くなる時がある。今もまだ子供だけれど普段の悠仁は周りに遠慮するような子供だ。遠慮と言っても別に周りに気を使ってる訳じゃない。
周りの人間の心に温もりを与えている反面、悠仁は甘える事に慣れず遠慮している。もっと子供らしくたくさん甘えれば良いのにと思っている。

「…せんせぇ」
「んー?」
「…せんせ、いないの寂しい…」
「……うん、」

出張で高専に居ないのがほとんどだから恋人なのに傍に居られなくて寂しい思いをさせてしまっていた。
悠仁は元気に振る舞って怪我だけはしないよう頑張って来て!と見送ってくれるけど…、寂しくない訳がない。

「暫くは悠仁の傍から離れないよ、安心して」
「ん、ホント…?」

本当に。そう返して五条は腕に抱えたままベッドに入るとそのまま悠仁を抱き締める。すると嬉しそうに微笑んで悠仁は眠った。

これから請け負う仕事もさっさと終わらせよう、悠仁が寂しい思いをしないように。

「愛してるよ、悠仁

 

 

今日もまた、太陽が昇って新しい1日が始まろうとしている。けど、俺にとっては地獄の始まりの合図。

俺は、死んだ筈だった。
なのに何故かこうしてまた何事もなかったかのように息をして太陽の下を歩いている。

裡に宿儺を宿したまま。
でもそれは嘆く事じゃなかった。宿儺とは一応生前に和解していたから宿儺がまだ裡にいることに関しては別に文句もない。
地獄へ道連れにするつもりの相手だったし一人じゃないと逆に安心感を覚えている。

何で生きているのか、不思議だった。宿儺は今回、何もしていないから宿儺も首を傾げていた。
でも、生きていてもそれが幸運とは限らなかった…どうやら俺の地獄は、ここからだったらしい…。

 

 

「す、く…な…」
『小僧、寝るな起きろ』

 

そんな事言われたって…起き上がれないし無理。
そう宿儺に反論しょうにも口からはごぷりと赤黒い血が溢れてヒューヒューと掠れた息が漏れるだけ。

鳩尾を貫かれたのだ。
べしゃっと後ろに倒れ込めばあっという間に地面を真っ赤に染めてしまった。油断した訳じゃないけど気を取られて背後に回われてしまい避ける間もなく貫かれてしまった。
 
「ゴフッ…」

 

またごぷりと血が流れた。意識が朦朧とし始めると裡の宿儺から早く代われという声が響く。反転術式で治そうとしてくれるのだろうけど、その元気もない。

あーぁ、しくったなぁ…。
せっかく?生き返ったのに、と諦めた思いで空を見上げたら、

 

「また勝手に1人で死ぬつもり?」

 

見上げたつもりの空は、美しい瞳に閉じ込められた澄んだ青い空だった。

 

「ご、じょ…せ、せぇ…?」

 

目を見張って見上げた顔を見つめた。
以前見た時よりも、やつれていた。けど相も変わらず年齢に似合わない幼いその面影は懐かしいと感じるものだった。

何でここに居るのだろうか…。そう顔に書いていたのか五条は疲れたように重い溜息を吐き膝を地につけて寝そべる悠仁を抱き上げた。

 

「…悠仁の気配を感じたんだ」

 

だから探した。

そして見つけてくれたのか。と悠仁は心に灯る嬉しさに目頭が熱くなるのを感じ。
良かったよ、今回は間に合って…。そう、切ない声音で抱き締められて悠仁は我慢出来ずに涙が頬を伝った。
 
 「せ、ん…せ…会い…た、…か……っ」
「うん…僕も会いたかった…悠仁が死んだなんて…」

 

僕は信じてなかったよ。
見つめた青空が今にも雨を零してしまいそうに切なく揺れた。

そんな表情なんてさせたくなくて口元に血が付いてしまうのも構わずに悠仁は手を伸ばし五条の両頬を引き寄せて薄い唇に許しを乞うように口付けをした。

すると痛い程にキツく抱き締められて深くなる口付けに悠仁は今やっと生きている事を強く実感して体を震わせた。

 

「もう…二度と離さないから」

 

散々口内をまさぐられてから離れた唇から吐き出されたその言葉は強く、確たる決意を固めた意志を感じた。

 

「離さないで…」

 

二度と、離れたくなかった。
だから五条が悠仁を抱き上げ高専には戻らない。二度と外には連れ出さないから、と監禁されると言われても悠仁はそれで構わなかった。

五条の肩に頭を凭れさせて悠仁は体の力を抜いた。
後はもう、五条に任せるだけだ。

 

 

…私にもよく分からないネタ(^q^)

 

 

 

 

多分増える

◆五悠(吸血鬼パロ)※更新

設定や流れ、書きたい所だけ。

小説として読まない方が有難いです!←

※随時更新※

 

 

 

 

「仲間割れ?」

 

それ、君の仲間じゃないの?

そう言って音もなく黒い男が現れた。

 

男の名は五条悟。

最強の吸血鬼らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

元々人間だった悠仁

ひょんなことから千年前に名を馳せた宿儺という狼の王の死蝋を食べてしまい、狼になってしまった。

けれど元々人間の為に狼としての性を否定し、狼を一層していた。

そんな時に目の前の人が襲われそうになっていた所を助けた所で吸血鬼である最強の五条と出会う。

 

「それ、君の仲間じゃないの?」

「違う。俺は意味無く人を襲うコイツらと違う」

 

だから躊躇なく殺してるのね、と納得した五条。

そして悠仁の中から人の部分と隣り合わせに感じる狼の気配にスっと目を細める。

 

「…君に何があったか聞いても?」

 

五条は一目見て悠仁が元々人間だった事を見抜く。

ただ理由までは知らないのでいきなり不躾だろうと問うた。

 

「…友達が危なかった時に変な人の指みたいなのを食べたらこんな体になった」と言った悠仁に五条はあぁ、やっぱり。と確信した。

 

悠仁が食べてしまったモノはこの世で一番最悪な狼の消えない憎しみの呪物だ。

 

「僕は五条悟。君の名前は?」

「虎杖悠仁だけど…?」

「そう。じゃあ悠仁、僕の所へおいで。さっきの戦いを見たけどポテンシャルが高くてもそんなんじゃ直ぐに死ぬよ?狼が好ましくないなら君は僕の仲間だ。少しでも他の人を助けられるように…悠仁の力を僕に貸してくれる?」

 

手を差し伸べる五条に悠仁は目を見開くがニコッと笑う五条に迷いなく覚悟を決めた目で手を差し出した。

その迷いのない琥珀に五条は眩しそうに目を細めて笑った。

 

 

五条と一緒に来た悠仁だったけどその身に宿儺をという呪いを宿し、吸血鬼や人を襲う悠仁にアタリが強かった。

それに加えて悠仁の体が宿儺の毒で壊れないようにと宿儺の力を抑える為に五条の血を分けて貰った悠仁は狼と吸血鬼にハーフとなった。

そんなハーフになった悠仁を気味悪く思う者がたくさんだった。それでも五条の教え子である吸血鬼の伏黒、魔女の釘崎やその他数名は悠仁の人柄を知って分け隔てなく接してくれた。

 

色んな事を教えてくれる五条にいつしか悠仁は五条の事を先生と呼ぶようになり、五条は尊敬の眼差しで見上げてくる素直で可愛い悠仁にメロメロ。

 

 

◆宿虎五悠(R18)

※先天性女体化な宿虎(宿儺さまは悠仁の影響で女体化)

※五条先生が途中で交ざる3Pです

 

 

 

 


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夜の静けさに耳を傾け2個重ねた枕を背もたれにしながら宿儺は濡れた音を立てる胸元を見下ろし、子供の頭がもぞりと蠢くのを眺める。

 

「んちゅっ…ん、ちゅぱ…」

「……乳が出る訳でもないのによくもまぁ、そんなに必死に吸えるものよ」

「んくっ…ん、別にミルクが欲しい訳じゃねぇよ?ただ宿儺のおっぱい吸いたいだけ」

 

ニコリと笑うその顔は本当に嬉しそうで宿儺はため息を軽く吐いて悠仁の頭を撫でた。呪いの王の乳房を赤子のように吸うなど恐れ知らずにも程がある…と思わないでもないが宿儺は悠仁だから勝手を許している。

好きにしろ、と暗に言われてトロリと悠仁琥珀の目が潤んでスっと細くなる。

 

ずっと悠仁の口内にいた宿儺の薄紅色の乳首が吸われて赤くなり涎でテラテラと濡れていた。

久しぶりに触れた外の空気によって冷えてぷっくりと立ち上がってしまっていて、それがまるで熟れた赤く甘い果実に見えて悠仁は喉が鳴ると同時に柔らかい下乳を持ち上げるようにして寄せるとまた口に含んだ。

