mikotoの呟き

小説(◆マーク)とお知らせや近況報告

◆宿虎五悠(R18)

※先天性女体化な宿虎(宿儺さまは悠仁の影響で女体化)

※五条先生が途中で交ざる3Pです

 

 

 

 


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夜の静けさに耳を傾け2個重ねた枕を背もたれにしながら宿儺は濡れた音を立てる胸元を見下ろし、子供の頭がもぞりと蠢くのを眺める。

 

「んちゅっ…ん、ちゅぱ…」

「……乳が出る訳でもないのによくもまぁ、そんなに必死に吸えるものよ」

「んくっ…ん、別にミルクが欲しい訳じゃねぇよ?ただ宿儺のおっぱい吸いたいだけ」

 

ニコリと笑うその顔は本当に嬉しそうで宿儺はため息を軽く吐いて悠仁の頭を撫でた。呪いの王の乳房を赤子のように吸うなど恐れ知らずにも程がある…と思わないでもないが宿儺は悠仁だから勝手を許している。

好きにしろ、と暗に言われてトロリと悠仁琥珀の目が潤んでスっと細くなる。

 

ずっと悠仁の口内にいた宿儺の薄紅色の乳首が吸われて赤くなり涎でテラテラと濡れていた。

久しぶりに触れた外の空気によって冷えてぷっくりと立ち上がってしまっていて、それがまるで熟れた赤く甘い果実に見えて悠仁は喉が鳴ると同時に柔らかい下乳を持ち上げるようにして寄せるとまた口に含んだ。

まるでマシュマロのような心地よい手触りに夢中になりミルクなんて出る筈もないから味なんてないのに、悠仁にはそれが何故かひどく甘く美味しく感じられた。

 

「んぅ、ちゅっ…ん、ふ」

 

つんと立ち上がってコロりとした乳首をまるで飴玉を舐めるみたいに舌で転がしては押し戻すように舌で押し込み、乳輪ごと口に含んで甘噛みしてちゅうっと吸い付く。

 

恍惚とも言えるその表情に宿儺はクツクツと楽しそうに笑う。

悠仁は宿儺の胸に夢中になっているから宿儺は手持ち無沙汰だ。ならば己も可愛がってやろう、と宿儺の着物の前を崩しただけの格好と違って全ての衣服を脱ぎ払った悠仁の胸へと手を伸ばした。

 

己の腹に凭れ掛かって押し潰されて形が歪んだ胸を手の平で掬うように持ち上げれば隠れて見えなかった桜色の愛らしい陥没乳頭が姿を現した。

これに用があるのだ、と宿儺がきゅっと中に隠れている乳首を乳輪ごと摘むと悠仁の肩が跳ね上がった。

 

「んむぅっ!」

 

びくりと震えた琥珀の目が咎めるように宿儺を見上げると宿儺はくつりと笑い此方は暇なのだ。俺も楽しんでも良かろう?とそう視線で返せば悠仁は目を細めて勝気で挑発的な視線でもって宿儺を睨み返した。

 

それじゃあ煽るだけなのだと、いつ分かるのやら。

悠仁の軽い挑発に乗り、爪先でカリカリと先端を擽るように引っ掻けば少しずつ隠れていた乳頭が硬くなって顔を出してくる。

 

指先を己の舌で濡らそうとれっと舌を出せば下から悠仁の目が宿儺をじっと見上げる。その熱の篭った視線に気付いた宿儺が笑みを浮かべその目を見つめ返しながら見せ付けるようにねっとりと己の指に舌を這わせれば悠仁の目元が赤く染まった。

 

いつでも初々しいなと笑みを零し、充分に濡れるとその指でくるりと乳輪と頭を擡げた乳首をそっと撫で上げればぴくんっと反応してつんと完全に頭を出して立ち上がってみせた。

愛くるしいヤツめ、と目を細めた宿儺が今度は出てきた乳首だけを指で摘み引っ張って弄ぶ。

 

「ふ、んぅっ…!」

 

くにくにと刺激されて悠仁が鼻にかかった甘い声を上げるが決して宿儺の胸からは口を離さない。その強い執念に宿儺はほぅ?と感心して深く笑みを浮かばせると更なる責めに出る。

 

頼りなく立ち上がった乳首をくるくると捏ね回し、ぴんっ!と指で弾いてみせればその度に肩を震わせる悠仁の息は熱く上がっていき、己の乳房を吸う力が弱くなってくる。

それでも頑なに宿儺の胸を口から離そうとはしないのだから大したものだ、褒めるように頬を撫でればくぅん、と甘えた声が上がった。

 

己で育てて立ち上がった愛らしい乳首を是非に舌で可愛がりたかったが生憎と悠仁が己の乳房を離さないから今回は無理だろうな、と手を止めないままに宿儺はひどく残念に思う。

 

「ん、んっ…っ」

 

ふるふると震えながら背を這い上がって襲う快感を我慢しょうと悠仁が宿儺の体に両腕を伸ばしてぎゅうっとキツく抱き着く。

そうしてしまうと悠仁の顔は宿儺の胸に埋もれて隠れてしまい表情が見えなくなる。

それが気に入らなくて宿儺は片眉を上げた。

 

「ほれ、顔を隠すな」

 

べしっと後頭部を乳首を可愛がっている反対の空いた手で軽く叩けばおずおずと顔を覗かせた悠仁の目元は赤く染まり琥珀の眼は潤んで今にも零れてしまいそうに揺れていて悦楽に感じ入っている事を隠しもしない。

 

「何だ、乳房だけで感じたのか?」

 

ん?正直に言うてみろ、とニヤニヤ笑いながら問い掛ければ恥じらって睫毛を震わせながら目を伏せる。

まるで純情無垢なその反応に嗜虐心が煽られるのだけれど恥じらっているくせに宿儺の脚の間に自分の太ももを挟み込み腰を押し付けるという大胆な行動に出るのだから愛しくて堪らない。

 

押し付けられた腰と、挟み込まれた脚の間からぐちゅっ…と湿った濡れた音が響いた。

どうやら本当に乳房だけで感じ入って濡れてしまったらしい子供に宿儺は口元に張り付いた笑みを外す事が出来なかった。

 

「クックッ…厭らしいなぁ?小僧…乳房だけでこんなにも濡らしてなぁ…」

 

悠仁に挟み込まれた足を立てて揺らせばぐちゅりと更に粘ついた粘着質な音が耳に入り、悠仁は羞恥心に耳まで赤くしたが動かされた脚が敏感な所を擦って気持ち良かったのか悦んで甘い声を上げる。

もっと頂戴、とでも言うように宿儺を見上げながら自ら腰をゆらりと前後に揺らして気持ち良い所を擦り刺激すれば背筋を這い上がるものにトロリと眼を蕩けさせた。

 

「…良い良い。存分に可愛がってやろうな?」

 

隠すこと無く素直に快感を求める悠仁の痴態に宿儺は上機嫌に頷き愛しそうに深紅の眼を細めた。

もっとくれんの?と期待に煌めかせた悠仁に笑みを返して宿儺はだがその前に…、と視線を悠仁から扉の方へとやった。

 

「貴様、いつまで見ているつもりだ」

 

怒気を含んだ宿儺の声音にえ?と驚いた悠仁が思わず宿儺の胸からとうとう口を離すと同じように扉の方へ顔を向けた。

 

するとそこには扉に寄り掛かって両腕を胸の前に組んで此方をじっと見つめている呪術師最強・担任の五条が立っていた。

五条に気付き目を見開いて悠仁は暫し固まってしまった。

 

「?!…五条…先、生…!?」

 

刹那、ブワァッ!と全身を真っ赤に染め上げた悠仁は慌てて毛布を引き寄せて何も身につけていない自身を隠し宿儺の影に隠れる。

な、何で先生がここに居る訳?!てか気付かなかった…!!

宿儺に夢中になって周りを警戒し気配を察知する事を怠けていた事は白状するけど呪術師最強である五条が本気で気配を消せばまだ発展途上中で未熟の悠仁にはその気配を捉えることは不可能だ。

 

「い、いつからそこにいたの?!」

「んー?えとね、宿儺がミルクなんて出ないのによく必死だな、って所からかな?凄く絶景だったから声を掛けるのが勿体なくてね」

 

眺めてちゃった。とニコリと悪げも無く言う五条に恥ずかしさの余り悠仁は涙目になりながらそれかなり始めの所からじゃんか!!と叫んだ。

毛布に包まって唸りながら隠れてしまった悠仁の頭ら辺を撫でて前を寛げて晒したままの胸を隠す素振りもなく宿儺は五条にで?と先を促した。

 

「用があったから訪れたのであろう、何の用だ呪術師」

「うーん…そうだったんだけど、大して重要な用件でもないしなんかどうでも良くなった」

 

カツ、とベッドに寝そべる2人に五条が近付き後一歩踏み出せば触れられる手前で足を止めるとスルりと目隠しを外した。

擦れる音に何だ?と気になって隠れていた悠仁が毛布から顔を少しだけ出せば五条が自分を見つめている事に気付いてハッと息を飲んだ。

 

いつも黒い目隠しで隠されている青空がひたりと己を見つめている、澄んだ色の美しいその目に視線が外せなかった。

 

「それよりも…禁断の花園に僕も交ぜて?」

 

甘い蜜を思わせるその声音に知らず悠仁の体が小さく震える。

神秘的なその瞳が悠仁を捕えて離さない、初めて見た時もそうだったけど悠仁は何故か五条のその眼に弱かった。

まるで体の力を抜かれたみたいに、ただその目を見つめていたくなる。

 

五条は悠仁が好きだ。

だからこんな美味しい機会を易々と逃す筈はない。宿儺の胸を口に頬張り淫らに腰を揺らした姿を思い返して五悠はズクンと腰が重くなる。

 

「っ…」

 

一瞬五条の瞳に見惚れていた事に気付き悠仁は我に返り居た堪れなくてパッと視線を外すけれど五条の目が焼け着けるようにこっちを見ているのが分かる。

さっきまではずっと見られていたから何も身につけていなかった体を覚えられてその記憶を辿るように毛布で隠した体をあの目で見下ろされていると感じれば悠仁はゾクリと体を震わせては足の間を濡らしてしまっている事を自覚した。 

 

焦って居心地悪そうに誤魔化してもじもじっと太ももを擦り合わせれば気付いた宿儺が手を伸ばして悠仁を後ろから抱き締めて徐に濡れた悠仁の秘部に指を這わせる。

 

「す、宿儺ぁ?!」

 

狼狽えて足を閉じて逃げようとした悠仁の動きを足で止めて体を隠す毛布を剥ぎ取って濡れそぼった中に指を突き入れればびくりと体が跳ねて嬌声が上がる。

 

「あっ…ん!あっ…あ…っ!」

「逃げようとするな」

 

掻き混ぜるようにグチャグチャと指を挿入すれば悠仁からは良がって感じている声がひっきりなしに上がり宿儺を止めようとするが指が壁際の膨らみを遠慮なく押して擦るものだから声を上げ続けるしか出来ない。

何回も悠仁の中を可愛がってきた宿儺には悠仁の一番感じる所を探り当てるなんて朝飯前だ。

 

「うぁぁっ、や、やだぁっ、あ、ぁ~っ…」

「見られて気持ち良いのか」

 

じゅぶじゅぶっ!とはしたない音を立てて宿儺の指が中を掻き混ぜると手を濡らす程びしょ濡れなソコをじっくり見下ろし美味しそうに咥えている、と五条が舌舐めずりする。

布団を剥ぎ取られてしまい足を閉じないようにと宿儺の脚が羽交い締めするように悠仁の足を押さえ込んで開かせているから五条からは濡れているソコも、宿儺の指が出し入れして挿入する所も全てが晒されていた。

 

「ぃやぁ、やだ…っ、見ないでぇ…っ」

 

必死に宿儺の手を止めようと手を伸ばすが力が入らず腕に添えるだけで止める事が出来なかった。イヤイヤと頭を振る悠仁の項に舌を這わせて耳裏まで滑らせるとカプリと耳朶に甘く噛み付いた。

鳴いて感じている悠仁に笑みを浮かべながら五条に見せ付けるように中を掻き混ぜる反対の手で割れ目の上に所在無さげに硬く立ち上がった赤い突起を撫でて可愛がってやった。

するとびくんっ!と大袈裟に大きく体を跳ねさせた悠仁が目を見開いてポロっと涙を零して泣いた。

 

「やあぁぁっ…!あ、ぃや、そこ触っちゃっ…!」

 

クリクリと円を描くように擦ると中からじわりと愛液が溢れて宿儺の手とベッドシーツを濡らす。

ダメだと泣く悠仁にそうか、嫌なのなら同時は止めよう。とニヤリと笑った宿儺が中を掻き混ぜていた指を壁際の膨らみを強く押してから勢いよく指を引き抜いた。

 

「ひっ…!きゃうぅ〜ッッ!!」

 

指を抜いた瞬間、イってしまいぴしゃぁあと悠仁は潮を吹いた。

ベッドも床も濡らしてしまう程に勢いよく吹いて体を痙攣させた。指は抜いたが突起を可愛がる手は止めなかった宿儺は潮を吹いていた間もクリクリと擦ってやれば悠仁琥珀の目から涙が溢れんばかりに零しながらびくびく震えて継続的に潮を吹いた。

 

「ダ、メぇ…イ、った…イったからぁ…!」

「潮を吹く程良かったのか、ほらまだ止まんぞ?」

「ぁあ、ん…あ、ぁ…っ…」

 

最初の勢いはないがぷしゃ、ぷしゅ…と止まらない潮吹きに宿儺は嬉しそうに悠仁の項にキスをした。それにさえも感じて悠仁は声を震わせて嬌声を上げる。

酷い倦怠感にくたりと宿儺に凭れ掛かる悠仁はぴくっぴくっと体を痙攣させてその眼は揺れて焦点が定まってない。

息が上がって赤く染まった頬は色香を漂わせていた。

 

