−弐話− ほんの少し眠っただけだが、子供は直ぐに目を覚ました。着替えを用意させてたⅠ世が自室に戻ると子供が身体を起しているのに気付いて直ぐに近寄る。 「起きたのか、まだ疲れてるだろうから寝てて良かったんだぞ」 子供の横に座り頭を優しく撫でれば子…
−壱話− いつもは耳に痛いくらいの静寂に包まれた殺風景な景色の部屋が真っ赤に染まっていた。 どこに視線を向けても視界が赤で占められチカチカと目が痛んだ。 壁に背を預けて座っていた体制から立ち上がると瘦せた小さな身体が傾いてふらついた。寸でのとこ…
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