まるでマシュマロのような心地よい手触りに夢中になりミルクなんて出る筈もないから味なんてないのに、悠仁にはそれが何故かひどく甘く美味しく感じられた。

 

「んぅ、ちゅっ…ん、ふ」

 

つんと立ち上がってコロりとした乳首をまるで飴玉を舐めるみたいに舌で転がしては押し戻すように舌で押し込み、乳輪ごと口に含んで甘噛みしてちゅうっと吸い付く。

 

恍惚とも言えるその表情に宿儺はクツクツと楽しそうに笑う。

悠仁は宿儺の胸に夢中になっているから宿儺は手持ち無沙汰だ。ならば己も可愛がってやろう、と宿儺の着物の前を崩しただけの格好と違って全ての衣服を脱ぎ払った悠仁の胸へと手を伸ばした。

 

己の腹に凭れ掛かって押し潰されて形が歪んだ胸を手の平で掬うように持ち上げれば隠れて見えなかった桜色の愛らしい陥没乳頭が姿を現した。

これに用があるのだ、と宿儺がきゅっと中に隠れている乳首を乳輪ごと摘むと悠仁の肩が跳ね上がった。

 

「んむぅっ!」

 

びくりと震えた琥珀の目が咎めるように宿儺を見上げると宿儺はくつりと笑い此方は暇なのだ。俺も楽しんでも良かろう?とそう視線で返せば悠仁は目を細めて勝気で挑発的な視線でもって宿儺を睨み返した。

 

それじゃあ煽るだけなのだと、いつ分かるのやら。

悠仁の軽い挑発に乗り、爪先でカリカリと先端を擽るように引っ掻けば少しずつ隠れていた乳頭が硬くなって顔を出してくる。

 

指先を己の舌で濡らそうとれっと舌を出せば下から悠仁の目が宿儺をじっと見上げる。その熱の篭った視線に気付いた宿儺が笑みを浮かべその目を見つめ返しながら見せ付けるようにねっとりと己の指に舌を這わせれば悠仁の目元が赤く染まった。

 

いつでも初々しいなと笑みを零し、充分に濡れるとその指でくるりと乳輪と頭を擡げた乳首をそっと撫で上げればぴくんっと反応してつんと完全に頭を出して立ち上がってみせた。

愛くるしいヤツめ、と目を細めた宿儺が今度は出てきた乳首だけを指で摘み引っ張って弄ぶ。

 

「ふ、んぅっ…!」

 

くにくにと刺激されて悠仁が鼻にかかった甘い声を上げるが決して宿儺の胸からは口を離さない。その強い執念に宿儺はほぅ?と感心して深く笑みを浮かばせると更なる責めに出る。

 

頼りなく立ち上がった乳首をくるくると捏ね回し、ぴんっ!と指で弾いてみせればその度に肩を震わせる悠仁の息は熱く上がっていき、己の乳房を吸う力が弱くなってくる。

それでも頑なに宿儺の胸を口から離そうとはしないのだから大したものだ、褒めるように頬を撫でればくぅん、と甘えた声が上がった。

 

己で育てて立ち上がった愛らしい乳首を是非に舌で可愛がりたかったが生憎と悠仁が己の乳房を離さないから今回は無理だろうな、と手を止めないままに宿儺はひどく残念に思う。

 

「ん、んっ…っ」

 

ふるふると震えながら背を這い上がって襲う快感を我慢しょうと悠仁が宿儺の体に両腕を伸ばしてぎゅうっとキツく抱き着く。

そうしてしまうと悠仁の顔は宿儺の胸に埋もれて隠れてしまい表情が見えなくなる。

それが気に入らなくて宿儺は片眉を上げた。

 

「ほれ、顔を隠すな」

 

べしっと後頭部を乳首を可愛がっている反対の空いた手で軽く叩けばおずおずと顔を覗かせた悠仁の目元は赤く染まり琥珀の眼は潤んで今にも零れてしまいそうに揺れていて悦楽に感じ入っている事を隠しもしない。

 

「何だ、乳房だけで感じたのか?」

 

ん?正直に言うてみろ、とニヤニヤ笑いながら問い掛ければ恥じらって睫毛を震わせながら目を伏せる。

まるで純情無垢なその反応に嗜虐心が煽られるのだけれど恥じらっているくせに宿儺の脚の間に自分の太ももを挟み込み腰を押し付けるという大胆な行動に出るのだから愛しくて堪らない。

 

押し付けられた腰と、挟み込まれた脚の間からぐちゅっ…と湿った濡れた音が響いた。

どうやら本当に乳房だけで感じ入って濡れてしまったらしい子供に宿儺は口元に張り付いた笑みを外す事が出来なかった。

 

「クックッ…厭らしいなぁ?小僧…乳房だけでこんなにも濡らしてなぁ…」

 

悠仁に挟み込まれた足を立てて揺らせばぐちゅりと更に粘ついた粘着質な音が耳に入り、悠仁は羞恥心に耳まで赤くしたが動かされた脚が敏感な所を擦って気持ち良かったのか悦んで甘い声を上げる。

もっと頂戴、とでも言うように宿儺を見上げながら自ら腰をゆらりと前後に揺らして気持ち良い所を擦り刺激すれば背筋を這い上がるものにトロリと眼を蕩けさせた。

 

「…良い良い。存分に可愛がってやろうな?」

 

隠すこと無く素直に快感を求める悠仁の痴態に宿儺は上機嫌に頷き愛しそうに深紅の眼を細めた。

もっとくれんの?と期待に煌めかせた悠仁に笑みを返して宿儺はだがその前に…、と視線を悠仁から扉の方へとやった。

 

「貴様、いつまで見ているつもりだ」

 

怒気を含んだ宿儺の声音にえ?と驚いた悠仁が思わず宿儺の胸からとうとう口を離すと同じように扉の方へ顔を向けた。

 

するとそこには扉に寄り掛かって両腕を胸の前に組んで此方をじっと見つめている呪術師最強・担任の五条が立っていた。

五条に気付き目を見開いて悠仁は暫し固まってしまった。

 

「?!…五条…先、生…!?」

 

刹那、ブワァッ!と全身を真っ赤に染め上げた悠仁は慌てて毛布を引き寄せて何も身につけていない自身を隠し宿儺の影に隠れる。

な、何で先生がここに居る訳?!てか気付かなかった…!!

宿儺に夢中になって周りを警戒し気配を察知する事を怠けていた事は白状するけど呪術師最強である五条が本気で気配を消せばまだ発展途上中で未熟の悠仁にはその気配を捉えることは不可能だ。

 

「い、いつからそこにいたの?!」

「んー?えとね、宿儺がミルクなんて出ないのによく必死だな、って所からかな?凄く絶景だったから声を掛けるのが勿体なくてね」

 

眺めてちゃった。とニコリと悪げも無く言う五条に恥ずかしさの余り悠仁は涙目になりながらそれかなり始めの所からじゃんか!!と叫んだ。

毛布に包まって唸りながら隠れてしまった悠仁の頭ら辺を撫でて前を寛げて晒したままの胸を隠す素振りもなく宿儺は五条にで?と先を促した。

 

「用があったから訪れたのであろう、何の用だ呪術師」

「うーん…そうだったんだけど、大して重要な用件でもないしなんかどうでも良くなった」

 

カツ、とベッドに寝そべる2人に五条が近付き後一歩踏み出せば触れられる手前で足を止めるとスルりと目隠しを外した。

擦れる音に何だ?と気になって隠れていた悠仁が毛布から顔を少しだけ出せば五条が自分を見つめている事に気付いてハッと息を飲んだ。

 

いつも黒い目隠しで隠されている青空がひたりと己を見つめている、澄んだ色の美しいその目に視線が外せなかった。

 

「それよりも…禁断の花園に僕も交ぜて?」

 

甘い蜜を思わせるその声音に知らず悠仁の体が小さく震える。

神秘的なその瞳が悠仁を捕えて離さない、初めて見た時もそうだったけど悠仁は何故か五条のその眼に弱かった。

まるで体の力を抜かれたみたいに、ただその目を見つめていたくなる。

 

五条は悠仁が好きだ。

だからこんな美味しい機会を易々と逃す筈はない。宿儺の胸を口に頬張り淫らに腰を揺らした姿を思い返して五悠はズクンと腰が重くなる。

 

「っ…」

 