好きな子の淫靡なその光景を目の前で見せ付けられて我慢なんて出来る筈もなく五条は一歩前に進んだ。宿儺が五条を睨み付けたが制止する声はなかったので膝を着いて悠仁の滑らかな太ももに手を伸ばして触れた。

 

「は…あっ、ぁ…せ、んせ…?」

「僕にも食べさせて」

 

トロトロに蕩けたままの悠仁が五条の顔が随分低い所にあるなと不思議に思っているのに言うな否や、五条は濡れそぼってひくひくしているソコに食い付いた。

 

「ひゃぁ…!せ、んせぇ…っ?!」

 

呂律の回ってない舌っ足らずな悲鳴を上げ目を見開いて泣き叫ぶ悠仁を下からチラッと見上げた五条は笑みを浮かべる。
ぐしゅぐしゅになっている割れ目をベロりと舐めるとぬかるんだ中に舌を滑り込ませ中をぐるりとなぞれば悠仁の太ももに力が入り跳ねる。


それを押さえ込んで吸うように溢れてくる愛液をちゅう、じゅるっとわざと聞かせる為に音を立てて啜る。

まさか五条がそんな行動に出ると思ってない悠仁は信じられない思いで頭を振った。

 

「あ、ぁっ…やら、またっ、またイっちゃうからぁっ!あ、ぅんっ…せんせっ、離し…!」

 

離そうと手を伸ばし五条の頭を手で押そうとするが震えるばかりで力が入らず白銀の髪をぐしゃりと乱しただけだった。

邪魔するなと宿儺が悠仁の両手を捕えて押さえると悠仁は宿儺の手を跡が付きそうな程強くぎゅうと握って縋った。

 

「すくな、すくなぁ…っ!」

「ここに居るぞ。本当にオマエは良い表情をする…好きなだけ極めろ」

 

イク、イッちゃう、と宿儺に助けを求めて止まる事を知らずポロポロ涙を零す悠仁に宿儺は感極まったその表情に目を細める。

乱れる悠仁をもっと見たくて宿儺が痛いくらいにピンと立ち上がった乳首をきゅっと摘むのと、五条がキスするようにちゅっと触れて次いでぢゅっと敏感になっている突起を舐め回して吸い付いたのは同時だった。

その瞬間、余りの強い刺激に悠仁はまたしてもイってしまい目の前が真っ白に染まった。

 

「~~~~ッッ!!」

 

波に攫われそうな快感に声も出せず背中を弓なりに反らすとまたぴしゃーっ!と潮を吹いた。

するとまだそこに顔を埋めていた五条の顔や胸元に腹に掛かってしまい濡らして汚してしまったがそんな事気にもせず何を思ったのか五条は未だ潮を吹くソコをパクリと口で覆い、溢れるものを口内で受け止めた。

 

無味無臭のそれが悠仁から溢れ出たと思うだけで五条にとってはそれはどんな高級なワインにも勝る。喉を鳴らしてごくごくっと全て飲み込む五条に朦朧としながらも悠仁は何飲んでんの?!と顔をぐじゃぐじゃにした。

 

「ひくっ…ひくっ…せ、んせぇ…な、にやって…」

「ふふ、悠仁から溢れ出たものは一つ残らず全部飲み干してあげる…零すなんて勿体ない事出来ないじゃない?」

 

顔に滴るものを手で掬い、腕まで垂れているものも舌で追って舐め取って目を細めてみせればその姿を正面で直に見てしまい悠仁は息を詰めて赤くなって目の縁に溜まった涙を零した。

恥ずかしいのと気持ち良いのがグルグル頭の中を駆け巡ってそろそろキャパオーバーで今にも気を失ってしまいそうだ。

 

「見事な乱れ具合だったぞ、小僧。日々可愛がっている甲斐があった」

 

涙の跡に口付けながら愛いぞ、と宿儺がキスすれば悠仁は馬鹿!と宿儺を赤くなった顔で睨み付けた。

恥ずかしそうに睨み付けられても微塵も恐れを抱く事はない、抱くのは嗜虐心と愛いというだけだといつ教えてやろうか、と宿儺は悠仁の滑らかな頬を撫でて五条に目を向ける。

 

「ん?」

「寄越せ」

 

ペロリと口端を舐めていた五条が何を?と首を傾げれば宿儺は小僧のモノは俺のモノだ、と言えば合点がいったのか五条は仕方なさそうに笑うと身を乗り出して宿儺の唇に口付けた。

 

え?と唖然と驚く悠仁は2人を交互に見ると固まってしまった。

まるで互いを喰らい尽くさんかのような2人の口付けの応酬に悠仁は一人取り残されたみたいでショックを受けて生理的なものとは違う涙が滲み出てくる。

それに一早く気付いた宿儺が五条から離れると悠仁は宿儺に抱き着き、奪わせないと五条をキッと睨んだ。

 

「っ…せんせ!宿儺は俺のだからっ」

 

お気に入りの玩具を取り上げられた迷子の子供のような表情で怒られてしまい、五条はキュンとその可愛さに内心悶えた。

悠仁が僕に怒った…!と一人悶えている五条と独占欲を剥き出しにして怒ってくれた悠仁に宿儺はひどく上機嫌に笑った。

が、続いた言葉に眉間に皺を寄せる事になる。

 

「宿儺もっ!せんせは駄目…!」

 

五条だけではなく何故己も激怒されたのだ、と宿儺は悠仁を軽く睨む。まさか五条に対しても独占欲を出すとは、何事だ。

 

悠仁〜、宿儺に妬いてくれたんだ?」

 

嬉しそうに呟いた五条に悠仁ははた、と琥珀の目を瞬かせる。

何を言ったのか自分でも自覚していなかったらしいその反応に無自覚に宿儺と五条を自分だけのものと思っていた事が知れた。

2人も欲するとは、なんて強欲で我儘な事か…しかし悠仁だからこそ愛しくてそんな我儘も許してしまえる。

やっと自分の発言に気付いたのか困惑し、恥ずかしそうに戸惑って穴があったら入りたいと悠仁は視線をあちこちに揺らして唸った。

 

「ぁ、ぇ…うぅ〜…っ」

「良い良い、許す」

「僕も宿儺も、悠仁のモノだよ」

 

後ろから宿儺に、前から五条に頬にキスされて悠仁はぐずっと鼻を鳴らした。宿儺は当然として、まさか五条までも無意識に勝手にを自分のものと思っていた事に悠仁は自分の強欲さに恥じたが五条は違わないと笑い、宿儺も許すと言ってくれた。

 

2人の最強に愛されて悠仁は嬉しさで涙がこみ上げてくるのを止められなかった。

 

「ぐす…俺一人残すなよ…」

 

溢れる涙をそのままに2人に訴えれば五条はキョトンと目を見張り、宿儺はクツクツと喉を震わせた。

 

「こやつが独り占めしたオマエの蜜を味わっていただけだ」

 

一人残した訳ではないが、寂しい思いをさせたのは悪かったと宿儺が悠仁の頭を優しく撫でる。 

まさかそんな事でキスしたの?!と2人がいきなりキスをした理由が分かった悠仁は愕然とするしかない。というか蜜って何…!?

 

「ごめんね、悠仁

「あ、いや、…うん……」

 

仲間外れにしてないから寂しがらないで、と五条にも頭を撫でられると理由が理由なだけに何も言えなくなって赤くなって俯くしかなかった。

そこで自分が未だに足を開いたままの恥ずかしい格好である事に気付いて悠仁は慌てた。足をグイグイと動かし後ろの宿儺に足をどかすようにと振り向く。

 

「宿儺っ、足退けて!」

 

身を攀じる悠仁に宿儺は首を傾げて艶っぽく笑ってみせた。

そんな表情をする時の宿儺はろくな事を考えていない時の顔だと分かっている悠仁はヒクッと顔を引き攣らせて警戒した。

 

「何を言うか、まだ終わっておらん」

「ふぇ…?」

 

びくびく震えて宿儺を見返せば先程まで五条が愛していたソコを指でなぞるので悠仁は一時忘れていた快感がまた戻ってくるのを感じた。

 

「中が疼くだろう?俺はオマエが依代故に指で良くしても中を穿ってやれぬからな、可愛がって貰え」

 

本来ならばこの男は気に入らんが…オマエはこの男が良いのだろう?ならば許す。とまた溢れて来た粘着質な愛液を満遍なく塗りたくるようになぞればさっきまで体を支配していた快感が完全に戻ってきて蕩け始め、口端から飲み切れず零れる涎を舐め拭き宿儺が悠仁の潤む目を覗き込む。

きゅんきゅん、と腹の奥が言われてみれば切なく疼くのが分かって悠仁はそろりと五条へと視線を向けた。

隠しもしない、欲望に満ちた目が悠仁を視姦するように見つめ返していた。

 

その視線だけでゾクゾクと体中に走った電流に口の中にじわりと涎が溜まる。五悠のモノが自分の中に入る?と想像するだけで疼きが強くなって奥が切なくジンジンと痛み体が奥に欲しいと震える。

 

宿儺の胸にぽふりと顔を寄せれば濡れて潤む目で悠仁は五条の瞳の奥に揺らめく欲望の炎を見つめて頷いた。

 

「…いいよ、せんせ…」

 

悠仁から許しを貰って五条はニッコリと笑って濡れた上衣を脱いだ。

 

「フフフ…いっぱい気持ちよくしてあげる」

 

上着を脱ぎ、中のインナーも脱いでしまえば現れた鍛え抜かれた体に悠仁はドキリとした。

幼い顔持ちと違ってその体は完成されていて厚みのある胸筋に美しく出来ているシックスパックというギャップにドキドキと胸が早鐘を打って高鳴っている事を自覚する。

お爺ちゃんとしか暮らしたことがなく、今まで周りに男性の大人がいなかった悠仁は初めて見る男の上半身を見てその力強さについつい見惚れてしまい、五条にくすりと微笑まれてしまった。

 

ジロジロと見惚れてしまった事がバレて恥ずかしくなった悠仁は香の香りがする柔らかい宿儺の胸に熱くなり赤くなった顔を隠した。

 

悠仁照れちゃった?可ー愛い」

「俺の小僧を揶揄うのは止めてもらおうか。殺すぞ」

 

ギロっと睨み付けてみせれば怖くもないクセに怖い怖いと肩を竦めてみせる。

上を脱げば下もとスラックスのジッパーに手を掛けてジジジッ…と引き下ろす。下着の上からでも分かるほど硬くなっているのが見えて五条はまだまだ僕も若いなぁ、と勃起した自身を取り出した。

 

下着から取り出された五条のモノを宿儺の胸元から見ていた悠仁は初めて目にした男の一物に目を点にして固まった。

 

「ひぇっ…な…に、それ…」

「あぁ、悠仁初めて見る?まぁ僕のものは他の者よりも大きいらしいから一般的じゃないかもね?」

 

これなら悠仁の奥の奥まで届くよ、とこの下に子宮があると想像して白く滑らかなお腹をつつ…となぞればぴくりと震えて反応する。

完全に勃起したそれは五条の鍛えられた腹まで反って血管を浮き上がらせて勃ち上がっている。あんな大きなもの入る訳ないよ!!?と短い悲鳴を上げ怯えて固まる悠仁に宿儺が万が一にと閉じられないように更に広げさせる。

 

「ちょっ…宿儺むりっ…大きい…!」

「恐れるな、女の体はあんな大きいものでも美味そうに咥えるからな?」

 

震える悠仁にキスして宿儺は逃げ出そうとするのを押さえ込み、広げさせた足の間に手を伸ばすと濡れた割れ目に指を滑らせ五条のモノが入りやすいようにぐぱぁ…と広げた。

そうすると濡れてひくついた秘部を晒すような格好になり悠仁は驚いて宿儺を振り返ると腹を空かせた獣のように舌舐めずりする深紅の目が合った。

 

「バカバカっ…宿儺何やって…せんせ見んな…っ」

 

身を捩り頭を振って見ないでと泣きそうに懇願する悠仁に素直に見ない男はいないでしょう?と五条は身を近付かせる。

それにさっき舐めて可愛がったからもう覚えているよ、と宿儺の指で広げた全体を見下ろして優しく触れると喉が渇く。

 

「…こんなに真っ赤になって可愛い…」

ノロマ。さっさと小僧を悦ばせんか、出来ないならさっさと変われ」

 

怯える悠仁にキスして宥める宿儺が五条を睨む。

可愛い可愛いと顔が緩んでいる五条に痺れを切らして悠仁を泣かせるだけなら退いてろと暗に言えば五条はこっちは初めて悠仁の全てを見れたのにもうちょっと堪能させても良いじゃんと思ったが確かにいつまでも勃起したモノを晒したままじゃ悠仁が怯えちゃうか、と自身を宛てがう。

 

「はいはい、女王様の仰せの通りにお姫様を悦ばせますよ」

 

ぺろりと乾いた唇を舌で濡らして潤わせると悠仁が五条の腕を掴んで見上げる。

 

「あっ…や、待って……!」

「小僧、怖がるな。気持ち良いなるだけだ」

 

女の体だと快感が何倍も感じられるらしいと聞く。

乱れて魅せろ…と強ばっている悠仁の小さく震える唇に喰らい付き視線を奪うと宿儺は五条に早く入れろと目だけで指示する。

悠仁が気を逸らした隙に五条は花弁を押し開きゆっくりと中へと硬くそそり立つ自身を進ませた。熱く蕩けていて…1度も大きいものを迎えた事のない中は狭かった。

 

「んんぅっ…!!」

 

ほぅ…と熱い吐息を付くと五条はうっとり目を熱くさせた。

中を進む熱く硬いものにビクッビクッと体を跳ねさせて甘い声を上げるがその声も宿儺の口の中に消える。

 

痛みはないが太く大きいものが中を抉る初めての感覚に悠仁は縋るように宿儺の舌に吸い付いた。

必死に宿儺の口付けに応える悠仁を愛しそうに見つめて舌を擦り合わせれば怯えていた悠仁の目はトロリと安心したように宿儺の目を見つめ返す。

 

