mikotoの呟き

美琴の小説、日記やお知らせ置き場です(*^^*)

◆宇善

【揺れる。】

 

 

 


「おら、行くぞ」


は?え?ちょっ、宇髄さん?!訳も分からず一人ボンヤリと公園のベンチで座ってたら首が痛くなる程見上げなければならない宇髄さんがいきなり音もなく背後から現れて首根っこを掴まれて引き摺られる。

俺は意味が分からないし首が締まって苦しいのに宇髄さんはそんな事もお構い無しに俺を引き摺ってどこかへ向かって歩いてく。


「うへぇッ、ちょっ、マジで苦し…ッ」

筋肉で硬い腕をぺちぺちっなんて可愛い音ではなくベシベシッ!!と叩くと仕方なしっていう感じで解放された。
はぁ…死ぬかと思った。いやマジで。ホント何なのこの人。俺に何か恨みでもあんの?恨みなら俺の方がいっぱいあるけど?男前だからって何でもかんでも許される訳じゃねーからね?分かってます?男の俺から見ても男前って分かるから嫁さんが3人も居るんでしょうねチクショウ羨ましいわ爆発しろよこの野郎。

恨み妬みを脳内で吐き捨ててると首根っこを解放された代わりにと手を握られた。指と指をぎゅっと絡める恋人繋ぎっていうヤツを。

は?…いや、だから何…、


ギョッとして文句を言おうと宇髄さんの顔を見上げたら有無を言わせない表情をして俺を見下ろした。何でそんな顔してんの…俺何かしました?
結局何も言えず手を繋がれたまま黙って宇髄さんが歩いてくままに俺も足を動かした。何で…今日は黙りなんだよ…いつもだったら派手派手とかうるさいのに…俺まで黙ってしまうだろうが馬鹿野郎…。


暫く歩いてたら目的地に着いたらしくて顔を上げると目の前に飛び込んできた建物は宇髄さんが住んでる家だった。何故宇髄さんの家を知っているかは前に一回だけ訪れた事があったからだ。

あの時は煉獄さんが宇髄さんに用があったからその時一緒にいた炭治郎も連れて行かれたからそのついでって感じで俺と伊之助も着いてったのだ。

だけどあの時は煉獄さんが居たからここを訪れる理由があるけど、今は理由がない。俺何で宇髄さんに家に連れてかれてんの?俺の頭の上にはいくつものハテナマークが浮かび上がってる事だろう。マジで何でよ。


「あの、宇髄さん…何であんたの家に、」

言い終わらない内にまだ繋がれたままの手を引っ張られて家の中へと入ってしまった。玄関先で1度二人して立ち止まる。沈黙が耳に痛くて宇髄さんを見上げた。
さっきからホントにどうしたのこの人。俺何かしちゃったか不安になってたけどいい加減イライラしてきたんですけど?なんで好き好んでもないのに男と手を繋がらなければならないのだ。男なんかと繋ぐよりも禰豆子ちゃんと手を繋ぎたかったわボケ!

「あんたいきなり連れ出してきて何なんだよ!さっきから黙りだし何か文句でもあるんですか?!!横暴なのもいい加減にし…、」


今度は我慢ならず文句を言おうと開いた口は言葉の途中で途切れた。宇髄さんが身を屈めて俺の手首を押さえ付けると口を塞いだからだ。背中が玄関のドアに押し付けられて大きな熊にでも覆い被さられたみたいに影が俺を覆う。

「んぅっ、」

乱暴に奪われた唇だったけどその後は優しく触れるだけの口付けを何度もそれはしつこいくらいにされる。熱くて柔らかな唇が自分の唇と触れ合う度に耳に心臓があるじゃないかって思うくらいドキドキうるさい心拍音に頭がクラクラしだして玄関のドアに預けてた背中がどんどん下がってずり落ちていく。
完全に落ちる前に逞しい腕が腰を掴まえて支えてくれる。

唇もやっと解放されてやっと息を吐くと知らず知らずその息が甘い熱を籠って二人の間を掠める。

「い…きなり、何するんですかあんた…」

腰を支える腕に掴まり、爪を立てて睨み上げる。するとさっきまで怖いくらいに黙りを決め込んでた無表情の顔がいつものようにニヤリと憎たらしい笑みを浮かべた。

「俺は神だ。俺のものに何しょうが俺の勝手だろ?」


本当ヤベぇ奴だよ。

え?てか待って。今"俺のもの"って言わなかった?それって何が?もしかしてそれって俺のこと?俺いつの間に宇髄さんのものになった訳?本当に横暴なのもいい加減にしろよお前!自称神だからって好き勝手していい訳ないからね?俺ものじゃないし出来れば禰豆子ちゃんのものになりたいわ!炭治郎もいい加減禰豆子ちゃんと俺との交際を認めてくれても良いんじゃないの?

善逸は白い目で宇髄を見上げて現実逃避をしてたら宇髄はそんな善逸を軽々と抱き上げると無造作に靴をポイポイッと放り出すと騒ぐ善逸を意に返さず2階へと続く階段を上がって自室へ入った。

宇髄の身長に合わせて作ったオーダーメイドのベッドなのか広く大きいそこへ善逸を落とした。顔から突っ込んでぐえっと潰れた蛙みたいな不細工な悲鳴を上げた善逸は直ぐに起き上がると宇髄を見上げてギャーギャーと声を荒げて喚いた。

うるさそうに顔をしかめる宇髄は徐にいつも巻いてる頭の包帯とキラキラ眩しく輝く大きなダイヤが幾つも埋め込んであるのも外した。

すると肩まで届く案外柔らかい髪がはらっ…と宇髄の顔に影を作り部屋を取り巻く空気も変わる。

空気が変わったのを感じとった善逸は喚くのを止めると背中に冷や汗が流れるのを感じた。この空気はヤバい…緊張感が部屋を包んで善逸は宇髄の目を見つめたまま無意識に逃げようと後ろへと体が後退る。


宇髄はそんな善逸を見下ろしながら少しずつ近付き上着のボタンを外し、脱ぎ捨てると今度はYシャツのボタンをゆっくり外しながら善逸の目をずっと見つめていた。

ボタンを全て外し終わると善逸はベッドの真ん中で尚も逃げようとしていて宇髄はベッドに片膝を乗せた。両手をベッドに着けるとYシャツが開き宇髄の鍛え上げられた胸筋や腹筋が影を彩り善逸の目前に迫る。


な、な、なん、何で脱いでんの?!何で近付いて来んの?!!そんな顔で俺に近付いて来ないでくれます?!!!


想像したくもないが宇髄とこの部屋の空気で善逸はこれから何をされそうになってるのか頭で分かってしまった。女が、禰豆子ちゃんが好きなのに何故宇髄の真剣な表情と鍛え上げられた体を見ただけでこんなにもドキドキしてるのか善逸は戸惑って頭の中が混乱する。

逃げたいのに体が動かず、これ以上後ろへ逃げられずとうとう後数センチの距離でキスが出来るまでに宇髄に追い付かれてしまった善逸。

大きな手に丸くて柔らかな頬を触れられてビクッ!と体を震わせると赤くなった顔が宇髄を見上げて大きな目を潤わせた。


「…宇、髄さん…」


善逸は余りにも胸がドキドキして苦しくなってくる。
原因は目の前の男だけれど、この場で助けてくれるのもこの男しかいないのを知っている。

頬に触れる手に寄り添って目を閉じた。
ふっ…と低い笑い声が聞こえると空気が揺れて目を閉じたままでも影が覆い被さるのが分かった。

 

 

 

 

end

 

 

次は多分エロ突入かな?w