一瞬五条の瞳に見惚れていた事に気付き悠仁は我に返り居た堪れなくてパッと視線を外すけれど五条の目が焼け着けるようにこっちを見ているのが分かる。

さっきまではずっと見られていたから何も身につけていなかった体を覚えられてその記憶を辿るように毛布で隠した体をあの目で見下ろされていると感じれば悠仁はゾクリと体を震わせては足の間を濡らしてしまっている事を自覚した。 

 

焦って居心地悪そうに誤魔化してもじもじっと太ももを擦り合わせれば気付いた宿儺が手を伸ばして悠仁を後ろから抱き締めて徐に濡れた悠仁の秘部に指を這わせる。

 

「す、宿儺ぁ?!」

 

狼狽えて足を閉じて逃げようとした悠仁の動きを足で止めて体を隠す毛布を剥ぎ取って濡れそぼった中に指を突き入れればびくりと体が跳ねて嬌声が上がる。

 

「あっ…ん!あっ…あ…っ!」

「逃げようとするな」

 

掻き混ぜるようにグチャグチャと指を挿入すれば悠仁からは良がって感じている声がひっきりなしに上がり宿儺を止めようとするが指が壁際の膨らみを遠慮なく押して擦るものだから声を上げ続けるしか出来ない。

何回も悠仁の中を可愛がってきた宿儺には悠仁の一番感じる所を探り当てるなんて朝飯前だ。

 

「うぁぁっ、や、やだぁっ、あ、ぁ~っ…」

「見られて気持ち良いのか」

 

じゅぶじゅぶっ!とはしたない音を立てて宿儺の指が中を掻き混ぜると手を濡らす程びしょ濡れなソコをじっくり見下ろし美味しそうに咥えている、と五条が舌舐めずりする。

布団を剥ぎ取られてしまい足を閉じないようにと宿儺の脚が羽交い締めするように悠仁の足を押さえ込んで開かせているから五条からは濡れているソコも、宿儺の指が出し入れして挿入する所も全てが晒されていた。

 

「ぃやぁ、やだ…っ、見ないでぇ…っ」

 

必死に宿儺の手を止めようと手を伸ばすが力が入らず腕に添えるだけで止める事が出来なかった。イヤイヤと頭を振る悠仁の項に舌を這わせて耳裏まで滑らせるとカプリと耳朶に甘く噛み付いた。

鳴いて感じている悠仁に笑みを浮かべながら五条に見せ付けるように中を掻き混ぜる反対の手で割れ目の上に所在無さげに硬く立ち上がった赤い突起を撫でて可愛がってやった。

するとびくんっ!と大袈裟に大きく体を跳ねさせた悠仁が目を見開いてポロっと涙を零して泣いた。

 

「やあぁぁっ…!あ、ぃや、そこ触っちゃっ…!」

 

クリクリと円を描くように擦ると中からじわりと愛液が溢れて宿儺の手とベッドシーツを濡らす。

ダメだと泣く悠仁にそうか、嫌なのなら同時は止めよう。とニヤリと笑った宿儺が中を掻き混ぜていた指を壁際の膨らみを強く押してから勢いよく指を引き抜いた。

 

「ひっ…!きゃうぅ〜ッッ!!」

 

指を抜いた瞬間、イってしまいぴしゃぁあと悠仁は潮を吹いた。

ベッドも床も濡らしてしまう程に勢いよく吹いて体を痙攣させた。指は抜いたが突起を可愛がる手は止めなかった宿儺は潮を吹いていた間もクリクリと擦ってやれば悠仁琥珀の目から涙が溢れんばかりに零しながらびくびく震えて継続的に潮を吹いた。

 

「ダ、メぇ…イ、った…イったからぁ…!」

「潮を吹く程良かったのか、ほらまだ止まんぞ?」

「ぁあ、ん…あ、ぁ…っ…」

 

最初の勢いはないがぷしゃ、ぷしゅ…と止まらない潮吹きに宿儺は嬉しそうに悠仁の項にキスをした。それにさえも感じて悠仁は声を震わせて嬌声を上げる。

酷い倦怠感にくたりと宿儺に凭れ掛かる悠仁はぴくっぴくっと体を痙攣させてその眼は揺れて焦点が定まってない。

息が上がって赤く染まった頬は色香を漂わせていた。

 

好きな子の淫靡なその光景を目の前で見せ付けられて我慢なんて出来る筈もなく五条は一歩前に進んだ。宿儺が五条を睨み付けたが制止する声はなかったので膝を着いて悠仁の滑らかな太ももに手を伸ばして触れた。

 

「は…あっ、ぁ…せ、んせ…?」

「僕にも食べさせて」

 

トロトロに蕩けたままの悠仁が五条の顔が随分低い所にあるなと不思議に思っているのに言うな否や、五条は濡れそぼってひくひくしているソコに食い付いた。

 

「ひゃぁ…!せ、んせぇ…っ?!」

 

呂律の回ってない舌っ足らずな悲鳴を上げ目を見開いて泣き叫ぶ悠仁を下からチラッと見上げた五条は笑みを浮かべる。
ぐしゅぐしゅになっている割れ目をベロりと舐めるとぬかるんだ中に舌を滑り込ませ中をぐるりとなぞれば悠仁の太ももに力が入り跳ねる。


それを押さえ込んで吸うように溢れてくる愛液をちゅう、じゅるっとわざと聞かせる為に音を立てて啜る。

まさか五条がそんな行動に出ると思ってない悠仁は信じられない思いで頭を振った。

 

「あ、ぁっ…やら、またっ、またイっちゃうからぁっ!あ、ぅんっ…せんせっ、離し…!」

 

離そうと手を伸ばし五条の頭を手で押そうとするが震えるばかりで力が入らず白銀の髪をぐしゃりと乱しただけだった。

邪魔するなと宿儺が悠仁の両手を捕えて押さえると悠仁は宿儺の手を跡が付きそうな程強くぎゅうと握って縋った。

 

「すくな、すくなぁ…っ!」

「ここに居るぞ。本当にオマエは良い表情をする…好きなだけ極めろ」

 

イク、イッちゃう、と宿儺に助けを求めて止まる事を知らずポロポロ涙を零す悠仁に宿儺は感極まったその表情に目を細める。

乱れる悠仁をもっと見たくて宿儺が痛いくらいにピンと立ち上がった乳首をきゅっと摘むのと、五条がキスするようにちゅっと触れて次いでぢゅっと敏感になっている突起を舐め回して吸い付いたのは同時だった。

その瞬間、余りの強い刺激に悠仁はまたしてもイってしまい目の前が真っ白に染まった。

 

「~~~~ッッ!!」

 

波に攫われそうな快感に声も出せず背中を弓なりに反らすとまたぴしゃーっ!と潮を吹いた。

するとまだそこに顔を埋めていた五条の顔や胸元に腹に掛かってしまい濡らして汚してしまったがそんな事気にもせず何を思ったのか五条は未だ潮を吹くソコをパクリと口で覆い、溢れるものを口内で受け止めた。

 

無味無臭のそれが悠仁から溢れ出たと思うだけで五条にとってはそれはどんな高級なワインにも勝る。喉を鳴らしてごくごくっと全て飲み込む五条に朦朧としながらも悠仁は何飲んでんの?!と顔をぐじゃぐじゃにした。

 

「ひくっ…ひくっ…せ、んせぇ…な、にやって…」

「ふふ、悠仁から溢れ出たものは一つ残らず全部飲み干してあげる…零すなんて勿体ない事出来ないじゃない?」

 

顔に滴るものを手で掬い、腕まで垂れているものも舌で追って舐め取って目を細めてみせればその姿を正面で直に見てしまい悠仁は息を詰めて赤くなって目の縁に溜まった涙を零した。

恥ずかしいのと気持ち良いのがグルグル頭の中を駆け巡ってそろそろキャパオーバーで今にも気を失ってしまいそうだ。

 

「見事な乱れ具合だったぞ、小僧。日々可愛がっている甲斐があった」

 

涙の跡に口付けながら愛いぞ、と宿儺がキスすれば悠仁は馬鹿!と宿儺を赤くなった顔で睨み付けた。

恥ずかしそうに睨み付けられても微塵も恐れを抱く事はない、抱くのは嗜虐心と愛いというだけだといつ教えてやろうか、と宿儺は悠仁の滑らかな頬を撫でて五条に目を向ける。

 

「ん?」

「寄越せ」

 

ペロリと口端を舐めていた五条が何を?と首を傾げれば宿儺は小僧のモノは俺のモノだ、と言えば合点がいったのか五条は仕方なさそうに笑うと身を乗り出して宿儺の唇に口付けた。

 