視線で甘やかす宿儺にうっとりすると悠仁の中が無意識に五条のものをキツく締め付けて五条は眉間に皺を寄せた。

 

悠仁、力を抜いて」

「ククッ…何だ早漏か?情けない」

「んな訳あるか」

 

悠仁とのキスを一旦止めて情けない、と鼻で笑う宿儺に五条はあ"ぁん?とガラ悪く唸るのに本当にこのままだと情けない事になりそうだと悠仁を可哀想に思うが一気に奥まで入れさせて貰おうと五条は悠仁の腰をグッと掴み一息に突き入れた。

 

「んんっ~?!!」

 

壁を擦りながら奥まで貫かれて悠仁大きく目を見開いて叫んだが直ぐに宿儺が己の唇で覆って悲鳴ごと飲み込む。

奥を突く際に敏感な部分を強く抉ってしまったのかお腹がヒクつき、五条のモノが悠仁の下っ腹を押し上げてそこにあるのだと知らしめる。

肩で息をする悠仁に大丈夫だと宥める宿儺に一言五条も謝って奥まで届くと動きを止めた。

 

「ふぅ……ごめんね悠仁、大丈夫?」

「あ、ぁ…やぁ…あ」

「イってしまったか」

 

体を痙攣させて声を喘ぐ悠仁の頬を撫でれば悠仁は宿儺の首筋に頭を擦り付けてお腹の中が熱い、と訴える。

そう、熱いか。気持ち良いか、と優しい声で問い掛ければ分からない、お腹いっぱいと小さく呟くとそれを聞いた五条のものが更に大きく膨張して悠仁の中を圧迫させる。

 

「ひっ…?!な、に…!?」

悠仁~…そんな煽るような事言わないでくれる?」

 

グッと笠を増したものに驚いた悠仁が五条を見上げると汗を浮かべて苦笑いした五条が汗で湿った悠仁の額を撫で赤く色ついた唇に触れるだけのキスをした。

直ぐに宿儺が五条を咎めるように睨み付ける。

 

「オイ…」

「良いでしょ、僕は悠仁のモノだもん」

「……」

 

舌を出して笑う五条に宿儺は気に入らんが小僧がそう望んでおったな、と不機嫌そうな顔をしたが仕方無し、と五条が愛しい悠仁に口付ける事を許した。

許された事で五条はゆっくり慣らすように腰を動かしながら悠仁の口内を好き勝手に貪る。五条のキスを受け止めながら襲う快感に悠仁は体を熱くさせた。

 

乱れる悠仁を更に気持ちよくさせようと宿儺は動く度にぷるんと揺れる悠仁の胸に手を伸ばした。もし男だったら俺が小僧を満足させたのに…と項に噛み付き赤い花を咲かせながら宿儺は思案した。

 

指をまた1本、見つけたら体を変えて更に小僧を満足させようと考え、早く新しい指が出向いてくるのを待った。

 

 

 

 

 

 

 

 

中途半端で終わる、これ…3Pって言えるのかな?()

◆五悠♀(宿儺が悠仁の子供の続き)

※書きたい所だけ。

 

 

 

東京から遠く離れた宮城での出張を終えて五条は急ぎで家へと帰った。

以前ならばどこか寄り道したり家へと戻らずこのまま高専へと足を運んでいたのだけれど、今はもう帰る理由が出来た。

 

ゆったり歩いていた足は焦ったように早足になってまだ玄関は先だというのにポケットから鍵を取り出し直ぐに差し込めるように準備する。

 

エレベーターを降りて視線を燻らすと玄関が見えて知らず知らず口元に笑みが広がった。

浮き立つように鍵を差し込んで回し、扉を開けると殺風景で何も置いてなかった無機質な匂いばかりが広がっていた部屋だったのと打って変わって今は生活感のある暖かい匂いと空気が五条を迎えた。

 

「ただいまー!」

「悟さんおかえりなさいー!!!」

 

玄関先には悠仁が、満面の笑みで出迎えてくれた。

 

 

 

 

悠仁ただいま〜!」

 

疲れたという思いも吹き飛ばすような笑顔に五条は嬉しそうに虎杖を抱き締めた。

 

あの後、宿儺の母である虎杖を自分の監視下に置く為という名目上で家に連れて帰った五条はせめて名前だけでも分からないと困ると唸り、何か身分証なるものはないかと聞いたら思い出したようにポケットの中から母子手帳を渡されて名前が判明したのだ。

 

虎杖悠仁(23)

それが両面宿儺の母親だった。

 

記憶喪失と言っても日常的生活に必要な事は忘れていないから家の事であれこれと教える必要がなかったのは助かった。

これでも高校生相手に先生を務めている身だが如何せん教えるというのは余り得意じゃないのだ。

まだ赤ん坊の宿儺の面倒に関してもずっと独り身だったから何も教えられる気がしなかった。けれど悠仁は自然と知っているらしくて宿儺の面倒はお手の物だ。

 

逆にこっちの方がそうやって赤ちゃんを面倒見るのか、と驚かされた。

一人暮らしが当たり前だった五条にとって突然の同居人にその子供との共同生活はストレスになるかな、と思わらたが信じられない事にストレスが溜まるよりも家で帰りを待っててくれる温かさにこれが家族というものなのかな、と安心感を覚えていた。

 

悠仁は優しくて良い子だ。

監視下に置かれていると知っている筈なのに翌日には笑顔でおはよう、と挨拶されて拍子抜けしたのは記憶に新しい。

条件反射でおはよう、と返せばふわりと微笑むその笑顔にその時は不覚にもキュンとした。

その腕の中にいる宿儺からは冷めた視線を送られたが。

 

上層部が恐る宿儺はこの前みたく、ホイホイと悠仁の中に入れる訳じゃないらしい。何か条件があるみたい、と不思議そうに首を傾げる悠仁に五条は思い当たる節があった。

宿儺の地雷は悠仁だ。だから悠仁に何か異変が起きた時が入れ替われる条件なのだろう。

だからその条件が発動されない限り、宿儺は赤ん坊のままだ。

呪いの王だけど人間の子供と同じスピードで成長するみたいだから宿儺が世を脅かすのは何十年も先の事になる。

それまでは貴方方も生きてるかどうかも分からないだろうし安心してお昼寝でもしてれば?と上に言ったのはつい最近の事だ。

 

ただ赤ん坊でも自我は持っているから此方の言ってる事は大体分かるらしいし赤子のクセして鼻で嗤う事もある。悠仁の見えない所で僕を小馬鹿にしたような表情も時々するからちょっと憎たらしい。

 

悠仁似なのに宿儺はちっとも可愛くない。

あ、でも寝てる姿は凄く可愛いよ。頬っぺがもちもちしててさ、つつくとこれがまた柔らかいンだ。加の両面宿儺とは思えないくらいで飽き足らずもちもちしちゃうとジロリと真紅の目に睨まれてしまうけど。

 

「悟さん、お腹空いた?ご飯出来てるよ」

 

食べる?と五条の腕の中から上目遣いで聞いてくる可愛い悠仁に勿論、と頷く。

結婚した事も身近に結婚したっていう知人も居ないから知らないが結婚生活っていうのはこんな感じなのかな、と五条は笑みを浮かべる。

勿論、他人と一緒に住んだ事も皆無だった。

 

五条はいつの間にか悠仁に心が傾いている事を自覚していた。

宿儺との契約で悠仁を命を懸けて護るという認識だけだったけれど悠仁と暮らし始めてからはただ約束したから護る…その認識から自ら望んで悠仁を守りたいに変わっていった。

 

それ思ってしまうくらい、悠仁の心は綺麗で透明に透き通っていた。

荒み切った欲望、醜い妬み、残虐な殺意を何十年と見てきた五条にとって悠仁の穢れのない清らかな心は初めて見るもので、こんな綺麗な人間がいるんだ、と心底感嘆した。

そんな綺麗な人間が、1000年前に人々から恐れられた両面宿儺の母親だなんて、誰が思うだろうか。

 

そんな悠仁が選んだ相手が心底羨ましかった。

もしかしたら宿儺の父親となる旦那が呪いに関係しているのか?と思って一緒に暮らし始めてから2ヵ月経った頃にさり気なく悠仁に「宿儺も父親に会いたいだろうね」と呟いてみたら悠仁から驚くような発言をしたのだ。

 

あの時の衝撃は未だに忘れられないや、あの無表情の同期でさえ目を点にしてたのだから。

 

さり気なく呟いた僕に悠仁はキョトンと不思議そうな顔をして「え?宿儺に父親はいないよ?赤ちゃんって自然に神様から授かるものでしょう?」って言ったのだ。

まさか、男女の情緒に関して無知だった悠仁を無理矢理抱いたのか?!と見知らぬ旦那たる者に憤りを覚えたけれどセクハラを承知で確認したよね。

 

「セックスして宿儺出来たンでしょ…?」とオブラートに包まず直球で聞いた僕にえ?!何で?!!と紅くなりながら驚いた悠仁にこっちの方が驚いた。

セックスせず子供は出来るのだっけ、と直ぐに硝子に電話をしたのは言うまでもない。セクハラだぞ、と冷たい声で言われたが事の成り行きを話せば納得してくれたのが不幸中の幸いだ。解剖されずに済んで良かった。

 

まぁ、厳密に言えば科学的に有り得ない。

だけど悠仁が産んだのは宿儺だ。何一つ不思議な事ではないらしい。どうやって宿儺を身篭ったのかは記憶喪失の悠仁も知らぬままだからなんとも言えないけれど、受精せずに産んだのは確かみたいだ。

驚きの余り宿儺に本当なの?!と聞いてしまった後に赤ん坊相手に何を聞いてんだ、と我に返る。その時の宿儺の顔が呆れたような顔して抱っこしてた悠仁の胸にぽふっと顔を寄せ服をぎゅっと紅葉の小さな手で握り締めたのだ。

 

ー誰にも触れさせる訳がなかろうー

 

宿儺の目は間違いなくそう言っていた。

どうやら宿儺の持つ呪術で意図的に悠仁の腹から産まれたのだと予想が出来た。そうなると宿儺は産まれる以前から悠仁を知っていた事になるけどそれは今は大した問題ではないし知った所で今更どうこう出来る訳がないから既に頭の隅へ追いやった。

 

困った事にあの時に頭の中に占めているのは、

 

悠仁は、未だ処女。

 

子供を産みながらまさかの処女?

え、悠仁聖母マリア様だったの?産んだのは極悪の宿儺でイエス・キリストじゃないけど?

こんな可愛い子がまだ穢れを知らないと知った時の動揺は隠せなかったと思うし悠仁にも大丈夫?と凄く心配されてしまった。

あの時の心配してくれて不安そうな表情も可愛かった。

 

現金なもので悠仁が誰の手にも触れられていないと知った途端にこれからも誰にも触れさせない、僕だけの悠仁だ。と強く思ってしまっていた。

かなり独占欲が強かったみたいだと知ったのは新しい発見だった。

 

それから子供にはやっぱり父親は必要だし、唯一悠仁を守れる僕が父親になれば良いじゃん?と開き直り悠仁口説き落とす事に決めたのだ。

憎たらしいけど宿儺も可愛く見てきたしね!

 

 

 

悠仁はホント、可愛いね」

 

靴を脱ぐ五条の荷物を持ちながら五条が居ない間の話を話す悠仁の顔を見下ろしながら甘い表情で五条は囁いた。

それに悠仁は話す口を閉じて目元を紅く染める。

 

「…悟さん、慣れないからそれ止めて」

 

ふいっ、と照れて視線を逸らす悠仁に靴を脱ぎ置いた五条が近寄りその頬を撫でた。ピクリと反応しておずおずと悠仁が視線を五条に戻せばその顔は嬉しそうに口元に笑みを浮かべている。

 

「可愛いよ。悠仁が慣れるようになるまで、慣れてからも何度でも言うよ」

 

うっとりするような声音で言われて悠仁の顔は赤くなって耳までも染めた。もぅ…!と胸元をぽこっと叩かれたがそれは痛くも痒くもなく、五条の機嫌を上がらせるだけだった。

 

「ご飯!食べよう!」

「うん、悠仁のご飯楽しみだなぁ」

 

照れ隠しで言葉を区切って叫ぶ悠仁に可愛いなぁ、と見つめながら背を向けリビングの方へ向かう小さな背中を追い掛ける。

軽薄な性格だと自覚してるけど、悠仁に関しては軽薄になるよりも重くなるばかりだ。

 

リビングのソファに僕の荷物を置く悠仁を見やってから周りをチラッと見渡す。1人、見当たらない。

 

「宿儺は?」

「ん。悟さんの古文の本を読んでるよ」

「え?あの子まだ赤ん坊でしょ…」

 

いつもなら悠仁が抱えて一緒に出迎えてくれるのだがどうやら今は絵本代わりの古文書を読書中だったらしい。

だけどもうちょっとこう、子供らしい本を読んでくれないだろうか…難しい単語ばかりが羅列する古文を読む赤ん坊ってちょっと怖い。余りにも早熟過ぎて吃驚してしまう。

 

悠仁も難しい単語は分からないし読んで教えられないからと可愛らしい絵の絵本を宿儺に見せた事あるが見向きさえしなかったらしくて今では諦めて宿儺の目に止まった本を捲れない代わりにページを捲って上げてるみたいだった。

 

「ご飯の用意してくるねー」

「お願い〜。宿儺は僕が見てるよ」

 

ありがとう!と嬉しそうに笑って悠仁はキッチンの方へとパタパタ走って行った。

目隠しを外し代わりにサングラスを掛けると書斎の方へ足を向ける。まだ赤ん坊だろうが呪いの王である両面宿儺には変わりはないと、悠仁の周りは宿儺を恐れて近付きもしない。

 

