◆つき(高土♀)
教室に入って早々、高杉は顔をしかめると眉間にシワを寄せた。
教室にいる者はそんな高杉を気にするも怖くて誰も声を掛けられずそっと様子を窺っていると高杉は奥の席で机に腕を組んで顔を伏せて蹲る土方に近付いた。
「土方」
知る声が上からきて土方はそっと顔を横にずらすと目線だけを動かして高杉を見上げた。
その顔は悪く、傍目に見ても体調が悪いって事が分かり高杉がそっとその背中を優しく撫でるとホッとしたように表情が和らぐが顔色は良くなっていない。
「…立てるか?」
土方がこんなにも具合が悪い理由には何となく検討がついていた高杉はこのまま学校に居ても授業なんか聞いてられないのだろうと思い、帰ろうと促す。
言わんとしてることが分かったのか土方は小さく頷くとお腹に手を当てて上半身を起き上がらせる。
土方に代わり高杉がスクールバックに教科書や筆記具を入れると自分のカバンと一緒に肩にかける。立ち上がった土方の肩に自分のカーディガンを羽織らせて冷えないようにしてから肩を抱きそのまま教室を後にした。
その一部始終を見ていた者はえ、一体何が…?!と困惑していたという。
「薬は飲んだのか?」
「効かなかった…」
土方の歩くペースを歩を合わせながら高杉が問い掛けるとふるふると弱々しく首を左右に振って土方は効果がないと溢す。
そうか、と仕方なさそうに返すと高杉は更に土方を引き寄せて額に口づけた。
「帰ったら直ぐに暖めような」
ん、と土方は僅かに嬉しそうに笑みを浮かべる。確かにお腹は激痛ともいえる程に痛いがこんな時高杉はそれはもう周りが呆れる程に甘やかしてくれるのだ。
当たり前のように尽くされる側の高杉が土方の為だけにあれこれととことん尽くしてくれる。それだけで少し痛みが和らいだ気がした。
END
(生理痛って薬飲んでも効かないしホントにツラい…(泣)