え?と唖然と驚く悠仁は2人を交互に見ると固まってしまった。

まるで互いを喰らい尽くさんかのような2人の口付けの応酬に悠仁は一人取り残されたみたいでショックを受けて生理的なものとは違う涙が滲み出てくる。

それに一早く気付いた宿儺が五条から離れると悠仁は宿儺に抱き着き、奪わせないと五条をキッと睨んだ。

 

「っ…せんせ!宿儺は俺のだからっ」

 

お気に入りの玩具を取り上げられた迷子の子供のような表情で怒られてしまい、五条はキュンとその可愛さに内心悶えた。

悠仁が僕に怒った…!と一人悶えている五条と独占欲を剥き出しにして怒ってくれた悠仁に宿儺はひどく上機嫌に笑った。

が、続いた言葉に眉間に皺を寄せる事になる。

 

「宿儺もっ!せんせは駄目…!」

 

五条だけではなく何故己も激怒されたのだ、と宿儺は悠仁を軽く睨む。まさか五条に対しても独占欲を出すとは、何事だ。

 

悠仁〜、宿儺に妬いてくれたんだ?」

 

嬉しそうに呟いた五条に悠仁ははた、と琥珀の目を瞬かせる。

何を言ったのか自分でも自覚していなかったらしいその反応に無自覚に宿儺と五条を自分だけのものと思っていた事が知れた。

2人も欲するとは、なんて強欲で我儘な事か…しかし悠仁だからこそ愛しくてそんな我儘も許してしまえる。

やっと自分の発言に気付いたのか困惑し、恥ずかしそうに戸惑って穴があったら入りたいと悠仁は視線をあちこちに揺らして唸った。

 

「ぁ、ぇ…うぅ〜…っ」

「良い良い、許す」

「僕も宿儺も、悠仁のモノだよ」

 

後ろから宿儺に、前から五条に頬にキスされて悠仁はぐずっと鼻を鳴らした。宿儺は当然として、まさか五条までも無意識に勝手にを自分のものと思っていた事に悠仁は自分の強欲さに恥じたが五条は違わないと笑い、宿儺も許すと言ってくれた。

 

2人の最強に愛されて悠仁は嬉しさで涙がこみ上げてくるのを止められなかった。

 

「ぐす…俺一人残すなよ…」

 

溢れる涙をそのままに2人に訴えれば五条はキョトンと目を見張り、宿儺はクツクツと喉を震わせた。

 

「こやつが独り占めしたオマエの蜜を味わっていただけだ」

 

一人残した訳ではないが、寂しい思いをさせたのは悪かったと宿儺が悠仁の頭を優しく撫でる。 

まさかそんな事でキスしたの?!と2人がいきなりキスをした理由が分かった悠仁は愕然とするしかない。というか蜜って何…!?

 

「ごめんね、悠仁

「あ、いや、…うん……」

 

仲間外れにしてないから寂しがらないで、と五条にも頭を撫でられると理由が理由なだけに何も言えなくなって赤くなって俯くしかなかった。

そこで自分が未だに足を開いたままの恥ずかしい格好である事に気付いて悠仁は慌てた。足をグイグイと動かし後ろの宿儺に足をどかすようにと振り向く。

 

「宿儺っ、足退けて!」

 

身を攀じる悠仁に宿儺は首を傾げて艶っぽく笑ってみせた。

そんな表情をする時の宿儺はろくな事を考えていない時の顔だと分かっている悠仁はヒクッと顔を引き攣らせて警戒した。

 

「何を言うか、まだ終わっておらん」

「ふぇ…?」

 

びくびく震えて宿儺を見返せば先程まで五条が愛していたソコを指でなぞるので悠仁は一時忘れていた快感がまた戻ってくるのを感じた。

 

「中が疼くだろう?俺はオマエが依代故に指で良くしても中を穿ってやれぬからな、可愛がって貰え」

 

本来ならばこの男は気に入らんが…オマエはこの男が良いのだろう?ならば許す。とまた溢れて来た粘着質な愛液を満遍なく塗りたくるようになぞればさっきまで体を支配していた快感が完全に戻ってきて蕩け始め、口端から飲み切れず零れる涎を舐め拭き宿儺が悠仁の潤む目を覗き込む。

きゅんきゅん、と腹の奥が言われてみれば切なく疼くのが分かって悠仁はそろりと五条へと視線を向けた。

隠しもしない、欲望に満ちた目が悠仁を視姦するように見つめ返していた。

 

その視線だけでゾクゾクと体中に走った電流に口の中にじわりと涎が溜まる。五悠のモノが自分の中に入る?と想像するだけで疼きが強くなって奥が切なくジンジンと痛み体が奥に欲しいと震える。

 

宿儺の胸にぽふりと顔を寄せれば濡れて潤む目で悠仁は五条の瞳の奥に揺らめく欲望の炎を見つめて頷いた。

 

「…いいよ、せんせ…」

 

悠仁から許しを貰って五条はニッコリと笑って濡れた上衣を脱いだ。

 

「フフフ…いっぱい気持ちよくしてあげる」

 

上着を脱ぎ、中のインナーも脱いでしまえば現れた鍛え抜かれた体に悠仁はドキリとした。

幼い顔持ちと違ってその体は完成されていて厚みのある胸筋に美しく出来ているシックスパックというギャップにドキドキと胸が早鐘を打って高鳴っている事を自覚する。

お爺ちゃんとしか暮らしたことがなく、今まで周りに男性の大人がいなかった悠仁は初めて見る男の上半身を見てその力強さについつい見惚れてしまい、五条にくすりと微笑まれてしまった。

 

ジロジロと見惚れてしまった事がバレて恥ずかしくなった悠仁は香の香りがする柔らかい宿儺の胸に熱くなり赤くなった顔を隠した。

 

悠仁照れちゃった?可ー愛い」

「俺の小僧を揶揄うのは止めてもらおうか。殺すぞ」

 

ギロっと睨み付けてみせれば怖くもないクセに怖い怖いと肩を竦めてみせる。

上を脱げば下もとスラックスのジッパーに手を掛けてジジジッ…と引き下ろす。下着の上からでも分かるほど硬くなっているのが見えて五条はまだまだ僕も若いなぁ、と勃起した自身を取り出した。

 

下着から取り出された五条のモノを宿儺の胸元から見ていた悠仁は初めて目にした男の一物に目を点にして固まった。

 

「ひぇっ…な…に、それ…」

「あぁ、悠仁初めて見る?まぁ僕のものは他の者よりも大きいらしいから一般的じゃないかもね?」

 

これなら悠仁の奥の奥まで届くよ、とこの下に子宮があると想像して白く滑らかなお腹をつつ…となぞればぴくりと震えて反応する。

完全に勃起したそれは五条の鍛えられた腹まで反って血管を浮き上がらせて勃ち上がっている。あんな大きなもの入る訳ないよ!!?と短い悲鳴を上げ怯えて固まる悠仁に宿儺が万が一にと閉じられないように更に広げさせる。

 

「ちょっ…宿儺むりっ…大きい…!」

「恐れるな、女の体はあんな大きいものでも美味そうに咥えるからな?」

 

震える悠仁にキスして宿儺は逃げ出そうとするのを押さえ込み、広げさせた足の間に手を伸ばすと濡れた割れ目に指を滑らせ五条のモノが入りやすいようにぐぱぁ…と広げた。

そうすると濡れてひくついた秘部を晒すような格好になり悠仁は驚いて宿儺を振り返ると腹を空かせた獣のように舌舐めずりする深紅の目が合った。

 

「バカバカっ…宿儺何やって…せんせ見んな…っ」

 

身を捩り頭を振って見ないでと泣きそうに懇願する悠仁に素直に見ない男はいないでしょう?と五条は身を近付かせる。

それにさっき舐めて可愛がったからもう覚えているよ、と宿儺の指で広げた全体を見下ろして優しく触れると喉が渇く。

 

「…こんなに真っ赤になって可愛い…」

ノロマ。さっさと小僧を悦ばせんか、出来ないならさっさと変われ」

 

怯える悠仁にキスして宥める宿儺が五条を睨む。

可愛い可愛いと顔が緩んでいる五条に痺れを切らして悠仁を泣かせるだけなら退いてろと暗に言えば五条はこっちは初めて悠仁の全てを見れたのにもうちょっと堪能させても良いじゃんと思ったが確かにいつまでも勃起したモノを晒したままじゃ悠仁が怯えちゃうか、と自身を宛てがう。

 

「はいはい、女王様の仰せの通りにお姫様を悦ばせますよ」

 

ぺろりと乾いた唇を舌で濡らして潤わせると悠仁が五条の腕を掴んで見上げる。

 

「あっ…や、待って……!」

「小僧、怖がるな。気持ち良いなるだけだ」

 