化け物を見るような目で愛しい我が子を見られて悠仁は酷く気にしているらしいが最強の僕からしたら今の宿儺は脅威にもならないし悠仁の子供だし案外可愛いもんだよ。

 

眠っていた宿儺の頭を撫でて宿儺は悠仁似で可愛いね、と言ったら琥珀の目からポロポロと涙を溢れさせて心底嬉しそうにありがとう嬉しい、と悠仁ははにかんで笑った。

あの時の笑顔がまた見られるのなら僕は喜んで宿儺の面倒を見るさ。悠仁から好かれようとしてる魂胆は宿儺にはバレてるだろうけど宿儺も悠仁の笑顔を守りたいだろうし大人しく僕の世話を受けてくれる。

 

「宿儺〜、ただいま帰ってきたよ」

 

書斎の扉を開けると悠仁と宿儺が暮らすようになってから引かれた暖房付きカーペットの上にうつ伏せになって古文を読んでいる宿儺がそこにいた。

やっぱり想像した通り赤ん坊が古文書を読んでいる絵はシュールで怖いな。まぁ、笑えちゃうけどw

 

宿儺に近付くとパッチリとした真紅の大きな目が僕を見上げ帰ってきたか。とでも言うようにフン、と鼻で笑った。

憎たらしいその表情も見慣れたものだから逆に可愛く見えてきてあれ、父性目覚めてきた?と宿儺の前に腰を下ろし頭の隅で思った。

 

「あー、あぅー」

「んー?次のページ捲れって?」

 

ぺちぺちっ、と小さな手で本の書面を叩く宿儺にもしかして続き読みたいの?と問い掛ければ早く捲れと声を上げる。

続きを読ませてあげたいのは山々だけど、もう時間切れかなー。とうつ伏せになっていた宿儺をひょいっと抱き上げた。

まだ不安だから首をしっかり支えてから立ち上がる。初めの頃はどうやって抱き上げれば良いか分からなかったからおっかなびっくりだったけど今ではもう手馴れたものだ。

 

「夕飯の時間だからこれを読むのはまた今度ね、悠仁の所に行こうか」

 

ご飯と聞いて渋々しょうがないな、と宿儺は名残惜しそうに古文書を見てから五条の服をきゅっと握った。

その行動は宿儺の意志とは関係なく赤ちゃんの本能みたいなもので触れられるものは何でも握るし何でも口に入れようとしてしまうから悠仁はたまに大騒ぎしてる。

 

意志に反して動いてしまうらしいから宿儺はその度にみ"にゅっと顔を顰めてみるがその顔は不覚にも笑えるくらいに可愛いから暫くはそのままで居て欲しいと願っている。

 

「ん?」

 

立ち上がった時、五条の鼻を甘い匂いが擽った。

宿儺の丸い頬に顔を寄せればその甘い匂いの正体に気が付いた。

 

「宿儺、お風呂入れて貰ったばかりなんだね。いい匂い」

 

赤ん坊特有のミルクの匂いと、ふんわり香るフローラルの石鹸の香りが宿儺から香っていて五条はクンッと宿儺の頬に鼻を寄せる。

するとサングラスの縁が当たって気に入らなかったのか宿儺の手が邪魔だと言わんばかりにサングラスを掴み五条の耳から外してしまった。

 

「宿儺〜、サングラス外しちゃダメだよ」

 

嗜めるが五条はくすくす笑って宿儺の手からサングラスを取り返す素振りもなく好きに遊ばせる。

 

「悟さん、まるでお父さんみたいだね」

 

書斎から出てきた五条と宿儺の姿にテーブルに今日の夕飯のオムライス、ポテトサラダにオニオンスープを並べた悠仁が微笑ましそうに2人を見つめる。

悠仁の発言はその時に思った何気ない一言だろうけど五条にとっては願ったり叶ったりの嬉しい言葉だ。

 

「そろそろ周りにもちゃんと言わないとね」

 

何を?と不思議そうに宿儺を抱えたまま椅子に座った五条に箸を手渡しながら悠仁が首を傾げた。

箸を受け取り悠仁に笑いかけながら五条は宿儺を膝に座らせて落ちないように片手で支える。

 

「僕達の事を」

「え?」

 

悟さんとの事…?どういう意味?と目を見開く悠仁の手を一旦箸を置いた手で握る。え、と目を瞬かせる琥珀を見つめながら五条は飛び切りの笑みを浮かべて告げた。

 

「今度ちゃんとプロポーズするから覚悟しといてね悠仁

 

告げた瞬間、悠仁は大きく目を見開いて顔を紅く染め固まった。

腕の中の宿儺が呆れたように五条を見上げたが五条は既に気付いていたでしょ?とニッと笑い掛けるだけだった。

 

 

 

……To be continued

◆五悠♀(※宿儺が悠仁の子供)

 

 

五条がそこに到着した時には今回の目的である人が一級や準一級呪術師たちに逃げ道を塞ぐように囲まれていた。

 

歌姫が五条に気付き遅いわよ、と視線だけで睨み付けた。

ごめんごめん、と手を振って五条は件の人…囲まれている女性に視線を向けた。

 

白のノースリーブのパーカーに膝までのジンズが汚れていた。

対戦した際に肌のあちこちに出来たかすり傷から血が滲み肌を赤く染めていた。

栗色と黒の短髪の女性で、年齢は二十歳くらいだろうか。取り囲む呪術師たちを睨み付ける琥珀は凛としていた。

 

「あの女性が…?」

 

五条はその女性を見て首を傾げた。

どう見てもただの一般人に見えるのに。

 

【両面宿儺】が目覚めた。

 

そう上から連絡を受けたからこそ五条はここに来た。

特級呪物に対抗出来る現代の呪術師は五条以外に存在しない。真っ先に連絡を受けたがその時には五条は別件で仕事していたから遅れて到着した。

どれくらいの被害が及ぶのか予測不可能の為、直ぐにでも領域展開するつもりでいたが仲間の呪術師達が囲んでいるのはただの一般人ではないか、疑問に思った次の瞬間に五条は直ぐに理解した。

 

【両面宿儺】は女の方じゃない。

腕の中にいる子供の方が【両面宿儺】なのだと、分かった。

子供から発せられる禍々しい空気がどす黒いオーラを漂わせていた。

 

 

 

 

「…アンタ達、一体何だよっ」

 

ぎゅっと眠る子供を抱き締めて奪わせるものかと、女がジリジリと後退り武器を構える者達を睨み付ける。

 

「その子どもを寄越しなさい!」

 

ビッ!と歌姫が薙刀を女に向ければ女は渡さない!と歌姫を強く睨み付ける。いきなり知らない人間に囲まれて問答無用で武器を向けられ、そんな事を言われてはいどうぞ、と渡す筈がないのが普通の反応だ。

 

あの女は【両面宿儺】の何だ?

五条は構えもせずに首を傾げる。

 

「猿が手こずらせるね」

「傑」

 

スっと先に来ていた五条の親友、夏油傑が前に出てあっという間に女の間合いに入り細い腕からスヤスヤ眠っていた子供を奪い取る。

 

「っ!!?す、くなぁ!!」

 

奪い返そうとした女から距離を取り夏油はまるで汚物を見るような目で子供を見下ろし表情を歪める。触るのも汚らわしいと舌打ちしている。

女が悲痛な叫びで手を伸ばすのに、五条は女が叫んだ【両面宿儺】の名前がそのままな事に目を細めた。

 

「忌々しい存在が…目覚める前に殺してしまおう」

「待て傑!」

 

夏油が懐から呪具の短刀を取り出し子供の首に当てがうと嫌な予感を感じた五条は夏油に制止するよう声を上げた。

短刀が子供に当てられたのを見て女は琥珀の目を大きく見開いた。

 

「や、やめろ…すくなぁー!!!」

 

琥珀の目から一滴の涙が零れ落ちた瞬間、ずっと眠っていた子供がぱちりと目を開いた。

一瞬にして辺りを息が詰まるような呪力が充満して呪術師達が冷や汗をかいて固まった。嫌な予感が当たった。

小さな深紅の目がきょろりと周りを見渡し己を抱いている夏油にひたりと視線が止まったその時、先程出来た傷かと思われた傷跡が開いた。

 

深紅の眼が4つ。

 

視線が射抜いた途端自分に向けられた殺意の呪力に驚いた夏油が思わず腕の力を緩めてしまうと子供が重力に従って落下しそうになった。

あ、と思ったが突風が巻き起こったかと思うような風が夏油の前を過ぎる。落下するかと思った子供は、先程とは違う場所にいた筈の女の腕の中に戻っていた。

いつの間に、そう驚く周りが座喚くと女が顔を上げた。

 

「な……」

「宿儺の器…?!!」

 

顔を上げた女の琥珀の目が深紅に変わっていた。目の下に子供と同じように2つ目が開いていた。そしてズズズッ…と顔に浮かび上がって広がる紅い模様。

 

額の模様が完全に浮かび上がってボンヤリしていた目が1度その目を閉じた。そして再び目を開いた瞬間、肌を刺した呪力が膨れ上がって空を黒く染めた。

流石は呪いの王、女の姿であろうとそこに存在するだけで威風辺りを払っている。

重々しい呪力に押し潰されそうになった経験が余りない呪術師達が怖気付いていた。

 

「…泣かしたな、コイツを」

 

地を這うような声音で女が冷たい視線で夏油を睨み付け、お腹に指を添えると心臓の上に掛けて指をゆっくり這わせた。

 

「そ…んな、両面宿儺は子供の方じゃ…!?」

「いや!子供の方で間違いはない、目が4つ開いた!」

 

動揺する呪術師たちを見渡し、女はせせら笑う。

片手で抱いている子供を抱え直し頬を寄せて口元に笑みを浮かべたまま呪術師の疑問に答えてやった。

 

「そう、如何にも両面宿儺はこの赤子。だがこの体の持ち主は苟も俺の母、この腹から産まれ出た故に体を乗っ取る等…容易いこと」

 

ニヤりと笑ったその顔が歪む。

母親、そうか。母親だったのか…!!

 

五条は女と子供に感じていた違和感についてやっと納得した。

そして子供…両面宿儺の地雷が母親だった事も理解して動けず立ち尽くす仲間の前に出た。

 

「ん?何だ、オマエ」

「五条悟。現世で唯一両面宿儺に対抗出来る特級呪術師だよ。初めましてかな、両面宿儺」

「ほぅ…?」

 

面白そうに女が首を傾げた。

して、どうするつもりだ?と五条の出方を見物するように女が五条をじっと見つめる。

 

どうもこうもしないよ…。

五条は溜息を吐きたいのをグッと堪えた。確かに五条は唯一宿儺に対抗出来る程の力を持っているがだからって憾むらくにパパっと宿儺を祓える訳ではない。

宿儺の持つ呪術の力は凄まじく異彩を放っているのだ。今ここで衝突しょうものなら被害なんて街ひとつで済む筈がない。領域を展開しょうがそれでも及ぶ被害はある。

 

宿儺が目覚める前に祓う、そう規定により定められていた。

だから連絡を受けた時点でまだ何も出来ない子供を祓うつもりだったのに宿儺が母親に受肉出来ている状況で祓うなんて到底無理な話だ。

 

印を結べるのと結べないとじゃ、力量が変わる。

母親に受肉している宿儺は自由自在に印を結べて呪術を繰り出せるって事だ。今ここにいる五条以外の呪術師たちがまだ生きている事が不思議で、しかし幸いだ。

 

「君にも、その母親にも何もしないよ」

 

そう五条が口にすると周りが目を見開く。

歌姫が重い体を何とか動かして五条の胸ぐらを掴んで詰め寄った。

 

「ちょっと五条?!両面宿儺を前にして何言ってるのよ!!今ここで祓わないとどれだけの被害が…!!」

「歌姫。今は無理だよ」

 

分かるだろ?と言外に含めて五条が言えば歌姫はグッと悔しそうに唇を噛み締めた。

そう、ここで宿儺と正面から殺り合っても勝算は低い。そんな確率もないのに呪いの王に挑むなんて鳥滸な沙汰だ。

傍から見れば人数はこっちが勝っていても力量や呪術式を比べたら窮地に陥っているのはこっちなのだ。

 

「ククッ…ならば如何様にする?」

 

喉を震わせて笑みを零した母親の体に居る宿儺が近場にあった大きな石に腰を下ろし腕の中の子供をあやす様に腕を揺らす。

たったのそれだけの動きだけでも辺りに緊張感が走り空気が張り詰める。

そんな空気を意にも介せず宿儺はスっと足を組む。

 

「…君が何もせず大人しくしてくれるのなら、ある程度君の要望を聞こう」

「成程。緩急宜しきを得る決断だな」

 

存外話の分かる男で驚いたぞ。と嗤う顔に五条は肩を竦めてみせた。

 

「ここで仲間を無意味に殺される訳にはいかないからね。これ以上呪術師が減るのは本当に困るんだよ」

 

君たち呪いに寄る被害は増す一方だしそれに駆り出された呪術師達が無事に帰って来れる確率は高くはない。

結構呪術界隈も厳しいンだよ?それなのにここで君の討伐で全力を出して死んでしまったら僕が上からグチグチ言われるに決まってるじゃん、イヤだよ。面倒くさい。

 

最終的には愚痴になってしまっている五条の話に宿儺は呆れたように失笑したがそうさな、と頷いた。

 

「今すぐこの世を血の海に変えよう等と思ってはおらん。故に何もする気はない。俺の体もまだ話せぬ赤子のままだしな」

 

赤子の頬を優しく撫でて宿儺は眼差しを柔らかくしたかのように見えた。五条がじゃあ、此方の要求は…と口にすれば深紅の目が五条を射抜き、良かろう。と認容した。

 

「俺の要望は一つ、」

 

この契約が破ぶられた暁にはオマエ達呪術師含め、この世の半分の人間共には塵となって消えて貰う。その事を努努忘れるなよ。

 

艶美な笑みを浮かべて五条の要求を容認した宿儺だったが、約束が守れなかった場合に起こるとされる言葉の内容は肝が冷えてしまうような恐ろしいものだった。

 

