mikotoの呟き

小説(◆マーク)とお知らせや近況報告

◆さなにお♀SS

 

初めて肌を重ねた時、真田は勿論自分も初めての経験で手探りでお互いに触れたが真田は触ってしまったら壊してしまいそうだ、と恐る恐る脆いガラスを触ってる感じで触れて来るものだから初体験で緊張していた心も身体も男の様子ですっかり落ち着いてしまって、自らの手を重ねて真田に触れても大丈夫だとこれくらいじゃ壊れたりしないと何度も教えては初夜を無事に終えたものだった。

 

二度目の時もまだ躊躇する武骨な手を掴んで自分の柔らかい乳房に触れさせ、何度も平気だと触れても痛みなんてないから安心して欲しいと囁いた。

 

何度もそうやって真田を安心させるように真田の上に乗っかり、頭を抱き締めながら腰を動かして閨を共にしたおかげで真田が触れる手に躊躇する素振りが徐々に消えていった。

なんなら今では余程の力を出さない限り壊れたり傷付けたりする事はないのだと理解した時から真田は遠慮する事がなくなり、最初はリードしながら安堵させていた筈なのにリードする隙もなく揺さ振られるようになった。

 

「あっ、は、んぁっ…あっ!あぅ!」

「…まさはるっ」

「ぁんっ、げん…げん…!」

 

グッグッ、と最奥まで真田を受け入れた中は抉られて擦られる度に摩擦による快感にキュンキュンとヒクついては真田自身に絡みついた。

子宮をノックされる度に瞼の裏が激しく点滅して襲う来る快感に身悶えて真田の逞しい背中に爪を突き立てる。

波のように快感が押し寄せてきてこれ以上はもうダメだと、訳が分からなくなると真田の胸に甘えて制止を求めた。

 

「や、だめっ…もぉムリじゃ、げん…っ!」

 

頭を振り、無意識に体が逃げ出そうと腰が引けるも真田は許してくれず腰を掴まれてグイっと引き寄せられた。

そうすると繋がっていたのが更に奥深く押し込まれて声を上げる余裕もなくて息が詰まった。

 

「逃げるな、雅治」

 

逃げるなんてせん、そう言いたかったけど体が無意識に真田の下から這い出ようとしてたから言葉にはならなかった。

不慣れだった頃の真田が懐かしく感じる。ガクガク震えて息もままならないのを口付けで息の仕方を教えるようにふっと吹き掛けられてやっと息を吸って吐いた。

 

「は、ぁ…は…っ…げんいちろ…」

 

真田の体格に見合った大きさに何度も愛し合っていても息を詰めらせるものだからその宥め方も真田は既に熟知していて、抜かないままでも動かずに落ち着くのを待ってくれている。

前に一度だけ落ち着くのを待たずに揺さぶられた時には理性を飛ばしてしまい暫くぼんやりして使い物にならなくなったみたいでそれ以降真田は無茶させるような事はしなくなったがその分、時間を掛けて責めて来るようになった。

 

「んっ、げんいちろぉ…も、無理じゃ…なぁ、はよイってくんしゃい…」

 

何度もイかされてるこっちと違って真田はまだ1回しかイってなかった。何故ここで耐えるのか分からない。

指一つ動かすのだって億劫だしこれ以上の快感は出来れば受けたくない。そう思って負けず嫌いなのを折り曲げて懇願するのに返って真田自身が大きくなり身悶える事になってしまった。

 

「ひぃっ…!!じゃから、もぉ嫌じゃって言ってんのにぃ~っ!!」

「ハッ…憎たらしい口を開くお前がこんなにもしおらしくなるなんて…たまらんな、雅治?」

 

とんでもない事を言い出しおった。

ぎらついた視線と悦が含んだ笑みを浮かべる真田に嫌な汗が背中を伝う。Sのスイッチが入ってしまっている。

真田は至って普通の筈なのに自分にだけは時折Sっ気が混じってしまうのだ。本人曰く反抗的な猫が成す術もなく快感に降伏するのがグッと来るんだとか…紛れもなくSである。

 

「ぴ、ぴぇえ…っ!い、いやぁ…!許してくんしゃい、弦!!」

「可笑しな事を言うな。何も悪い事してないのだから許すも何もないだろ?」

 

首を傾げてる男は己が如何にヤバい顔をしているのか知らない。

これから襲って来る恐怖にガタガタ震えてるのを寒いのか?と勘違いしてる真田に違うのだと言っても全く聞き入れやしないのだ。

都合が悪い時ほど人間は耳が遠くなるようだ。意思が通じ合えない。

 

今夜はまだ眠れそうにないみたいじゃ…。

 

 

 

End