◆真仁♀(モブばっかり喋ります)
SS
「くそっ…真田の奴に漫画取られちまった…!」
「あっははは!お前馬っ鹿じゃねーの!!何で学校に持って来たんだよ!そら没収されるわw」
「真田だもんな、漫画を見せたお前が悪い」
「何だよお前ら他人事みたいな顔しやがって」
「他人事だよ」
「他人事だし?」
「うわぁ~っムカつく!!楽しみにしていた新刊なんだぞ⁈そら気になって読みたくなるだろ!」
「まぁ気持ちは分かるがな、俺らに言っても真田は漫画を返してくれないぞ」
「放課後に反省文書いて返してくれるんだろ?じゃあ良いじゃんか」
「そうだけど!あ~もうっあんな固い奴、絶対彼女が出来ないね!モテないわ絶対!」
「いや、アイツ彼女通り越して嫁居るじゃん」
「いるな、しかもあの仁王」
「仁王おっかないけど美人で綺麗だよなぁ、良いな真田のやつ可愛い嫁がいて」
「え?あれってただの噂だろ?仁王が真田と付き合うとか全然意味わかんないんだけど」
「いんや、それ本当の話」
「はぁーっ?!マジで!?え、何でそう言い切れるんだよ?!」
「そうそう。だって俺この間の日曜日にデートしてる真田と仁王見掛けたしアレみて本当に付き合ってるんだなって確信したわ」
「あー俺も見掛けたわ。家族と水族館行った時にペンギンの所で二人を見たな」
「は…マジで?部活の奴らと一緒に行ったんじゃねーのか?仲良いじゃん、あそこ」
「部活の奴らを置いて手を繋ぐか?」
「しかも恋人繋ぎでな」
「あ、恋人繋ぎだった?俺が見た時は普通に握ってただけだけどめちゃくちゃ距離近かったな」
「あの真田がデートでしかも恋人繋ぎとか目を疑ったが普通にお似合いだったぞ。真田老けてるけど仁王が既に大人の美人顔負けだからな、余裕だったわ」
「分かるわ~。下手したら援交だ、って間違われるしマジで同い年かよって言いたいww」
「……」
「ん?どうした、黙って」
「お腹痛いのか?真田怒ると怖いもんな、親くらい怖いし」
「ちっがうわー!!何で真田には可愛い彼女がいて俺は女子に見向きもされねーの?!俺だってバスケ部だし?!優勝だってしたのに何でこの学校はテニス部が一番モテるんだよぉ~!」
「俺も野球部だし優勝経験ある」
「陸上部で同じく優勝経験あるわ」
「うわこの学校強者揃いかよ…急に冷めたわ」
「本当だ、俺たち優勝経験者ばっかだな」
「ならもうあれだ、見た目とかじゃねーの?」
「あ?喧嘩なら買うぞ?お?」
「何でだよwほら、女子って大人に憧れる年頃だしダンディーな真田が良かったんだろ」
「あー…なら納得したわ。許さんけど」
「誰もお前の許しは求めてないからな」
「モテない男の僻みって奴だな」
「うるせーわ!俺だって真田より可愛い彼女を作ってやる!!」
「あ」
「あーぁ…」
「あ?」
「プリッ」
「に…仁王?!」
「俺は何も言ってない」
「そいつが騒いでただけだ仁王、見逃してくれ」
「いつからそこに…⁉というかお前ら俺を見捨てんなや!!」
「悪いな、自分の身が一番可愛いんだ」
「卒業まで安心して過ごしたいんだ俺は」
「良いじゃろ、正直者には恩赦を与えんとのぅ」
「ハッ、ありがたき幸せ」
「恩赦に感謝を!!」
「うむ、くるしゅうないぞ」
「え?何、打ち合わせでもしたのか…?俺だけ除け者にされてる…?」
「ほんで?何の話だったんじゃ?」
「えっ⁈それ聞いちゃうのか?!」
「なんやったっけ、真田に漫画没収された腹いせに俺以上の彼女を作ってやる…じゃったかのぅ?」
「最初から聞いてんじゃねーか!!鬼!悪魔!」
「人が悪いな仁王~」
「人聞き悪いぜよ。大声で話しとるから聞こえたんじゃよ、自業自得じゃ」
「マジか。それはごめん、素直に謝るわ」
「最初から聞いてたならもう聞くわ、真田って彼氏としてどうよ?」
「お前…勇者だな、尊敬しないけど」
「勇敢だけど愚かだよな」
「気になるんだからしょうがねーだろ!もしかしたらモテるヒントがあるかもだし!!どうなんだよ、仁王!!」
「真田に聞けば良いじゃろ」
「聞けないからお前に聞いてんじゃん」
「それじゃな」
「分かったわ、お前がモテない理由」
「ないわー」
「はーッッ?!何だよ?!!!!」
終わり?