「約束は守るよ」

 

五条は頷き、命を持って約束は守ると誓った。

宿儺の畏れに動けず異論など出来なかった周りの呪術師達は固唾を飲んで契約が結ばれたのを見つめるしかなった。

 

斯くして、五条と宿儺の間に契約が交わされてその場は丸く収まったのであった。

 

 

 

 

**

 

「さて、と…」

 

1時間も経ってないのに何だが何週間も労働したような疲れを感じてしまった、と五条は体を伸ばし視線を下ろした。

 

「君の名前は?」

 

石に腰を下ろしたまま所在なさげに子供の中に戻った宿儺を抱き締めながら母親の女性がチラッと上目遣いで五条を見上げた。

契約が成され、宿儺は釘を刺してから母親から出て行った。

宿儺に体を支配されてても驚く事に意識は合ったのか深紅の眼が閉じて次に琥珀の眼が開かれるとそのまま逃げ出すような動きはなかった。

 

ただ安心はまだ出来ないのか宿儺を隠すように自分に抱き寄せ五条の動きを注意深く見つめて警戒している。

さっきまで取り囲んでいたし警戒させてしまったのは仕方ないか、と五条はニコリと笑って再度問う。

 

「僕は五条悟。君は?」

「………?」

 

問い掛けても母親は首を傾げるだけだった。

え、まさか自分の名前知らないとかじゃないよね?五条は軽く目を見張る。

 

「…もしかして、分からない?」

 

恐る恐る問うと母親は泣きそうな表情をした。

待って、泣いたらまた宿儺出て来ちゃうンじゃないのか?と僅かに焦ったが母親は小さく頷き、俯いた。

 

「…分からない、覚えてない」

 

まさかの記憶喪失。

あっちゃー…と額に手をやった五条。宿儺が自分の子供だけはどうやら覚えているらしい。それが不思議でならなかったが記憶を失っているもんだから今あれこれ聞いてもしょうがない。

 

自分の事も分からず唯一覚えている宿儺を奪われ殺されそうになって凄く不安だろうに、母親だからと宿儺を必死に守ろうとする姿はいじらしい。

五条は母親に近付き、地面に膝を着いて低くなった目線で視線を合わせる。

 

「大丈夫。君を絶対に守るから」

 

僕の所でゆっくり記憶を取り戻せば良い、まだ安心出来ないだろうけど約束は必ず守る。

そう五条が伝えて手を差し伸べると母親は目を細めて確かめるように五条をじっと見つめた。

目隠ししてるから目は見えてない筈なのに琥珀の目と交差する。見つめる目が澄んでいてキラキラ光っているように見えて五条は目を奪われた。

 

「…ありがとう」

 

五条の言葉に嘘偽りがないと納得した母親はふわり、と笑って五条の差し出した手にそっと手を重ねた。

その笑顔を目の当たりにして五条は心臓の辺りにチクリと何かが刺さったのを感じて重ねられた小さな手を握った。

 

 

 

◆宿虎(短編)

悠仁が不死身になった話。

 

 

 

 

 

また今日も、同じ事の繰り返し。

何度巡ればいいのだろうか、宿儺と何度堕ちただろうか。

 

自分の手を握り締めてくれる同じ体が元の筈なのに大きく感じる手を見下ろして悠仁は思考に陥った。

 

「小僧」

「…なに、宿儺」

「飽いたか」

 

その問い掛けは宿儺にしては珍しくて、思わずその顔を凝視してしまう。けれど宿儺は至って真面目らしくじっと見返してきた。

ならばこっちも真剣に答えようと首を左右に振った。

 

「違う。ただ俺とお前の事を覚えてくれる人が居ないのがちょっと寂しいなぁって思っただけ」

 

悠仁と宿儺は一心同体。

悠仁は宿儺の考えていることは全ては分からないが宿儺は悠仁が何を考えているのか、裡に居るから分かる。

 

寂しげなその心に、だから問い掛けた。

 

もう、悠仁を知っている者はこの世には居ない。

みんな、悠仁よりも先に逝ってしまった。それは普通の死であり呪術師という生業にも関わらずみんな寿命を全うして逝った。正しい死だった。

 

だから悠仁は悲しい思いはない。

覚えている人が居なくても、傍らには大事な半身が居るから。

 

ただたまに、ふとした瞬間に思い出して懐かしくなって寂しくなってしまうのだ。騒がしくも愛しいあの頃が。

 

「…会いたいのだな」

「ん…でもお前が居るから、全然辛くないよ」

 

宿儺の懐に懐けば直ぐに背中に回る腕が愛おしい。

昔はあんなに散々殺しあったのに。

それが可笑しくて悠仁はくすりと笑みを零した。

 

訝し気に見下ろす緋色に何でもないと言って頬に口付けを一つ、捧げた。

 

それに、悠仁を覚えているあの頃のみんなはもう居ないけど…守りたい人達は居るのだ。

 

 

「いたどりー!!」

「オイ、ひっぱるな」

「コラコラ〜、ケンカしないのー」

 

公園の木の下で身を寄せ合っていた悠仁と宿儺の所へ、手を繋ぎながら駆けてくる小さな女の子と男の子。

そして、その2人の子供の後をゆったりした足取りで追い掛けるサングラスを掛けた白髪の高校生くらいの少年。

 

3人の姿を見つめる悠仁の顔はホントに嬉しそうに微笑んでいて宿儺はふっ…と笑みを浮かべた。

 

 

END

 

◆五悠(R15)

 

 

 

「こ、れは…どういう状況…?」

 

高専の隠された地下室。

そこで軟禁され、寝泊まりしていた虎杖は真っ暗な部屋の中、己の体を跨って見下ろしてくる黒い布で表情が窺い知れない顔を見上げる。

先程まで深い眠りについていたのだけど夜の気配と、シーツの擦れる音に覚醒して目を開ければ自分に覆い被さる大きな黒い影。

生きている事を知っている人間は限られているからここにこんな遅くに訪れるのは一人しか居ない。

 

両手はキツく大きな手によって布団に縫い付けられてピクリとも動かず困惑したようにその目を揺らした。

 

「夜這いしに来た」

 

どうにか拘束する手を外せないかな、と腕を動かしてる虎杖を見下ろして五条は感情のない声音でしかしハッキリと虎杖の目を見て告げた。

 

その言葉の内容に虎杖は目を見開いた。

もしかしたら、五条は寝惚けているのかそれとも酔っ払っているのかもしれないと思った。

 

「先生、相手間違えているよ?」

 

俺、悠仁だよ?

とまるで子供を諭すかのように柔らかい声で五条を見つめるが寝惚けているにしては力強い手に頭のどこかで警戒音が聞こえる。

 

悠仁

 

僕は寝惚けていない。況してや相手も間違えていないよ。と無情にも五条は薄い唇に笑みを乗せた。

その声音はだだを捏ねる子供に言い聞かせるような口振りだった。

 

「ここに、」

 

両手を拘束していた片手を解き、その片手で虎杖の寝返りの時に乱れたのか綺麗に割れたお腹が覗く臍の下に指を滑らせれば虎杖はビクリと震える。

 

「僕のを突っ込んでぐちゃぐちゃに掻き回す」

「ッッ…!!」

 

衝撃的なその言葉に虎杖はカッと頬が熱くなって紅くなるのを自覚した。頭が言葉を理解すると同時にそのイメージが頭の中に浮かび上がってきたのだ。

恋愛対象は女性だ。男ではないし、今まで男をそんな目で見たことなんてない。なのに勝手に浮かび上がったイメージに虎杖は慌ててそれを振り払った。

 

「な、んで…」

 

動揺する虎杖に五条は臍と下生えギリギリを指で上下に撫で這わせながら何故と聞く悠仁に答えた。

 

「僕はさ、本来我慢はしないタイプなんだ。けど悠仁に関する事なら我慢はするさ。大人だしね」

 

だけど、悠仁の事はもう我慢しない。

 

「だから悠仁を全部僕に頂戴」

 

僕を奥に受け入れて。とゾクリとする程真剣なその雰囲気に虎杖はもう何が何だかと混乱する。1つだけ言えるのは、五条にそんな事を言われても何一つ嫌悪を感じる事はないだけだ。

 

「ま、待ってよ…先生…」

「無理」

 

ぐっ、と五条が腰を押し付けると太ももに大きく硬くなっているモノが当たり虎杖はひっ!と短い悲鳴を上げた。

今にも食らい付いてきそうな五条に虎杖は弱々しく頭を左右に振り、解放された片手で五条の胸を押すがやはりビクリともしなくて虎杖は焦る。

 

「本当にっ…か、考えるから…先生との事…」

 

だからいきなりは止めて、と切ない表情で懇願すればそこは五条も思う所があったのか少しの沈黙の後に分かった、と頷いた。

ホッとしたのも束の間で虎杖はまた五条の言葉に驚き目を見開いた。

 

「明日までに返事を頂戴ね」

「は?明日…?!!」

 

思わずガバッと半身を起こせばニコりと効果音が付きそうな笑顔で五条は当然でしょ?と笑う。

 

「言ったよね、僕は悠仁の事は我慢しないって」

 

固まる虎杖を抱き締め、だから今夜は何もしないけどこのまま一緒に寝ようね、この一晩でよく考えて。と性急な要求に虎杖は目を点にするしかなかった。

 

 

 

 

 

抱き締められたまま、横になっているがこんな状況で眠れる訳がない。先程五条との事を考えろと言われたばかりだしその本人と一緒に眠るなんて到底出来る訳がないじゃないか。

 

騒ぐ心臓に固く身動き出来ずにいる虎杖に何を思ったのか五条が徐に未だ硬いままのモノを押し付けた。

 

「先生…?!」

 

さっき何もしないって言ったじゃん!と五条の腕から抜け出そうとすれば虎杖を抱き締める腕に力が加わって虎杖を逃がさない。焦る虎杖に五条は吐息だけで笑うと顔を寄せて目元を紅く染めた大きな目をじっくりと見つめる。

 

悠仁からは目隠しで見えないけれどその目が愉しそうに弧を描いているのが知れた。

 

「何もしないけどさ、これ一人で抜くのって寂しくない?」

 

このままなのは男として凄くツラいって分かるでしょ。だから悠仁が抜いて?と首を傾げる大の大人に虎杖は戦慄く。

一気に進め過ぎじゃないだろうか、それは。

 

「む、り…」

 

そんなこと、出来ない。

だって自分だって余り自慰行為をしたことなかったのにそれも他人のを、況してや担任の一物を頑張って扱ってられる自信はない。

性について興味がないと言ったら嘘になるが淡白な方だと自覚している。

 

出来ない、と首を振れば五条は悠仁の手を掴み硬くなっている自身へと導いて触れさせる。

ビクリと身体を震わせた虎杖は反射的に手を引こうとしたけれど五条がそれを許さず、掌にドクドクッと脈打つ大きなモノに目を見開いて羞恥の余り涙が滲んで潤ませた。

 

悠仁の事、考えているだけでこんなになるんだよ?」

 

小さく震える手をゆっくり上下に動かすように誘導しながらどんなに昂っているのかを分からせる。

パンツの上からだし快感とは程遠いものだけど悠仁の手がそこに触れていると思うだけで五条は息を熱くさせる。

 

はぁ…っ、とうっとりしたような五条の声に虎杖は顔を五条に向ける。汗はかいてないが虎杖の手が動く度にゴクリと喉仏が上下に動いて息を吐くのに次第に虎杖の思考も鈍っていく。

 

「せ、んせ…」

 

いつの間にか虎杖を誘導していた五条の手は離れていてぼんやりしたままの虎杖が自ら五条のモノを上下に撫でていた。

まるで夢心地のような気分で五条を見上げれば嬉しそうに微笑んでいた。

 

そんな五条の顔を見ただけできゅん、とこっちも嬉しくなり手を忙しなく動かせば覚束無い手付きでもイイのか五条の口端がピクリと反応した。

 

「は、っ…悠仁…」

 

気持ち良さそうに息を僅かに乱す五条が虎杖の耳裏に鼻を突っ込むとスンスンと僅かな汗と太陽の匂いを嗅ぎ齧り付きたいのを我慢して舌を這わせると強く吸い付く。

 

「ひっ!や、そこ…!」

 

体をゾワゾワと這い上がる何かに虎杖が体を跳ねさせて五条を撫でていた手が止まる。耳の後ろから顔を離すと五条は妖しい雰囲気に呑まれて表情を変えつつある虎杖の耳元にここには二人しか居ないのに秘密を教えるようにそっと囁いた。

 

「ね、悠仁。直に触って」

 

ふるり、と震えて虎杖は五条を見つめる。

大きなその目は潤んでいて奥を覗き込めば熱く燃えていた。嫌悪なんて1つも見受けられず五条はうっそりと笑みを浮かべる。

 

ジッパー下ろして、と言えば拙い動きで虎杖は言われた通りに金具を指で摘むとジジジッ…とジッパーを下に引き下ろす。その音だけで心臓が忙しなく動き頭の中にモヤが掛かる。

いい子、と五条が汗ばむ額にキスすればンっ、と甘い声が上がる。

完全に下ろすと、今度は取り出して触って。さっきみたいに可愛がってよ。と口にすれば躊躇するようにその目が揺らいだ。

 

悠仁

 

躊躇うその目に一言名前を呼べば息を詰めて恥じらうようにその目をそっと伏せる。

その一連の表情を見下ろして穢れの知らない花を食い散らかしているような錯覚を覚えて五条は優越に震える。

けれどそうだ、この子はまだ15歳なのだ。まだ蕾で花を咲かせるにはまだ程遠い。けれど花を咲かせるまで待てるつもりはない。待っている間に大事な蕾を咲かせる前にまた奪われてたまるか。

 

ならば蕾のまま食って、己の腹の中で花を咲かせる。

 

 

悠仁、触って」

「…ごじょうせ、んせ…」

 

