辺りが夜の暗闇に、静寂に包まれた6階建ての廃ビルの屋上に黒いスカートがヒラリと翻った。 辺りは静寂ばかりで風の音もなく暗いまま。しかしその中をただ、一人の少女が降り立っていた。 真っ黒な制服の中で紅いフードが一際目立っていた。 下の階に繋がる…
悠仁は素直だ。 どこまでも真っ直ぐで物怖じしないその性格は人を惹き付けて止まない。コロッと相手の懐に入りいつの間にか気を許している。 そんな場面を幾つも眺めてきた五条は最初は感心こそしたけれど、今はモヤモヤとしてしまっていた。 理由は分かって…
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