◆温もり
「~~~XANXUSのバカ野郎!もう知らねェっ!!」
大きな声で怒鳴りスクアーロはXANXUSから背を向けると窓を開けてバルコニーに出た。
XANXUSはベッドに背中を預けたままスクアーロを気にもせず手にしてたワイングラスを傾けて口に含む。
スクアーロはバルコニーの手摺に腕を乗せて寄り掛かると涙が溢れそうな目元を擦った。
「(XANXUSのバカ……)」
今回も些細な事で意見が食い違っただけの事だ。下らない言い合いをしてる内にスクアーロがつい頭に血を上らせて大人気なく怒鳴ってしまった。
自分の部屋に戻れば良かったとスクアーロは後悔した。まだ冬ではなくても夜更けは風が冷たくて体があっという間に冷えてしまった。
しかも寝る前だから今はシャツ一枚だ。
「……くしゅっ!」
とうとう小さなくしゃみまで出た。
スクアーロは自分が馬鹿みたいだと薄く自嘲する。
中に入れば良いと思うのだが言い合いをして喧嘩した手前ボスと顔を会わせずらい。負けた気もして意地でも中に戻りたくなかった。
別に……喧嘩したい訳じゃねぇのに…。
「ッ……はくしゅ…!」
左手はないから何ともないが残ってる右手の指先と体が冷えて震えてきた。他人事のように思いながらスクアーロは腕を交差させて自分の体を抱き締めながら涙を堪えた。
「……このバカ」
耳元で大好きな声が聞こえたと思ったら冷たくなってしまったスクアーロの体は温かい毛布と力強い腕に抱き締められていた。
「…ぁ……」
「…さっさと中に入れ、バカでも風邪は引く」
そう言うなやXANXUSはスクアーロを閉じ込めたまま強引に連れてくとベッドに下ろし中に入ると上掛けをスクアーロの肩までちゃんと被らせる。
「……XANXUS、」
「…寝るぞ」
「っ……うん…」
謝る事なんて出来なかったし喧嘩もあやふやのままになってしまったが下らない喧嘩で明日一緒に居られないなら自分も気にしない事にする。
スクアーロはXANXUSの頬を軽くキスをしてから褐色肌の胸元に頬を擦り寄せて目を瞑った。
END
久しぶりにブログを開きましたw
昨日ザンスク専用小説ファイルを見付けたのでその中の1つをupです////
喧嘩してても一緒に寝る二人を書きたかったンだと思いますw
昔に書いたヤツなので相も変わらず下手くそな文章ですけど少しでも楽しめたら嬉しいです…♥
美琴 2017.1.16