躊躇していたその目がトロリと蕩けて綻ぶ。

下着の中で窮屈に収まっていたモノを恐る恐るゴムの所を指で伸ばし五条の手よりも小さな手がそれに触れた。

ドクドクと脈打ち、筋を浮かばせて触れる度にピクンっと反応して手の中で更に大きくなるのに虎杖は目端に溜まった涙を頬に滑らせる。

 

指を滑べらせれば先っぽから流れる先走りがにちゃっ…と虎杖の手を濡らした。いやらしい音にびくりと肩を震わせてしかし手は止まらない。

まるで催眠に掛かったかのように手を離すことが出来ない。それは五条がフーッ、フーッ、と獣のように気持ち良さそうに唸っている所為もある。けれど一番の理由はいつも余裕な五条が浮かべるその表情を見ていると虎杖までドキドキしてもっと見ていたくなるのだ。

 

「ぁッ…先生、」

 

五条を見つめていたらモジモジと膝を擦り合わせたらいつの間にか自分のモノも首を擡げ硬く勃ち上がっていた事に気付く。

それに虎杖が目を見開けば五条も気付いたのか、嬉しそうな声を上げた。

 

「僕の触って、感じちゃったんだ?」

 

その事実を口にされて恥ずかしくて虎杖は泣きそうに顔を歪めた。あぁ、泣かないで悠仁。五条は虎杖の涙が溢れる目端にキスを落として涙を吸い取り嬉しいよ、と伝える。

 

悠仁も一緒に気持ちよくなろう」

 

喜色ばんだ声音で五条は囁き、虎杖のスウエットに手を掛けた。

 

 

 

END

 

 

 

多分、続く

 

 

◆悠仁嫌われ(宿虎っぽいかも)※更新

※大体の大雑把な流れだけです。

※後々直しとか書き足す事もあります。

※私情とかもたまにあります。泣きながら書いてるのでテンポ早いし情緒不安定。

 

 

 

 

 

呪術高専に来る前は普通だった。

だけど宿儺の指を食べたあの時に悠仁は人として、見られなくなってしまった。

 

呪霊に関しては酷い嫌悪感を抱く伏黒。

先輩たちを助ける所までは普通に話せてたし巻き込まないようにと気を使ってくれてたり、とまだ良かった。

だけど呪霊の強さがまだ伏黒には到底倒せなくて苦戦し、悠仁は宿儺の指を食べて呪霊を祓う。

 

そこから伏黒は悠仁を人として見なくなった。

大切な人を呪霊に殺されてしまったのにわざわざ呪物を取り込んだ悠仁に嫌悪感丸出しで睨みつけ、呪霊として殺す。と言われる。

 

そこに五条先生登場。

悠仁が宿儺の指を食べたと知り、「あー…一般人が余計な事をしてくれちゃったね…」と溜息を吐く。

普通ならここで殺す展開だろうけど先生は宿儺に乗っ取られない稀な存在として悠仁高専に連れて行き、上層部から早く殺せと言われたが宿儺の指を全て食わせてから殺せば良いじゃない?と持ちかける。ここは原作通り。

 

そして悠仁の秘匿死刑が決まり悠仁は正式に呪術高専へ。

隣の部屋は伏黒だけどそれは監視の意味。物音を立てると伏黒が壁をドンっ!とするので悠仁自室では息を潜めるように過ごしている。

嫌われても余り気にしない悠仁だったけどあからさまに嫌悪感丸出しの蔑んだ目には慣れてなくて戸惑ってどうしたら良いか分からず大人しくしている。

 

ここまでで伏黒、五条先生と誰も悠仁を歓迎していない。

だけど裡に居る宿儺は違った。

悠仁に取り込まれたあの時に宿儺は「これはまた奇怪な事になったなぁ…またお前に喰われるとはな?」と領域内で悠仁は宿儺と対面。

 

ここは別の世界線で宿儺は悠仁が呪術師として最強になった時の頃から知っているという設定。(宿儺だけ別の世界線で時を遡っただけ)

だからその時に悠仁とは和解(?)しており、嫌われているこの世界線では悠仁の唯一の味方。

 

だから皆から人として見られなくて落ち込む悠仁に「気にする事は無い、人間というのはあんなモノだ。簡単に心を汚す」と悠仁を慰める。スパダリ宿儺さまです。

悠仁の事が大好きな世界線を知ってる宿儺だから五条先生のあの態度や推してた伏黒の悠仁に対する目付きに憤りを感じる。

野薔薇は会った時に微妙な雰囲気を感じ取り、面倒になりたくないとただ傍観しているだけ。見て見ぬふりはツラい。

 

だから宿儺は少年院に送り込まれて特級呪霊と相対し、野薔薇が拐われたのに伏黒は悠仁見捨てて野薔薇探しに行き悠仁が2人の元へ行かせまいと足止めして腕を取られた瞬間悠仁と変わって難なく特級呪霊を祓う。

このまま悠仁の心が壊れる前に連れ去ってしまうか、と伏黒を虐めてから目の前で心臓抉ってお前たちを助ける為にあんな雑魚に腕を取られたコイツの気持ちも知らないくせに人間は本当に愚か者だ。「これがお前たちの望みなのであろう?」とニヤりと笑った。

 

「あ〜ぁ、宿儺の指を見つけてから死刑になって貰おうと思ったのに宿儺の指を取り込んでても所詮はただの人か」と残念がる五条先生にその言葉が聴こえてた宿儺はハァ?俺の小僧がただの人だと?この野郎、罪悪感で死にたくなるまで後悔させてやろうか。と生得領域で悠仁を抱き締めながら五条悟コロス。と固く誓った。

悠仁にお前を連れて逝くのはまだ早かったみたいのようだ。なぁに、お前は強いからな。アレしきの嫌がらせは気にせんで良い良い。辛くなったのならば俺を呼べ、な?とまるきり甘い。

 

宿儺さまのおかげで私の心もなんとか救われた…!

 

生き返った悠仁に周りは更に気味悪がる。

死亡と上に報告してあるから五条先生は「また面倒な事を…もう上に報告しちゃったじゃん」と冷たい声で悠仁を睨む。

ヘラヘラして巫山戯た雰囲気はないから最強の殺気が肌を刺して痛いし怖くて悠仁は何も言えず固まるのにそこで宿儺が「オイ、お前如き呪術師が俺の器に話し掛けるな。今すぐ殺してやるか?」と悠仁の目の下の傷からパチリと目を開けて五条先生を牽制。

 

宿儺が現れてホッとした悠仁

指3本の君には無理じゃない?と侮るように笑う五条先生に宿儺は「ハッ!指の数など関係のない事だ。感謝しろよ、小僧が駄目だと言うから殺さないだけであり小僧が心底望んだその時…お前も、お前の生徒も含めてまとめて殺してやる」と静かな怒りをぶつける。

 

死んでるとされていた2ヶ月間はあの地下室で悠仁は監禁されている。特訓もなければ五条先生が来てくれる事もない、事務的に伊地知さんがご飯を持ってくれるだけ。

なのでその間は宿儺が術式のあれこれを色々教えてくれてたっていう。そして悠仁を甘やかして甘やかして悠仁が自分の存在に安心している事に五条に対しざまぁみろ、と内心で嗤う。

 

だけど呪術師は忙しいし任務はいくつも舞い込んでくる。

呪術師は何人いようと足りないので七海の監視の元、悠仁は任務に当たることになった。

僕は忙しいから君の面倒ばかりなんて見てられないから今回は僕の後輩に君を見てもらうよ。七海の言うことをよく聞くこと。と冷たい声で言われ悠仁は無表情に「はい」と頷いた。

呪術高専に来てから悠仁は笑うことがなくなった。

 

奇妙な五条と悠仁の雰囲気に七海は眉間にシワを寄せる。

大人オブ大人なので悠仁が宿儺を喰おうと差別なんかしません。でも呪術師としてはまだ認めてない。

 

「彼に対するあの態度は何ですか」と批難の声を上げれば五条は「何?七海もしかしてアイツのこと気に入ったの?」と返されて七海ブチ切れます。

最低だ軽薄だなんだのと常日頃から思ってましたが貴方本当にクズですね、特級呪物をその身に宿してようと彼はまだ子供であり貴方の生徒ですよ。子供にあんな顔させるなんて大人としてどうなんですか、後々後悔するのは貴方ですよ。良いですか、忠告しましたからね。と七海は五条先生から視線を外して悠仁の待つ部屋へ。

 

移動中に無表情でただ外の景色を眺める悠仁の横顔を見て子供らしくないその表情に七海激怒です。勿論、五条先生に。

 

任務で倒した呪霊が元は人間だと知り、それが無理矢理変えられてしまった事に悠仁が怒り初めて見せた無表情以外の表情に七海はやはりいい子じゃないですか、と思う。

 

帰りの移動中、途中でパン屋に寄り好きなのを選びなさいとトレーとトングを渡されて悪いから良いよ!と戸惑い断ろうとした悠仁に子供は遠慮しない、と七海は頭を撫でてやった。

すると悠仁は吃驚して七海を見上げる。宿儺以外に初めて頭を撫でられて甘やかされようとされて悠仁は動揺。

だけど自分を優しく見下ろす七海の目に照れくさそうにありがとう、ナナミン!と笑った。

宿儺さま以外の初めての味方がナナミンです。

 

七海は真人と対決し負傷した時、悠仁は順平とお家映画。

楽しい時も束の間、原作通り悲しい事件が起こり順平はクラスメイトを呪う。悠仁が駆け付けて和解、自分が言って順平が呪術高専に入れるか分からないけどこっちに来いよ、と誘おうとしたその時に真人登場。

順平を変形させちゃいます。

信じられない思いで変わってしまった順平を見下ろし、悠仁は宿儺に呼び掛ける。

 

「順平を治してやってくれ、俺はどうなってもいいから」と必死な悠仁に宿儺は残念だがそれは無理だと拒否。

表情を歪める悠仁に宿儺は「俺の力は未だ指3本だ、小僧。お前を治す事が出来ても他人は治せん」許せ小僧、裡の中で寄り添えば悠仁は泣きそうな表情で頭を左右に振った。

 

俺こそごめん、俺は宿儺に頼りっぱなしだな。と力なく笑うと変形に耐え切れず死んでしまった順平を嗤う真人に対し悠仁は殺すという強い気持ちで挑んだ。

君呪術師たちに嫌われてるんでしょ?ならさっさと宿儺に身体渡してこっち来れば?楽になるよ。と更に挑発する。

 

宿儺と変わらそうと魂に触れる真人に宿儺が小僧と俺に触れるなと怒です。そして七海も合流し、共闘しながら真人を追い詰めて窮地に達した真人が七海を引き摺りこんで領域展開を習得する。

七海のピンチに悠仁が宿儺!と呼べば宿儺はふぅ…やれやれ。と言いながらも力を貸します。頼られて凄く嬉しいそうです。

悠仁無事に真人の領域内に入れて七海無事です。魂に触れた罪と俺の小僧を好き勝手痛め付けた罰として真人制裁受ける。

ここでの宿儺さまは悠仁過激派です。モンペです。

 

七海は悠仁に救われたしこの子めっちゃいい子で無表情より笑った顔の方がらしい、と任務は終了したけど悠仁高専で生きている事を皆に知らせるまで傍にいます。

疲れて倒れた悠仁を五条の元に運んだ時も極力五条と二人きりにはさせないように配慮する大人です。

五条先生と二人きりにすると悠仁が何を言われるか分かり切っているので。この時点でもう悠仁を呪術師として認めてます。

 

 

やっと上層部に生きていた、と報告出来た五条は一応生徒となっているので悠仁を交流会に参加させる。

死んだと思っていたのに生きていると分かってやはり皆悠仁を気味悪がって口々にアレコレ言う。皆陰口は言わない、直接本人に言うから悠仁の心にグサグサ刺さるけど宿儺がいてくれるので耐えられる悠仁

 

東堂の相手を任されるが、どうせ直ぐにボロボロにされるだろうから。と捨て駒にされる。

だけど悠仁は持って生まれた高い身体能力と2ヶ月の間に宿儺から色々教わっているので呪力を篭めて戦えてます。そんで東堂のあの質問です。

 

「女のタイプは何だ?」と聞かれて困惑しつつも、タッパのある尻のデカい女…と答え、東堂のマイベストフレンド認定w

そうか、お前とは昔からのマイフレンドだったらしい!!と嬉しそうな東堂に裡に居る宿儺は「(あ。コイツ小僧の味方だな)」と悟ります。

 

なんやかんやあって(原作では真人達が襲撃してますがここでは一旦無視します!)交流会終わって悠仁も1人で任務行ったりするようになります。

いつもどこかしら怪我をして帰ってくるので伏黒たちは弱いから、と決め付けて何とも思ってない。

 

ある日、悠仁と伏黒が2人で任務へ。

役に立たないと伏黒は1人で片付ける気満々だったけど数だけは多くて苦戦。悠仁は真っ先に捕らわれてた人たちを逃がす。

数が多くてあ!と油断して殺られる!と思った伏黒を庇い、悠仁が負傷。驚く伏黒に悠仁は大丈夫か?と困ったように笑う、ごめん、直ぐに退くな。と伏黒の前から退いてまた呪霊を祓う。

よく見てなかったがそこで初めて伏黒は悠仁の戦い方を見る。

あちこち傷を負ってるけどそれは避けきれなかったからではなく、人を庇って出来たものばかりで伏黒は困惑を隠せず動揺。

 

自分を顧みずに人を救って傷付く悠仁に伏黒は人を守っているアイツを俺はどんな目で見ていた?と今までの己の態度に愕然とする。

任務が終わって「伏黒はどこも怪我ないよな?先に戻ってて良いよ」と暗に俺とは居なくないだろうから先に帰って良いよ、と笑う悠仁に伏黒はどう言えば良いのか分からず自分を庇って腹を血に染めた悠仁に「……それ、どうするつもりだ?」と控えめに聞く。

 

そんな事初めて聞かれた悠仁は目を大きく見開いたけど「大丈夫、自分で手当出来るから」と背を向けた。

その一言だけで伏黒はどれだけ悠仁が1人で自分の傷を手当てしてたのか分かって顔を強ばらせた。

 

その時、「その手当は俺がしてやろう」と東堂が登場!

