mikotoの呟き

小説(◆マーク)とお知らせや近況報告

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

◆宇善♀

「お前、そんなに男に貢いで騙されて…懲りない訳?」 落とされた冷ややかな声に青空に良く映える黄色の髪が動くにつれて揺れた。 見下ろす深い色の目に負けじと茶色の丸い目が見上げた。 「…先生には関係ないじゃないですか」 「お前、周りになんて噂されてる…

◆忘れられない(高土)

静寂に包まれた暗闇の部屋の中…押し殺したようなくぐもった小さな声が響く。 声を出すのを我慢してるからか時折苦しそうに息を吐き、零れ落ちた声が震えている。 部屋の中央にあるベットは膨らんでおり人が眠っている事が伺えるのだが些かその膨らみは大きく…

◆つき(高土♀)

教室に入って早々、高杉は顔をしかめると眉間にシワを寄せた。 教室にいる者はそんな高杉を気にするも怖くて誰も声を掛けられずそっと様子を窺っていると高杉は奥の席で机に腕を組んで顔を伏せて蹲る土方に近付いた。 「土方」 知る声が上からきて土方はそっ…

◆いつからか(高土)

開け放たれた窓から風が入り込み頬を撫でて髪を優しく揺らす。 風に乗って僅かに花の香りが鼻を擽って春に咲き誇る花たちを感じられた。 10階建てのマンションの8階にある高杉の部屋に土方は今日も訪れていた。 窓から入る風が白いカーテンを揺らしバルコニ…

◆変われたのは貴女の為(百合高土)

「十四乃ちゃんって可愛いよね~!」 「使ってる化粧品なにー?」 教室の窓際の後ろ、土方十四乃は周りをクラスの女子に囲まれながら質問責めに合っていた。猫のようにつり上がった蒼い目が透き通って輝き、深緑の髪が三つ編みに編まれ肩に綺麗に流されてい…