mikotoの呟き

美琴の小説、日記やお知らせ置き場*^^*

◆渇望1(高土♀)

※現パロ

※高杉はとある会社の社長でにょた土方さんはとある会社の副社長

※先の話では沖神の描写が御座います

 

 

 

 

 

 

 都内のホテルで開かれたお披露目パーティー。 

きらびやかに会場ホールを照らすシャンデリアの光を受けてシャンパングラスを片手に持ち笑顔で人と話す女たちのドレスを際立たせている。男たちはそんな女たちの傍らに立ちエスコートしている。

 

一通り何十人もの役人との挨拶を済ませて高杉は一息着くために桂と坂本に一休憩してくると伝えてからホールの中を後にして人の居ないバルコニーへと赴く。その背中を万斉が追い掛ける。

 

余り人付き合いが得意ではない高杉は愛想笑いばかり浮かべていた所為か知らず知らず針積めていたのか一人になって気分が落ち着いた気がした。

 

さっきまでは仕事の事ばかりを考えていたのだが一人になって他の事を考える暇が出来るとずっと頭から離れない人が居た。

会場の広いホールの中でも一際自分の目を惹き付けて離さなかった。

仕事の対話をしてた時も時折視界に入ってきて視線が自然と寄せられた。気の所為ではないと思うが何回も目が合っていた。

近付こうにも仕事で来てる為まだ会わなくちゃいけない重要な人物が多くてそれ所ではなかった。

こんな時に何故自分が社長をやっているのかと投げ出したくなる。

 

そうこうしてる内に見失ってしまったのだ。

酷く残念な気持ちになったがあれだけ自分の視線を奪ったのだ。他の人間も奪われたに違いない筈だから誰かに聞けばどこの人間かは簡単に知れるだろうとその場は諦めた。

 

こんなにも一人の人間を気になったのは初めてなのだ。 

簡単に諦めるような高杉ではない。

 

「晋助、待て。そこだとホールから遠い。どこへ行く?」

「休憩」 

 

万斉の制止の声も気に止めずに高杉はその場を離れる。

言うことを聞かない高杉に万斉は仕方なそうにすると黙ってその背中を見送った。

共に行きたかったがまだやることがあったし高杉が一人になりたそうにしていたからそっとしておく事にしたのだ。

 

 

 

***

 

 ・side土方

 

どこもかしこも騒がしい…。

愛想笑いに頬が若干痛くなりながら土方がそう思っていた。

 

 今日このパーティに出たのは新しく立て直したS.S.K(真選組)会社の紹介、それと社長のお披露目を合わせて来たのだがその肝心の社長である近藤が挨拶を少し済ませてから以前に一目惚れしたと騒いでいた女を追い掛けている。

 

何の為にこんなパーティに出てるんだと呆れた土方だったが近藤の事になると甘くなるから好きにさせていた。

 

その代わりといって少し休んでくるといってホールから抜け出した。

 

濃い碧のドレスが歩き難くて幾度か舌打ちしながらバルコニーに向かう。

あそこなら人もいないだろうし、一服出来る筈だ。

ポーチから煙草を取り出し一本箱の底を軽く押し出して一服する準備をしながらバルコニーに足を踏み入れようとした時、既に先人が居ると気付いた土方はなんだ、先客がいたか…じゃあ別の所に行くか。と溜め息を吐きながら踵を変えそうとしたがその後ろ姿に見覚えがあり、足を止めた。

 

見間違える筈がない、その後ろ姿は挨拶回りの時に何度も目で追い掛けた男の背中だ。

 

 風に揺れて紫紺の髪が靡くその様が頭に焼き付く。まるで映画のワンシーンのように靡く髪や指に挟んだ煙草を口元に運ぶ動きがスローモーションに流れて見える。

 

綺麗な光景だった。

 

 無意識の内に足を踏み出していたのか、カツッとヒールの甲高い音が響いてしまった。

男に近付きたいと、触れたいと思ってしまった。

人の気配に気付いて男が振り返ってくる。

 

そして、僅かに目を見開いた。

 

 

何故ならそこには高杉がずっと目で追い掛けていた女が立っているからだ。

蒼の瞳が濡れたようにキラキラしており月の光を受けて滑らかな白い肌が青白く発光してるようで眩い。

 

二人は一歩も踏み出さず、お互いをじっと見つめた。互いの姿を相手の瞳で見つめながらまるで腹の探り合いでもするように相手の瞳の奥を覗こうとしている。

しかしそんな永遠とも、一瞬ともいえる時間は高杉が動いた事によって終止符を打った。

 

高杉が掌を上にして手を伸ばしたからだ。

土方はその手を見つめ、高杉を見るとその表情は笑みを浮かべていた。

土方は無意識に踏み出していた足を今度は自分の意思で動かし、高杉の手に自分の手を乗せて一つしか開かれてない碧の瞳を見上げた。

 

土方が深い蒼の瞳を持っているとすれば、高杉の碧の瞳は透き通っている。

ずっと覗き込まれたら自分を暴かれるようで土方はぞくっと快感に似た畏怖を感じた。

 

けれどそれで本望だと思っている。

二人は互いに見つめ合い、磁石と磁石が引き寄せ合うように顔を寄せてキスをした。

 

触れ合うキスを一度。

一度顔を離し、互いの顔を見つめ何かを確認するとまた顔を寄せた。
そして今度は触れるだけのキスではなく次第に激しく貪り食らうように応酬する。

 

「…んッ」

 

土方の細い腰に腕を回して引き寄せ、高杉の首に右手を回して髪の間に指を滑らし左手を背中に回して添える。

端から見たらそれは互いを逃がさないように拘束してるように見えた。

 

奪うような激しいキスを繰り広げてから数分、やっと顔を離すと二人は弾む息を整え高杉が今日泊まる筈の最上階に取ってあったスイートルームまで移動する。

 

このまま離れる、そんな選択肢は最初から二人にはなかった。