驚く悠仁と伏黒に東堂は悠仁の肩に腕を回し、東堂何でここに居んの?と目を見開くのに「よう、マイフレンド!手当してから俺の用事に付き合ってくれ」と悠仁の背を押す。多分だけど握手会に行くのだと思います。

立ち尽くす伏黒に「俺といるから少し遅くなるとそっちの担任に言っといてくれよ」と一瞥してから東堂悠仁を連れて消えます。

 

交流会の後から東堂はよく頻繁に悠仁に会いに来てくれます。

自称マイベストフレンドなので!任務でいっぱい稼いでるだろうから遠慮なく新幹線で来てくれる男の中の漢です。

伏黒はこの時に何故東堂で俺じゃないのか?って後悔します。

 

悠仁は未熟な呪力を100%にしてくれようと師匠みたいに教えてくれる東堂に感謝しています。元より人と話すのが好きな悠仁は東堂の前で屈託なく笑う事が出来た。

だから東堂が京都に帰る新幹線で見送る時、僅かに寂しいと感じるのに東堂がまた来る、と悠仁の頭を撫でて帰ります。

なんかお兄ちゃんっぽいな、と悠仁は笑いますが東堂が凄くカッコイイです。

 

東堂を見送り高専に戻ってきた悠仁を伏黒は待っていた。

不安そうにどうした?って聞くと伏黒は「一発思い切り殴ってくれ」と頼む。

え?!と驚く悠仁に今までの態度に対して謝り、到底許されない事を言ってきた、だから許してくれとは言わない。一発殴れと真剣に頼みます。

もう謝ってくれたし良いよ、と困惑する悠仁に俺が気が済まねぇから早く殴れ!と何故か逆ギレ。

やるしかないか、と悠仁は拳を握って思い切り伏黒の横っ面をぶん殴る。ゴリラ並の腕力の悠仁に伏黒ぶっ飛んで悠仁慌てて駆け寄る。

 

大丈夫か?!!と抱き起こすと伏黒は痛む頬を気にせず真っ直ぐ悠仁を見つめてごめん、と謝ります。

何度も謝る伏黒に悠仁は仕方なさそうに「伏黒って案外頑固なのな、知らなかった」と笑う。

伏黒は悠仁の肩にトンと顔を埋めると「ケジメだ」と一言。

だけど内心では「(俺だってお前がそんな風に笑うなんて知らなかった…)」と泣きそうになるのをグッと堪えていた。

人として絶対やってはいけない所まで行く所だった、と己を責めまくる。

 

「虎杖、俺はまだ間に合うか…?」と聞く伏黒になんの事か知らない悠仁はだけど「間に合うよ、だって俺らは生きてるじゃん」と伏黒の背中をぎこちなく撫でます。

その言葉で伏黒はまだ間に合う、と決意を固めた。

 

「ごめん」

「もう良いって。頑固だなぁ」

 

伏黒、やっと悠仁の味方になりました…!!!

 

 

 

それから伏黒は悠仁に対しての態度が今までと一変して変わった。一緒に教室に行きますし食堂にも誘うようになります。

1人に慣れつつあったからまだ戸惑う悠仁だったけど照れたように笑うのでそれだけで伏黒は自責の念に胸を痛ませるけどこれからは俺が虎杖を守っていこう、と俄然燃えてます。(東堂にヤキモチかな)

 

野薔薇たちが何でアイツと一緒に居んの?と聞かれるのに「俺が間違っていた」と自分の非を認めます。

意味が分からないと訝し気な表情に伏黒は無表情で「分からないなら分からないで良い。俺はもう虎杖を否定しない」とアイツの事は俺が分かっている。だから俺はアイツを固定する。となんか危ない方に向かいそうな伏黒です。

 

宿儺さまは「今更心を改めても小僧に付けた傷は大きいぞ、努努忘れるな」とまだちょっぴり怒です。

重い面持ちで伏黒は分かっている、同じ誤ちは犯さない。と宿儺のお叱りをきっちり聞きます。それに宿儺はならば良い、と満足気に笑うので悠仁は宿儺って伏黒の事気に入ってんの?と首を傾げる。

前の世界線では伏黒推しだったのでそれをちょっと引きずってる宿儺ちょっとだけ伏黒に甘いです。それに少年院の時に結構虐めたから。

宿儺は聞かれて2番目にな。と答えます。

呪いの王に気に入られていると知って伏黒は戦きますが大して気にしてない悠仁はへー、じゃあ1番は誰なの?と不思議そうにするので宿儺は何を分かり切った事を…お前に決まってるだろう。と口説いてるようにしか聞こえないです。

キョトンと目を見開いた悠仁は次の瞬間「えへへ、俺も宿儺のこと大好きだよ!」と笑うので宿儺さま悶絶。俺の小僧かわいいだろう!!と眼をカッ開く。

悠仁の笑顔に伏黒もあれ、コイツこんなに可愛かったのか??と今まで知らなかった事にショックを受けます。

 

 

五条先生から「恵、最近虎杖とよく一緒に居るね?」そこまで頑張って監視しなくて良いよ〜疲れるでしょ。と言われて前の自分も虎杖に対してこうだったのか、と自分自身にそして五条に怒りを覚えます。

監視じゃないです、虎杖は仲間だ。俺がアイツと一緒に居たいから居るだけです。と五条を睨み付ける。

 

呆れたものばかりで尊敬される視線をめっきり感じなくなってきたが強い怒りを感じさせる伏黒の視線に五条先生はびっくり。え、恵まで??七海も虎杖を可愛がってたけど、意味分かんない。と首を傾げる。

 

分からないなら別に良いです。アンタにどうこう言ってもどうしょうもないですから。と伏黒は冷たい目で五条の横を通り過ぎた。

 

 

 

「ねぇ、一体どんな手を使って七海や恵を落としたの?」

 

無機質なひやりとした声音に悠仁は目を見開いて五条を見返した。落とす…とは一体何の事だろうか?困惑した表情で何も答えられない悠仁に五条はゆったりと近付く。
ゆったりとした歩みなのに漂う異様な空気に悠仁は無意識に後退りその分五条が迫ってきて背中が壁に付いた。

逃げ場が無くなって視線を揺らす悠仁を見下ろして五条は何惚けてんの?この身体で落としたンでしょ…?と悠仁の心臓の上にトンと指を突く。

 

その言葉に悠仁は唖然とする。
まさか、身体を使って七海たちに媚を売ったと思われてるのだろうか。五条を見上げると目隠しで見えないもののその視線が冷たい事が分かり悠仁はそう思われてるのだと確信するのと同時に鈍器で頭を殴られたような衝撃を受けた。

そんな、事…する訳ない…と震える声で紡げばハッと鼻で笑った五条にどうだか…だってあのクソ真面目で堅物なあの七海が簡単に心を開くとは思えない。恵だってあんなに嫌悪してたのに…どんな手を使ったか教えてよ、と見下ろせば悠仁は傷付いた表情で体をカタカタ震わせていた。

 

「契闊」

 

何も答えない悠仁に本来短期の五条が苛立ち手首を掴もうとしたその瞬間、悠仁とは違う低めの声がその場に響いた。
五条はスっと後退り悠仁を見ればさっきまで怯えていた表情から一変、憎悪に顔を歪めた悠仁…宿儺が五条を睨み付けていた。

人間は真に愚か者だな、小僧を愚弄するということはこの俺を愚弄するのと同じ。貴様…覚悟して居ろうな?とギロりと睨み付ければ宿儺の呪力により窓ガラスや壁がピシピシッ…と音を立ててひび割れていく。

宿儺まで手玉にとるなんて、本当どうやったンだか…。と零す五条にピキリ、と宿儺の怒りがプチと切れます。


力はあっても所詮は人間。それも反吐が出る程腐った人間。お前もお前が忌々しく思っている上の人間共と同類だな、呪術師。バキッ、バリンッ!!と辺りの窓ガラスが割れ怒りの余り逆にケヒケヒッと笑いが込み上げてきて嗤う宿儺に五条は上層部と同じように見られて一瞬ピリつく。
 
騒ぎを聞き付けた伏黒や他の者が何事だ?!!と駆け付けたのに気付いて宿儺は五条をギロりと睨み付け今回はこれだけで済ます、次は容赦せん。と背を向け宿儺…?!と驚く伏黒に小僧を頼んだぞ、呉々もあの忌々しい呪術師と小僧を二人きりにさせるな、と伝えるとフッと悠仁の裡に戻った。
宿儺が戻ると悠仁はフラついて膝を着きそうになったが瞬時に伏黒が支えた。
重っ!と内心思った伏黒だったけど根性で耐えてガラスが散らばった廊下に立つ五条を見返して何も言わずに悠仁を抱えてその場を後にする。

 

それから悠仁は五条と二人きりで話す事はなくなった。

任務の報告も事務的に淡々と報告するだけでその間、悠仁の傍には伏黒が居たり宿儺が出現していたりします。

絶対に先生と二人きりにはさせません。(なんか1番の悪役が先生になってて泣きそう…)

 

めっきり笑う事もなくなりまるで人形のような表情に宿儺さまと伏黒は危機感を覚えます。

ただ時折来てくれる東堂と遊んでる時はふと笑う事があるのでちょっとホッとしている。

様子を見に来てくれる七海も前より表情が乏しくなった悠仁に驚き、五条に詰め寄りますが五条はヒラヒラと七海から逃げる。

 

そんな危うくなっている悠仁の所に任務が舞い込みます。

本来ならば1年で赴く筈の任務でしたが運が悪い事に伏黒だけ別の任務に当たる事になった。

だから今回は伏黒を抜いた野薔薇と二人だけの任務に行くことになり、悠仁は若干不安そうに表情を曇らせる。

野薔薇と二人きりなのが不安なんかじゃなく、宿儺の気配に惹かれて挑む呪霊の階級が高くなるかもしれないのでそうすると自ずと野薔薇が危険な目に合うのが不安だった。

 

伏黒が居たならば以前の少年院の時のように野薔薇をフォローしてくれるだろうけど今回はその頼りの伏黒が不在。

不安な気持ちのまま悠仁は野薔薇と任務へと赴いた。

 

そして案の定、宿儺の気配に惹かれた一級並の呪霊が現れて苦戦。悠仁は宿儺のおかげで息を乱す事はないが野薔薇はそうじゃなかった。

体力的にも接近戦にも向いてなかった野薔薇は弱った所を狙われてるも悠仁が庇う。驚いた野薔薇が一瞬気を緩めてしまったのがいけなく、悠仁が叫ぶよりも早く野薔薇は別の呪霊の攻撃に当たり、気を失う。

頼りにし過ぎるのは嫌だったけれど野薔薇が動けない今、何の攻撃を食らったか分からないので早めに診せた方が良いと思った悠仁は宿儺を呼ぶ。

 

契闊、その一言が響き瞬く間に悠仁と野薔薇を囲っていた辺りの呪霊たちは消え失せた。

造作もない。と酷薄な笑みを浮かべ飛び散った血肉を一瞥して宿儺は小僧、終わったぞ。と柔らかい声で悠仁と入れ替わった。

 

「ありがとう、宿儺」

 

凄く助かった。と礼を言う悠仁に遊びにもならんかったわ、と鼻を鳴らした。それに笑って悠仁は気を失ったままの野薔薇を抱き上げて帳を解いて高専へと戻った。

 

高専に戻ると真希たちと鉢合わせ。

気絶してる野薔薇を見て真希が悠仁に野薔薇に何をした?と睨み付けます。

任務で呪霊の攻撃が当たったと言えば真希は悠仁から野薔薇を奪い、何の為にテメェが居るんだ。汚れた手で野薔薇に触んなと吐き捨ててその場に悠仁を置いて立ち去る。

 

汚れた手……と確かに自分の血や呪霊を祓った際に両手は赤く染まって汚れていた。だけど、真希が言っていたのはそうじゃないと悠仁は理解していた。

ズキリ、と心臓の奥が鈍く痛みどこかでパキッ…と小さく響いた音が聞こえた。

 

自室に戻ろうとした時、支給された携帯が通知を知らせる。

携帯を開くとそこには東堂からのメールで近々東京に行く、との連絡だった。 

つい先週来てくれたばかりなのに、と悠仁はふ…と小さく笑みを零した。すると後ろから声が掛けられる。

 

「仲間が傷付いたのに何笑ってるの」

 

五条だった。

びくり、と肩を震わせて悠仁は後ろを振り返れば全身真っ黒な五条が薄暗い廊下の中に異質に立っていた。

野薔薇が気を失っているのに不謹慎じゃないの?とひやりと言われ、そんなつもりはない!と悠仁は否定したが五条の纏う空気がチリチリッと怒気を纏っているのに悠仁は息を飲むしか出来なかった。

 

動けず固まってしまった悠仁だったが五条の次の言葉によって怒りに身体が動いていた。

「君の祖父は一体何を教えてきたのやら…」と嘆息混じりに言われて悠仁は目の前が真っ赤に染まると同時に五条に向かって拳を振りかぶっていた。

けど無限で守られた五条には届かず顔の前で悠仁の手は止まっていた。その目は怒りに満ちていて五条を睨み付ける。

 

「じぃちゃんを悪く言うな…!!」

 

拳が届いた瞬間に噛み付かれる勢いの悠仁を冷ややかに見下ろして五条は担任に向かって手を上げるのは生徒のやる事じゃないよ、と悠仁の握り締められた拳をピンッと弾けば悠仁は勢いよく背中から壁に押し付けられて突撃した。

痛みに顔を歪めた悠仁を一瞥して今回はこれくらいで許してあげる、と五条は立ち去った。

 