女の体だと快感が何倍も感じられるらしいと聞く。

乱れて魅せろ…と強ばっている悠仁の小さく震える唇に喰らい付き視線を奪うと宿儺は五条に早く入れろと目だけで指示する。

悠仁が気を逸らした隙に五条は花弁を押し開きゆっくりと中へと硬くそそり立つ自身を進ませた。熱く蕩けていて…1度も大きいものを迎えた事のない中は狭かった。

 

「んんぅっ…!!」

 

ほぅ…と熱い吐息を付くと五条はうっとり目を熱くさせた。

中を進む熱く硬いものにビクッビクッと体を跳ねさせて甘い声を上げるがその声も宿儺の口の中に消える。

 

痛みはないが太く大きいものが中を抉る初めての感覚に悠仁は縋るように宿儺の舌に吸い付いた。

必死に宿儺の口付けに応える悠仁を愛しそうに見つめて舌を擦り合わせれば怯えていた悠仁の目はトロリと安心したように宿儺の目を見つめ返す。

 

視線で甘やかす宿儺にうっとりすると悠仁の中が無意識に五条のものをキツく締め付けて五条は眉間に皺を寄せた。

 

悠仁、力を抜いて」

「ククッ…何だ早漏か?情けない」

「んな訳あるか」

 

悠仁とのキスを一旦止めて情けない、と鼻で笑う宿儺に五条はあ"ぁん?とガラ悪く唸るのに本当にこのままだと情けない事になりそうだと悠仁を可哀想に思うが一気に奥まで入れさせて貰おうと五条は悠仁の腰をグッと掴み一息に突き入れた。

 

「んんっ~?!!」

 

壁を擦りながら奥まで貫かれて悠仁大きく目を見開いて叫んだが直ぐに宿儺が己の唇で覆って悲鳴ごと飲み込む。

奥を突く際に敏感な部分を強く抉ってしまったのかお腹がヒクつき、五条のモノが悠仁の下っ腹を押し上げてそこにあるのだと知らしめる。

肩で息をする悠仁に大丈夫だと宥める宿儺に一言五条も謝って奥まで届くと動きを止めた。

 

「ふぅ……ごめんね悠仁、大丈夫?」

「あ、ぁ…やぁ…あ」

「イってしまったか」

 

体を痙攣させて声を喘ぐ悠仁の頬を撫でれば悠仁は宿儺の首筋に頭を擦り付けてお腹の中が熱い、と訴える。

そう、熱いか。気持ち良いか、と優しい声で問い掛ければ分からない、お腹いっぱいと小さく呟くとそれを聞いた五条のものが更に大きく膨張して悠仁の中を圧迫させる。

 

「ひっ…?!な、に…!?」

悠仁~…そんな煽るような事言わないでくれる?」

 

グッと笠を増したものに驚いた悠仁が五条を見上げると汗を浮かべて苦笑いした五条が汗で湿った悠仁の額を撫で赤く色ついた唇に触れるだけのキスをした。

直ぐに宿儺が五条を咎めるように睨み付ける。

 

「オイ…」

「良いでしょ、僕は悠仁のモノだもん」

「……」

 

舌を出して笑う五条に宿儺は気に入らんが小僧がそう望んでおったな、と不機嫌そうな顔をしたが仕方無し、と五条が愛しい悠仁に口付ける事を許した。

許された事で五条はゆっくり慣らすように腰を動かしながら悠仁の口内を好き勝手に貪る。五条のキスを受け止めながら襲う快感に悠仁は体を熱くさせた。

 

乱れる悠仁を更に気持ちよくさせようと宿儺は動く度にぷるんと揺れる悠仁の胸に手を伸ばした。もし男だったら俺が小僧を満足させたのに…と項に噛み付き赤い花を咲かせながら宿儺は思案した。

 

指をまた1本、見つけたら体を変えて更に小僧を満足させようと考え、早く新しい指が出向いてくるのを待った。

 

 

 

 

 

 

 

 

中途半端で終わる、これ…3Pって言えるのかな?()

◆五悠♀(宿儺が悠仁の子供の続き)

※書きたい所だけ。

 

 

 

東京から遠く離れた宮城での出張を終えて五条は急ぎで家へと帰った。

以前ならばどこか寄り道したり家へと戻らずこのまま高専へと足を運んでいたのだけれど、今はもう帰る理由が出来た。

 

ゆったり歩いていた足は焦ったように早足になってまだ玄関は先だというのにポケットから鍵を取り出し直ぐに差し込めるように準備する。

 

エレベーターを降りて視線を燻らすと玄関が見えて知らず知らず口元に笑みが広がった。

浮き立つように鍵を差し込んで回し、扉を開けると殺風景で何も置いてなかった無機質な匂いばかりが広がっていた部屋だったのと打って変わって今は生活感のある暖かい匂いと空気が五条を迎えた。

 

「ただいまー!」

「悟さんおかえりなさいー!!!」

 

玄関先には悠仁が、満面の笑みで出迎えてくれた。

 

 

 

 

悠仁ただいま〜!」

 

疲れたという思いも吹き飛ばすような笑顔に五条は嬉しそうに虎杖を抱き締めた。

 

あの後、宿儺の母である虎杖を自分の監視下に置く為という名目上で家に連れて帰った五条はせめて名前だけでも分からないと困ると唸り、何か身分証なるものはないかと聞いたら思い出したようにポケットの中から母子手帳を渡されて名前が判明したのだ。

 

虎杖悠仁(23)

それが両面宿儺の母親だった。

 

記憶喪失と言っても日常的生活に必要な事は忘れていないから家の事であれこれと教える必要がなかったのは助かった。

これでも高校生相手に先生を務めている身だが如何せん教えるというのは余り得意じゃないのだ。

まだ赤ん坊の宿儺の面倒に関してもずっと独り身だったから何も教えられる気がしなかった。けれど悠仁は自然と知っているらしくて宿儺の面倒はお手の物だ。

 

逆にこっちの方がそうやって赤ちゃんを面倒見るのか、と驚かされた。

一人暮らしが当たり前だった五条にとって突然の同居人にその子供との共同生活はストレスになるかな、と思わらたが信じられない事にストレスが溜まるよりも家で帰りを待っててくれる温かさにこれが家族というものなのかな、と安心感を覚えていた。

 

悠仁は優しくて良い子だ。

監視下に置かれていると知っている筈なのに翌日には笑顔でおはよう、と挨拶されて拍子抜けしたのは記憶に新しい。

条件反射でおはよう、と返せばふわりと微笑むその笑顔にその時は不覚にもキュンとした。

その腕の中にいる宿儺からは冷めた視線を送られたが。

 

上層部が恐る宿儺はこの前みたく、ホイホイと悠仁の中に入れる訳じゃないらしい。何か条件があるみたい、と不思議そうに首を傾げる悠仁に五条は思い当たる節があった。

宿儺の地雷は悠仁だ。だから悠仁に何か異変が起きた時が入れ替われる条件なのだろう。

だからその条件が発動されない限り、宿儺は赤ん坊のままだ。

呪いの王だけど人間の子供と同じスピードで成長するみたいだから宿儺が世を脅かすのは何十年も先の事になる。

それまでは貴方方も生きてるかどうかも分からないだろうし安心してお昼寝でもしてれば?と上に言ったのはつい最近の事だ。

 

ただ赤ん坊でも自我は持っているから此方の言ってる事は大体分かるらしいし赤子のクセして鼻で嗤う事もある。悠仁の見えない所で僕を小馬鹿にしたような表情も時々するからちょっと憎たらしい。

 

悠仁似なのに宿儺はちっとも可愛くない。

あ、でも寝てる姿は凄く可愛いよ。頬っぺがもちもちしててさ、つつくとこれがまた柔らかいンだ。加の両面宿儺とは思えないくらいで飽き足らずもちもちしちゃうとジロリと真紅の目に睨まれてしまうけど。

 

「悟さん、お腹空いた?ご飯出来てるよ」

 

食べる?と五条の腕の中から上目遣いで聞いてくる可愛い悠仁に勿論、と頷く。

結婚した事も身近に結婚したっていう知人も居ないから知らないが結婚生活っていうのはこんな感じなのかな、と五条は笑みを浮かべる。

勿論、他人と一緒に住んだ事も皆無だった。

 

五条はいつの間にか悠仁に心が傾いている事を自覚していた。

宿儺との契約で悠仁を命を懸けて護るという認識だけだったけれど悠仁と暮らし始めてからはただ約束したから護る…その認識から自ら望んで悠仁を守りたいに変わっていった。

 