ずるずる…と壁に添って悠仁は座り込み泣きそうになるのを我慢して顔を覆った。またどこかでピシッ…とひび割れる音が聴こえた。

 

『何の為にテメェが居るんだ』と真希に言われてから悠仁の戦い方が更に危うくなった。

まるで自分が死んでも構わないと自ら盾となり、傷付く事も厭わないで前に出る。

だから助けた人達が傷一つ、汚れ一つない中で悠仁だけは何処も彼処も傷だらけで血に汚れていた。

 

伏黒がそんな悠仁を見て表情を歪める。

お前、何があった?と聞いても悠仁は引きつった無理矢理感な笑みを浮かべて何でもない、と応える。

どうみても何かあったのに、何も言わないのならと伏黒は何も言わず悠仁の肩をポンと叩いた。

 

人形のように言われた事だけをして過ごしていた悠仁を狙い、真人たちが襲撃してくる。

死者はいないものの、重症を負ったものが大勢いて戦場を引き下がり五条らが前に出る。

 

狙いは俺だからと悠仁も前線に出ようとしたが五条が君も下がってろ、と口を荒くする。

何で!狙いは俺なのに…?!と目を見開く悠仁に君があっちに奪われたらこっちの負け、邪魔だから下がれと睨み付けると悠仁は唖然とした。

 

俺って邪魔だったの…?と立ち尽くす悠仁を伏黒が引っ張って前線を離脱。

 

真人たちが悠仁を奪えず退散していくと悠仁は伏黒の部屋に休まされていた。また真人たちが来るときの見張りといっているが単に伏黒が悠仁を1人にさせたくなかったからだ。

 

悠仁を部屋に一旦置いて伏黒は食べ物を持ってくる為にそこにはいなかった。そこを狙って五条先生が伏黒の部屋に入ってきて「また厄介な事になったよ」と隠しもせずイラついた声音でベッドに腰を掛ける悠仁を冷たく見下ろす。

 

今回の件で五条先生は上層部からまたアレこれと煩く文句を言われたからそれでイラついていた。

なんで恵の部屋にいるの?昨日は誰の部屋?と嫌な笑みを浮かべる五条に悠仁は顔を歪めて「何でそんなに俺に突っかかるんですか、嫌なら俺のことは無視して下さい、伏黒は何も関係ない…!」と叫ぶ。

 

突っかかる?僕は大事な生徒が惑わされてないか心配してるだけだから。

 

娼婦紛いな事をしているとまだ疑われていると知って悠仁は驚きに五条を見上げた。大きく目を見開くその目の淵に涙が盛り上がって留まれずつぅ…と頬に零れ落ちた。

バリンッ…!と割れる音がどこか遠くに聴こえた。

 

嫌われていると実感していた。だけど一応は生徒と思われていたと思っていたのに、それを否定された。

五条はハッキリと伏黒の事だけを心配してると口にしていた。俺は五条先生の生徒じゃない…なら、此処に居る意味は?と思った瞬間悠仁の口は開いていた。

 

 

「俺が邪魔なら、さっさと殺せば良かったんだ…」

 

は?と聞き返す五条をガラスのように何も篭ってない目で真っ直ぐ見つめて悠仁は続けた。

 

「…五条さんが厄介なことになったのは俺の所為なんですよね、なら俺が宿儺の指を食べたあの時に処刑するべきだった。そしたら俺は…、」

 

じぃちゃんの所に行けたのに…!!!と叫んだ悠仁に五条はハッとした。

俺は1人だから悲しむ人もいない、それだったらあの時に殺してくれれば良かったんだ、と口にする悠仁に五条の空気が変わった。

 

そこへ、伏黒が食料を乗せたトレーを持って戻ってくる。

対峙する2人を見て慌てる伏黒。抜け落ちた表情で涙を流す悠仁を見て目を釣り上げると、この馬鹿!!虎杖に近付かないでください!と怒鳴り五条を部屋から追い出した。

 

 

後始末を伊地知に投げてつけて五条は自室に戻るとボンヤリと上着を脱いでソファーに投げる。

悠仁との会話を思い出すと、目隠しを取ってグシャグシャに髪を掻き乱した。

 

僕は大馬鹿だ。
僕は虎杖に……悠仁に言わせてはいけない言葉を言わせてしまった。
祖父を亡くしてまだ日は浅いのに、悠仁はもう1人になってしまったのに…頼れる大人は彼を引き受けた僕だけだったのにその頼れる筈の大人にズタズタに傷付けられて平気な筈がない。
悠仁はまだ15歳の子供で加護するべき者だって事を忘れてはならなかったのに、最低な事をしてしまった。

五条は唖然と己の言動を返りみて腹からせり上がる吐き気に我慢出来ずその場に膝を付いて嘔吐した。

無感動な表情で涙を零した悠仁の顔が頭から離れなくて五条は今すぐ心臓にナイフを突き立てたかった。

 

何故あんなに攻撃な言葉ばかり言ってたのか、五条は己の事が信じられなかった。思い返せば思い返す程、悠仁に酷いことばかり言っていた。

 

笑った表情も、思えば1度も見たことがなかった。

 

七海が忠告していたのに、聞かなかった。

間違っていたのは僕で、悠仁は何一つ間違っていなかった。命を賭して呪いを祓っていると聞いていた。悠仁が誰かを傷付けたという報告は何もなかった。何もしてないのに僕らは一方的に悠仁を同じ人間とは思わず呪いとして扱い肩身の狭い思いをずっとさせていた。

 

けどそれが間違いだって事を七海は最初から分かっていた。伏黒は途中から気付いて必死に僕から守っていた…。

僕は一体、何を……。と五条は後悔の波に崩れ落ちる。

 

若人から青春を奪うことは許されないと宣いながら、悠仁に命を捨てさせようとしてしまった。言わせてしまった。

 

まるで心臓をズタズタに引き裂かれその傷口から血が垂れ流れるような痛みに五条は顔を歪めたが悠仁の痛みはこんなもんじゃなかった筈だ、と冷や汗が止まらず五条は強く握り締めた両手が爪で抉られて血に染まっても気付かず茫然とした。

 

 

 

伊地知が五条と連絡取れなくなってから三日三晩が経った。

やっと伊地知の携帯に五条からの連絡が入り安堵した伊地知はこの3日一体どこに居たのか、と聞こうとしたが伊地知が口を開くよりも早く覇気のない声で五条が先に口を開く。

 

「……悠仁は?」

 

は?と伊地知は思わず間抜けな声を漏らしてしまう。

今まで五条が悠仁の事を伊地知に聞いた事は1度もなかった。それに名前も、苗字だったから急な事に伊地知は動転する。五条は悠仁を忌み嫌っていたのではなかったか…??と伊地知は動揺しながらも悠仁は寮で大人しくしていますよ、と書類上の保護者である五条に報告する。

 

そう…、と力のない返事に伊地知は不審がる。

具合悪いのですか?と聞いたらそうじゃない、と応えが返ってくる。じゃあ今回連絡したのは…と思案してた伊地知に五条が、

 

「暫し悠仁に仕事はわりあてないで。僕の方にも本当に危険な仕事以外は電話して来んなよ」

 

と一方的に言って電話を切ってしまったのだ。

伊地知はは?!え?!五条さ…五条さん?!!っと意味分かりませんと電話を折り返すがスマホは留守電の音声案内が鳴り響くばかりだった。

 

悠仁だけならまだしも、五条にも仕事を入れるなとはどういう事だろうか、何かよからぬ事をしょうとしてる訳じゃないだろうな、と日頃から五条に振り回されている伊地知は危惧するがこれで五条の家まで押し掛けたらマジビンタの10回往復で済まされないのは分かっているのでどんな無理難題でも自分が何とかするしかない。伊地知は目頭が熱くなるのを感じて頭を振った。

苦労人な伊地知さん、ホント休んで欲しいです()

 

一方的に伊地知に仕事の依頼ストップを掛けた五条はスマホの電源を切ってしまうと部屋を出た。

そしてその足で悠仁の元まで移動したのだ。

ベッドに座って大人しくしていた悠仁は五条のいきなりの来訪に顔を強ばら、肩を跳ねさせた。しかしその顔に表情はなく氷のように冷たい。

 

「…悠、仁…」

 

それが今までの自分の言動によるものだと自覚した五条は目隠しを取って悠仁に近付いて行く。

近付いて行くと悠仁の体が小刻みに震えているのが目に見えて五条は自分を殺したかった。僕は一体悠仁をどうしたかったのか、考えても分からなかった。

 

今分かっているのはこのままだと悠仁の中で自分の存在が失われてしまう事だけだ。それだけは何としてでも阻止しなければならない、身勝手だと分かっているけど…何もしない訳にはいかないのだ。

 

悠仁、ごめんね…」

 

目の前に立ち止まって五条が悲痛な声で謝る。

五条から聞こえた自分の名前に悠仁が顔を上げると五条が澄んだその目からポロポロと涙を零していた。

 

それを唖然と見上げていると五条が手を伸ばす。ビクッと震えて後ずさろうとした悠仁だったが五条の腕の長さにあっという間に捕らわれて悠仁は恐怖にガタガタと震えた。

 

「…は、離せ…!!」

 

今度は何を言われるのだろうか、心は既にズタズタなのにこれ以上何を壊すというのか、裡の宿儺が出ようとするが封じの術式が発動されているのか宿儺は表に出られずギリィと奥歯を噛む。

小僧に何かをしたら殺す…!!低い声音で宿儺は五条に対し呪詛を吐いたがそれは宿儺を裡に宿す悠仁にしか聞こえていない。

 

きゅっと目を閉じて宿儺…!!と頭で叫ぶと同時に一瞬の浮遊感に襲われ何が起こった?と悠仁は恐る恐る目を開いた。

目の前に広がる景色は見知らぬものだった。

 

殺風景な白い部屋……。

 

悠仁…」

 

ビクッと悠仁は震えて未だにキツく体に腕を回す五条から逃げようとジタバタするが流石は最強、悠仁でさえその力に叶わず逃げようと藻掻く分だけ腕の力が強まる。

 

「いやだ…離せ、離せってば…宿儺…!」

 

いやいやと頭を振って腕から抜け出そうとしても五条は絶対に離さない。ぎゅうと悠仁を腕のなかに収めて後ろにあるベッドにそのまま腰を掛けて抵抗し藻掻く悠仁の肩に額を乗せた。

必然と悠仁は五条の膝に乗る形となるのだけど悠仁はそんなのに構ってられる程余裕はない。

 

「ここどこっ!!帰せよ…っ!」

 

お腹に回ってある腕をカリカリ爪を立てて引き離そうとする悠仁の表情は泣きそうに歪んでいる。何でこんなことになっているのか全く分からないのだ。

 

「ごめん、悠仁…」

 

許してなんて言わないから…今は傍に居て。そう、小さく五条は零した。腕に爪を立てられて蚯蚓脹れになって血が滲んでいるけれどそんな痛み悠仁が受けた痛みに比べればどうってことない。それはいつか治るものだ、けれど精神的な痛みは時によって治るものじゃないし一生心の傷となってトラウマになる。

 

爪を立てるだけじゃ物足りないくらいだ…。

さっきから謝ってばかりの五条に何か可笑しいと気付いた悠仁は訝し気な表情をしてピタリと抵抗を止めた。

そろ…と右肩に埋れている白髪を見下ろすと微動だにせずそこにいる。そして更に気付いた…右肩が濡れている。

 

さっきもボロボロ泣いていたのを思い出して悠仁は五条が今も尚涙を零していた事に気付いて困惑した。

 

一体、何を泣いているんだろうと抵抗を忘れて悠仁は五条を気にかける。例え酷く傷付けられても悠仁は人が心を痛めていると放っておけない質なのだ。悠仁は底なしに優しいから。

 

悠仁…本当にごめんね…」

 

弱々しい声に悠仁は居心地悪そうにする。

…何で泣いてんの?宿儺が出て来れないのって五条さん何かしたの…?と聞けば五条は素直に「…僕の愚かさに嫌気さしてる。ちょっと術を施したから宿儺は暫く出て来れないよ」と答えた。

 

宿儺が出て来れないと知ると悠仁は体を固くさせたが腕に抱いてる五条は固まる体に気付いて顔を暗くさせます。

 

「…大丈夫、もう何もしないから…」

 

宿儺に守って貰う必要はないよ、僕は何もしないから。大丈夫だから。と五条は悠仁をキツく抱き締めて繰り返し大丈夫だと悠仁に言い含めるけどそう簡単に信じられる訳じゃないし心のどこかで何か裏があるんじゃないか、と勘繰っちゃう悠仁は簡単に人を信用出来なくなってます。これも先生の所為(泣)

 

それからはというと、先生は3週間も伊地知さんすら知らない先生の隠し部屋で悠仁と暮らします。というか若干情緒不安定になった先生が知らない間にまた悠仁を傷付けるのを恐れて悠仁から片時も離れません。

文字通りずっと腕に悠仁を抱き締めたまま1日を過ごします。流石にトイレやお風呂の時は離すけどそれでもドアの外で悠仁が出てくるのを待ってるものだから悠仁は怖がるよりもこの人大丈夫…?って心配しちゃいます。根は優しい子なので。

 

悠仁を膝に乗せてご飯を食べさせたり見もしないのに悠仁の為にTV点けてバラエティー番組や映画を流してその肩に顔をずっと埋めるのがデフォになりつつ先生。

最初こそ自分で出来る、1人でやる、離れて。と言ってた悠仁だけど頑なに首を振る五条にもう何も言わなくなって好きにさせている。宿儺がまだ出て来ないのが不安だったがこれと言って酷い事は言われてないしされてないのでちょっと落ち着きつつある悠仁です。

先生の狙いは自分の存在を悠仁の中に刷り込む事だから計画通り進んじゃってます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凄くツラいけどもうちょっと続きます…( :; ´ཫ`)

※ちょいちょい更新されます(書き足されたりとか)