それ思ってしまうくらい、悠仁の心は綺麗で透明に透き通っていた。

荒み切った欲望、醜い妬み、残虐な殺意を何十年と見てきた五条にとって悠仁の穢れのない清らかな心は初めて見るもので、こんな綺麗な人間がいるんだ、と心底感嘆した。

そんな綺麗な人間が、1000年前に人々から恐れられた両面宿儺の母親だなんて、誰が思うだろうか。

 

そんな悠仁が選んだ相手が心底羨ましかった。

もしかしたら宿儺の父親となる旦那が呪いに関係しているのか?と思って一緒に暮らし始めてから2ヵ月経った頃にさり気なく悠仁に「宿儺も父親に会いたいだろうね」と呟いてみたら悠仁から驚くような発言をしたのだ。

 

あの時の衝撃は未だに忘れられないや、あの無表情の同期でさえ目を点にしてたのだから。

 

さり気なく呟いた僕に悠仁はキョトンと不思議そうな顔をして「え?宿儺に父親はいないよ?赤ちゃんって自然に神様から授かるものでしょう?」って言ったのだ。

まさか、男女の情緒に関して無知だった悠仁を無理矢理抱いたのか?!と見知らぬ旦那たる者に憤りを覚えたけれどセクハラを承知で確認したよね。

 

「セックスして宿儺出来たンでしょ…?」とオブラートに包まず直球で聞いた僕にえ?!何で?!!と紅くなりながら驚いた悠仁にこっちの方が驚いた。

セックスせず子供は出来るのだっけ、と直ぐに硝子に電話をしたのは言うまでもない。セクハラだぞ、と冷たい声で言われたが事の成り行きを話せば納得してくれたのが不幸中の幸いだ。解剖されずに済んで良かった。

 

まぁ、厳密に言えば科学的に有り得ない。

だけど悠仁が産んだのは宿儺だ。何一つ不思議な事ではないらしい。どうやって宿儺を身篭ったのかは記憶喪失の悠仁も知らぬままだからなんとも言えないけれど、受精せずに産んだのは確かみたいだ。

驚きの余り宿儺に本当なの?!と聞いてしまった後に赤ん坊相手に何を聞いてんだ、と我に返る。その時の宿儺の顔が呆れたような顔して抱っこしてた悠仁の胸にぽふっと顔を寄せ服をぎゅっと紅葉の小さな手で握り締めたのだ。

 

ー誰にも触れさせる訳がなかろうー

 

宿儺の目は間違いなくそう言っていた。

どうやら宿儺の持つ呪術で意図的に悠仁の腹から産まれたのだと予想が出来た。そうなると宿儺は産まれる以前から悠仁を知っていた事になるけどそれは今は大した問題ではないし知った所で今更どうこう出来る訳がないから既に頭の隅へ追いやった。

 

困った事にあの時に頭の中に占めているのは、

 

悠仁は、未だ処女。

 

子供を産みながらまさかの処女?

え、悠仁聖母マリア様だったの?産んだのは極悪の宿儺でイエス・キリストじゃないけど?

こんな可愛い子がまだ穢れを知らないと知った時の動揺は隠せなかったと思うし悠仁にも大丈夫?と凄く心配されてしまった。

あの時の心配してくれて不安そうな表情も可愛かった。

 

現金なもので悠仁が誰の手にも触れられていないと知った途端にこれからも誰にも触れさせない、僕だけの悠仁だ。と強く思ってしまっていた。

かなり独占欲が強かったみたいだと知ったのは新しい発見だった。

 

それから子供にはやっぱり父親は必要だし、唯一悠仁を守れる僕が父親になれば良いじゃん?と開き直り悠仁口説き落とす事に決めたのだ。

憎たらしいけど宿儺も可愛く見てきたしね!

 

 

 

悠仁はホント、可愛いね」

 

靴を脱ぐ五条の荷物を持ちながら五条が居ない間の話を話す悠仁の顔を見下ろしながら甘い表情で五条は囁いた。

それに悠仁は話す口を閉じて目元を紅く染める。

 

「…悟さん、慣れないからそれ止めて」

 

ふいっ、と照れて視線を逸らす悠仁に靴を脱ぎ置いた五条が近寄りその頬を撫でた。ピクリと反応しておずおずと悠仁が視線を五条に戻せばその顔は嬉しそうに口元に笑みを浮かべている。

 

「可愛いよ。悠仁が慣れるようになるまで、慣れてからも何度でも言うよ」

 

うっとりするような声音で言われて悠仁の顔は赤くなって耳までも染めた。もぅ…!と胸元をぽこっと叩かれたがそれは痛くも痒くもなく、五条の機嫌を上がらせるだけだった。

 

「ご飯!食べよう!」

「うん、悠仁のご飯楽しみだなぁ」

 

照れ隠しで言葉を区切って叫ぶ悠仁に可愛いなぁ、と見つめながら背を向けリビングの方へ向かう小さな背中を追い掛ける。

軽薄な性格だと自覚してるけど、悠仁に関しては軽薄になるよりも重くなるばかりだ。

 

リビングのソファに僕の荷物を置く悠仁を見やってから周りをチラッと見渡す。1人、見当たらない。

 

「宿儺は?」

「ん。悟さんの古文の本を読んでるよ」

「え?あの子まだ赤ん坊でしょ…」

 

いつもなら悠仁が抱えて一緒に出迎えてくれるのだがどうやら今は絵本代わりの古文書を読書中だったらしい。

だけどもうちょっとこう、子供らしい本を読んでくれないだろうか…難しい単語ばかりが羅列する古文を読む赤ん坊ってちょっと怖い。余りにも早熟過ぎて吃驚してしまう。

 

悠仁も難しい単語は分からないし読んで教えられないからと可愛らしい絵の絵本を宿儺に見せた事あるが見向きさえしなかったらしくて今では諦めて宿儺の目に止まった本を捲れない代わりにページを捲って上げてるみたいだった。

 

「ご飯の用意してくるねー」

「お願い〜。宿儺は僕が見てるよ」

 

ありがとう!と嬉しそうに笑って悠仁はキッチンの方へとパタパタ走って行った。

目隠しを外し代わりにサングラスを掛けると書斎の方へ足を向ける。まだ赤ん坊だろうが呪いの王である両面宿儺には変わりはないと、悠仁の周りは宿儺を恐れて近付きもしない。

 

化け物を見るような目で愛しい我が子を見られて悠仁は酷く気にしているらしいが最強の僕からしたら今の宿儺は脅威にもならないし悠仁の子供だし案外可愛いもんだよ。

 

眠っていた宿儺の頭を撫でて宿儺は悠仁似で可愛いね、と言ったら琥珀の目からポロポロと涙を溢れさせて心底嬉しそうにありがとう嬉しい、と悠仁ははにかんで笑った。

あの時の笑顔がまた見られるのなら僕は喜んで宿儺の面倒を見るさ。悠仁から好かれようとしてる魂胆は宿儺にはバレてるだろうけど宿儺も悠仁の笑顔を守りたいだろうし大人しく僕の世話を受けてくれる。

 

「宿儺〜、ただいま帰ってきたよ」

 

書斎の扉を開けると悠仁と宿儺が暮らすようになってから引かれた暖房付きカーペットの上にうつ伏せになって古文を読んでいる宿儺がそこにいた。

やっぱり想像した通り赤ん坊が古文書を読んでいる絵はシュールで怖いな。まぁ、笑えちゃうけどw

 

宿儺に近付くとパッチリとした真紅の大きな目が僕を見上げ帰ってきたか。とでも言うようにフン、と鼻で笑った。

憎たらしいその表情も見慣れたものだから逆に可愛く見えてきてあれ、父性目覚めてきた?と宿儺の前に腰を下ろし頭の隅で思った。

 

「あー、あぅー」

「んー?次のページ捲れって?」

 

ぺちぺちっ、と小さな手で本の書面を叩く宿儺にもしかして続き読みたいの?と問い掛ければ早く捲れと声を上げる。

続きを読ませてあげたいのは山々だけど、もう時間切れかなー。とうつ伏せになっていた宿儺をひょいっと抱き上げた。

まだ不安だから首をしっかり支えてから立ち上がる。初めの頃はどうやって抱き上げれば良いか分からなかったからおっかなびっくりだったけど今ではもう手馴れたものだ。

 

「夕飯の時間だからこれを読むのはまた今度ね、悠仁の所に行こうか」

 

ご飯と聞いて渋々しょうがないな、と宿儺は名残惜しそうに古文書を見てから五条の服をきゅっと握った。

その行動は宿儺の意志とは関係なく赤ちゃんの本能みたいなもので触れられるものは何でも握るし何でも口に入れようとしてしまうから悠仁はたまに大騒ぎしてる。

 

意志に反して動いてしまうらしいから宿儺はその度にみ"にゅっと顔を顰めてみるがその顔は不覚にも笑えるくらいに可愛いから暫くはそのままで居て欲しいと願っている。

 

「ん?」

 

立ち上がった時、五条の鼻を甘い匂いが擽った。

宿儺の丸い頬に顔を寄せればその甘い匂いの正体に気が付いた。

 

「宿儺、お風呂入れて貰ったばかりなんだね。いい匂い」

 

赤ん坊特有のミルクの匂いと、ふんわり香るフローラルの石鹸の香りが宿儺から香っていて五条はクンッと宿儺の頬に鼻を寄せる。

するとサングラスの縁が当たって気に入らなかったのか宿儺の手が邪魔だと言わんばかりにサングラスを掴み五条の耳から外してしまった。

 

「宿儺〜、サングラス外しちゃダメだよ」

 

嗜めるが五条はくすくす笑って宿儺の手からサングラスを取り返す素振りもなく好きに遊ばせる。

 

「悟さん、まるでお父さんみたいだね」

 

書斎から出てきた五条と宿儺の姿にテーブルに今日の夕飯のオムライス、ポテトサラダにオニオンスープを並べた悠仁が微笑ましそうに2人を見つめる。

悠仁の発言はその時に思った何気ない一言だろうけど五条にとっては願ったり叶ったりの嬉しい言葉だ。

 

「そろそろ周りにもちゃんと言わないとね」

 

何を?と不思議そうに宿儺を抱えたまま椅子に座った五条に箸を手渡しながら悠仁が首を傾げた。

箸を受け取り悠仁に笑いかけながら五条は宿儺を膝に座らせて落ちないように片手で支える。

 

「僕達の事を」

「え?」

 

悟さんとの事…?どういう意味?と目を見開く悠仁の手を一旦箸を置いた手で握る。え、と目を瞬かせる琥珀を見つめながら五条は飛び切りの笑みを浮かべて告げた。

 

「今度ちゃんとプロポーズするから覚悟しといてね悠仁

 

告げた瞬間、悠仁は大きく目を見開いて顔を紅く染め固まった。

腕の中の宿儺が呆れたように五条を見上げたが五条は既に気付いていたでしょ?とニッと笑い掛けるだけだった。

 

 

 

……To be continued

◆五悠♀(※宿儺が悠仁の子供)

 

 

五条がそこに到着した時には今回の目的である人が一級や準一級呪術師たちに逃げ道を塞ぐように囲まれていた。

 

歌姫が五条に気付き遅いわよ、と視線だけで睨み付けた。

ごめんごめん、と手を振って五条は件の人…囲まれている女性に視線を向けた。

 

白のノースリーブのパーカーに膝までのジンズが汚れていた。

対戦した際に肌のあちこちに出来たかすり傷から血が滲み肌を赤く染めていた。

栗色と黒の短髪の女性で、年齢は二十歳くらいだろうか。取り囲む呪術師たちを睨み付ける琥珀は凛としていた。

 

「あの女性が…?」

 

五条はその女性を見て首を傾げた。

どう見てもただの一般人に見えるのに。

 

【両面宿儺】が目覚めた。

 

そう上から連絡を受けたからこそ五条はここに来た。

特級呪物に対抗出来る現代の呪術師は五条以外に存在しない。真っ先に連絡を受けたがその時には五条は別件で仕事していたから遅れて到着した。

どれくらいの被害が及ぶのか予測不可能の為、直ぐにでも領域展開するつもりでいたが仲間の呪術師達が囲んでいるのはただの一般人ではないか、疑問に思った次の瞬間に五条は直ぐに理解した。

 

【両面宿儺】は女の方じゃない。

腕の中にいる子供の方が【両面宿儺】なのだと、分かった。

子供から発せられる禍々しい空気がどす黒いオーラを漂わせていた。

 

 

 

 

「…アンタ達、一体何だよっ」

 

ぎゅっと眠る子供を抱き締めて奪わせるものかと、女がジリジリと後退り武器を構える者達を睨み付ける。

 

「その子どもを寄越しなさい!」

 

ビッ!と歌姫が薙刀を女に向ければ女は渡さない!と歌姫を強く睨み付ける。いきなり知らない人間に囲まれて問答無用で武器を向けられ、そんな事を言われてはいどうぞ、と渡す筈がないのが普通の反応だ。

 

あの女は【両面宿儺】の何だ?

五条は構えもせずに首を傾げる。

 

「猿が手こずらせるね」

「傑」

 

スっと先に来ていた五条の親友、夏油傑が前に出てあっという間に女の間合いに入り細い腕からスヤスヤ眠っていた子供を奪い取る。

 

「っ!!?す、くなぁ!!」

 

奪い返そうとした女から距離を取り夏油はまるで汚物を見るような目で子供を見下ろし表情を歪める。触るのも汚らわしいと舌打ちしている。

女が悲痛な叫びで手を伸ばすのに、五条は女が叫んだ【両面宿儺】の名前がそのままな事に目を細めた。

 

「忌々しい存在が…目覚める前に殺してしまおう」

「待て傑!」

 

夏油が懐から呪具の短刀を取り出し子供の首に当てがうと嫌な予感を感じた五条は夏油に制止するよう声を上げた。

短刀が子供に当てられたのを見て女は琥珀の目を大きく見開いた。

 

「や、やめろ…すくなぁー!!!」

 

琥珀の目から一滴の涙が零れ落ちた瞬間、ずっと眠っていた子供がぱちりと目を開いた。

一瞬にして辺りを息が詰まるような呪力が充満して呪術師達が冷や汗をかいて固まった。嫌な予感が当たった。

小さな深紅の目がきょろりと周りを見渡し己を抱いている夏油にひたりと視線が止まったその時、先程出来た傷かと思われた傷跡が開いた。

 

深紅の眼が4つ。

 

視線が射抜いた途端自分に向けられた殺意の呪力に驚いた夏油が思わず腕の力を緩めてしまうと子供が重力に従って落下しそうになった。

あ、と思ったが突風が巻き起こったかと思うような風が夏油の前を過ぎる。落下するかと思った子供は、先程とは違う場所にいた筈の女の腕の中に戻っていた。

いつの間に、そう驚く周りが座喚くと女が顔を上げた。

 

「な……」

「宿儺の器…?!!」

 

顔を上げた女の琥珀の目が深紅に変わっていた。目の下に子供と同じように2つ目が開いていた。そしてズズズッ…と顔に浮かび上がって広がる紅い模様。

 

額の模様が完全に浮かび上がってボンヤリしていた目が1度その目を閉じた。そして再び目を開いた瞬間、肌を刺した呪力が膨れ上がって空を黒く染めた。

流石は呪いの王、女の姿であろうとそこに存在するだけで威風辺りを払っている。

重々しい呪力に押し潰されそうになった経験が余りない呪術師達が怖気付いていた。

 

「…泣かしたな、コイツを」

 

地を這うような声音で女が冷たい視線で夏油を睨み付け、お腹に指を添えると心臓の上に掛けて指をゆっくり這わせた。

 

「そ…んな、両面宿儺は子供の方じゃ…!?」

「いや!子供の方で間違いはない、目が4つ開いた!」

 

動揺する呪術師たちを見渡し、女はせせら笑う。

片手で抱いている子供を抱え直し頬を寄せて口元に笑みを浮かべたまま呪術師の疑問に答えてやった。

 

「そう、如何にも両面宿儺はこの赤子。だがこの体の持ち主は苟も俺の母、この腹から産まれ出た故に体を乗っ取る等…容易いこと」

 

ニヤりと笑ったその顔が歪む。

母親、そうか。母親だったのか…!!

 

五条は女と子供に感じていた違和感についてやっと納得した。

そして子供…両面宿儺の地雷が母親だった事も理解して動けず立ち尽くす仲間の前に出た。

 

「ん?何だ、オマエ」

「五条悟。現世で唯一両面宿儺に対抗出来る特級呪術師だよ。初めましてかな、両面宿儺」

「ほぅ…?」

 

面白そうに女が首を傾げた。

して、どうするつもりだ?と五条の出方を見物するように女が五条をじっと見つめる。

 

どうもこうもしないよ…。

五条は溜息を吐きたいのをグッと堪えた。確かに五条は唯一宿儺に対抗出来る程の力を持っているがだからって憾むらくにパパっと宿儺を祓える訳ではない。

宿儺の持つ呪術の力は凄まじく異彩を放っているのだ。今ここで衝突しょうものなら被害なんて街ひとつで済む筈がない。領域を展開しょうがそれでも及ぶ被害はある。

 

宿儺が目覚める前に祓う、そう規定により定められていた。

だから連絡を受けた時点でまだ何も出来ない子供を祓うつもりだったのに宿儺が母親に受肉出来ている状況で祓うなんて到底無理な話だ。

 

印を結べるのと結べないとじゃ、力量が変わる。

母親に受肉している宿儺は自由自在に印を結べて呪術を繰り出せるって事だ。今ここにいる五条以外の呪術師たちがまだ生きている事が不思議で、しかし幸いだ。

 

「君にも、その母親にも何もしないよ」

 

そう五条が口にすると周りが目を見開く。

歌姫が重い体を何とか動かして五条の胸ぐらを掴んで詰め寄った。

 

「ちょっと五条?!両面宿儺を前にして何言ってるのよ!!今ここで祓わないとどれだけの被害が…!!」

「歌姫。今は無理だよ」

 

分かるだろ?と言外に含めて五条が言えば歌姫はグッと悔しそうに唇を噛み締めた。

そう、ここで宿儺と正面から殺り合っても勝算は低い。そんな確率もないのに呪いの王に挑むなんて鳥滸な沙汰だ。

傍から見れば人数はこっちが勝っていても力量や呪術式を比べたら窮地に陥っているのはこっちなのだ。

 

「ククッ…ならば如何様にする?」

 

喉を震わせて笑みを零した母親の体に居る宿儺が近場にあった大きな石に腰を下ろし腕の中の子供をあやす様に腕を揺らす。

たったのそれだけの動きだけでも辺りに緊張感が走り空気が張り詰める。

そんな空気を意にも介せず宿儺はスっと足を組む。

 

「…君が何もせず大人しくしてくれるのなら、ある程度君の要望を聞こう」

「成程。緩急宜しきを得る決断だな」

 

存外話の分かる男で驚いたぞ。と嗤う顔に五条は肩を竦めてみせた。

 

「ここで仲間を無意味に殺される訳にはいかないからね。これ以上呪術師が減るのは本当に困るんだよ」

 

君たち呪いに寄る被害は増す一方だしそれに駆り出された呪術師達が無事に帰って来れる確率は高くはない。

結構呪術界隈も厳しいンだよ?それなのにここで君の討伐で全力を出して死んでしまったら僕が上からグチグチ言われるに決まってるじゃん、イヤだよ。面倒くさい。

 

最終的には愚痴になってしまっている五条の話に宿儺は呆れたように失笑したがそうさな、と頷いた。

 

「今すぐこの世を血の海に変えよう等と思ってはおらん。故に何もする気はない。俺の体もまだ話せぬ赤子のままだしな」

 

赤子の頬を優しく撫でて宿儺は眼差しを柔らかくしたかのように見えた。五条がじゃあ、此方の要求は…と口にすれば深紅の目が五条を射抜き、良かろう。と認容した。

 

「俺の要望は一つ、」

 

この契約が破ぶられた暁にはオマエ達呪術師含め、この世の半分の人間共には塵となって消えて貰う。その事を努努忘れるなよ。

 

艶美な笑みを浮かべて五条の要求を容認した宿儺だったが、約束が守れなかった場合に起こるとされる言葉の内容は肝が冷えてしまうような恐ろしいものだった。

 

「約束は守るよ」

 

五条は頷き、命を持って約束は守ると誓った。

宿儺の畏れに動けず異論など出来なかった周りの呪術師達は固唾を飲んで契約が結ばれたのを見つめるしかなった。

 

斯くして、五条と宿儺の間に契約が交わされてその場は丸く収まったのであった。

 

 

 

 

**

 

「さて、と…」

 

1時間も経ってないのに何だが何週間も労働したような疲れを感じてしまった、と五条は体を伸ばし視線を下ろした。

 

「君の名前は?」

 

石に腰を下ろしたまま所在なさげに子供の中に戻った宿儺を抱き締めながら母親の女性がチラッと上目遣いで五条を見上げた。

契約が成され、宿儺は釘を刺してから母親から出て行った。

宿儺に体を支配されてても驚く事に意識は合ったのか深紅の眼が閉じて次に琥珀の眼が開かれるとそのまま逃げ出すような動きはなかった。

 

ただ安心はまだ出来ないのか宿儺を隠すように自分に抱き寄せ五条の動きを注意深く見つめて警戒している。

さっきまで取り囲んでいたし警戒させてしまったのは仕方ないか、と五条はニコリと笑って再度問う。

 

「僕は五条悟。君は?」

「………?」

 

問い掛けても母親は首を傾げるだけだった。

え、まさか自分の名前知らないとかじゃないよね?五条は軽く目を見張る。

 

「…もしかして、分からない?」

 

恐る恐る問うと母親は泣きそうな表情をした。

待って、泣いたらまた宿儺出て来ちゃうンじゃないのか?と僅かに焦ったが母親は小さく頷き、俯いた。

 

「…分からない、覚えてない」

 

まさかの記憶喪失。

あっちゃー…と額に手をやった五条。宿儺が自分の子供だけはどうやら覚えているらしい。それが不思議でならなかったが記憶を失っているもんだから今あれこれ聞いてもしょうがない。

 

自分の事も分からず唯一覚えている宿儺を奪われ殺されそうになって凄く不安だろうに、母親だからと宿儺を必死に守ろうとする姿はいじらしい。

五条は母親に近付き、地面に膝を着いて低くなった目線で視線を合わせる。

 

「大丈夫。君を絶対に守るから」

 

僕の所でゆっくり記憶を取り戻せば良い、まだ安心出来ないだろうけど約束は必ず守る。

そう五条が伝えて手を差し伸べると母親は目を細めて確かめるように五条をじっと見つめた。

目隠ししてるから目は見えてない筈なのに琥珀の目と交差する。見つめる目が澄んでいてキラキラ光っているように見えて五条は目を奪われた。

 

「…ありがとう」

 

五条の言葉に嘘偽りがないと納得した母親はふわり、と笑って五条の差し出した手にそっと手を重ねた。

その笑顔を目の当たりにして五条は心臓の辺りにチクリと何かが刺さったのを感じて重ねられた小さな手を握った。

 

 

 

◆宿虎(短編)

悠仁が不死身になった話。

 

 

 

 

 

また今日も、同じ事の繰り返し。

何度巡ればいいのだろうか、宿儺と何度堕ちただろうか。

 

自分の手を握り締めてくれる同じ体が元の筈なのに大きく感じる手を見下ろして悠仁は思考に陥った。

 

「小僧」

「…なに、宿儺」

「飽いたか」

 

その問い掛けは宿儺にしては珍しくて、思わずその顔を凝視してしまう。けれど宿儺は至って真面目らしくじっと見返してきた。

ならばこっちも真剣に答えようと首を左右に振った。

 

「違う。ただ俺とお前の事を覚えてくれる人が居ないのがちょっと寂しいなぁって思っただけ」

 

悠仁と宿儺は一心同体。

悠仁は宿儺の考えていることは全ては分からないが宿儺は悠仁が何を考えているのか、裡に居るから分かる。

 

寂しげなその心に、だから問い掛けた。

 

もう、悠仁を知っている者はこの世には居ない。

みんな、悠仁よりも先に逝ってしまった。それは普通の死であり呪術師という生業にも関わらずみんな寿命を全うして逝った。正しい死だった。

 

だから悠仁は悲しい思いはない。

覚えている人が居なくても、傍らには大事な半身が居るから。

 

ただたまに、ふとした瞬間に思い出して懐かしくなって寂しくなってしまうのだ。騒がしくも愛しいあの頃が。

 

「…会いたいのだな」

「ん…でもお前が居るから、全然辛くないよ」

 

宿儺の懐に懐けば直ぐに背中に回る腕が愛おしい。

昔はあんなに散々殺しあったのに。

それが可笑しくて悠仁はくすりと笑みを零した。

 

訝し気に見下ろす緋色に何でもないと言って頬に口付けを一つ、捧げた。

 

それに、悠仁を覚えているあの頃のみんなはもう居ないけど…守りたい人達は居るのだ。

 

 

「いたどりー!!」

「オイ、ひっぱるな」

「コラコラ〜、ケンカしないのー」

 

公園の木の下で身を寄せ合っていた悠仁と宿儺の所へ、手を繋ぎながら駆けてくる小さな女の子と男の子。

そして、その2人の子供の後をゆったりした足取りで追い掛けるサングラスを掛けた白髪の高校生くらいの少年。

 

3人の姿を見つめる悠仁の顔はホントに嬉しそうに微笑んでいて宿儺はふっ…と笑みを浮かべた。

 

 

END